217 自分勝手なアスリート
…雪兎。(;゜Д゜)
それが本当の泉の異名。。
気象条件まで味方につけた泉は
何を望み何を求めるか、、
そしてそんな我儘に応えるべき
五区の赤阪は…
「…雪兎??(;゜n゜)
ということは泉もしかして
雪道では無敵やとでも??」
『…あぁ。(; ー`vー´)
大げさに言えばやがな、、
けっこう知られたことや。。』
「……否定せんの!?(;゜c゜)
大阪はほぼ雪ないからワシは
泉のそれ見たことないし…
お兄さんたちも反応薄いし…」
『……かもしれん、(`ーcー´)
たしかに兄貴に見せる機会は
なかったと思うから。。』
「…やったら…(;´・ω・)
と思ってたけどもしかして…
上牧くんは知ってる??」
『…おそらく。(`・v・´)
アイツの位置が一番ウチを
恐れるとこやろから。。』
「……マジで!?(;゜Д゜)
今んとこ200mあるぞ、、、」
『…けど。(; ・`v・´)
狙えるかもしれん。。。』
…ほんま!?
\(゜ロ\)(/ロ゜)/)
上牧くんはの略南の六区。
泉とも双璧の実力者やのに…
今時点で200m程も前におる
2位集団の略南をも射程内に
できると言うの???
それが…雪兎の本懐???
そこは泉をよく知る兄二人に
聞いてみると…(;´・ω・)
「…かもしれん。(;・v・)
泉は昔からそういう奴や。」
「…戦える条件さえ揃えば必ず
挑みかかるでごわす。。
しかも勝算は常に持って…」
「…ならば…(´゜д゜`)
恵さんも摂津山関も雪道なら
泉は略南をも捉えると??」
「…それはわからん。(-v-;)
勝負事はやってみんと…」
「…相手があるでごわすから。
さすがに今以上の差になれば
難しいと思うでごわすし…」
「…ならば…(;´・ω・)
やっぱり無理やと??」
「…わからん…(; ・`v・´)
せやから舞台は作ったれ…」
「…挑めるからこそ我々は
アスリートでごわす。。
だからせめてアイツに…」
戦う権利を与えたれ。。
(・ω・)ノ
最後のレースを目標のない
挑戦権なきモノにするな。
それくらいならせめて…
負ける資格を与えよと、、
ぶっちゃけ今の展開では
天下茶屋は四位争いが上限。
(;´・ω・)
自らをアスリートと称す
強靭な兄二人を持つ末弟は
そこに何を思うかいうと…
これを知るのは陸上を
知り尽くす先達…
千林さんであって、、
『…へぇ。(;゜c゜)
アスリートって意外に
我儘もんなんですね。。』
「…そうだよ難波。(;・v・)
自分勝手なくらいに勝負に
貪欲なヤツでもなければ
人より強くはなれんよ。」
『だから千林さんが思うに
今の泉はそう考えると、、』
「おそらくな、(;・∀・)
佐野だけでなくアスリートは
そういう答えになるが道理。
同士社の佐野選手や摂津山関
も同じ意見だろう。。」
『…あれ?…(;´・v・)
けどウチも同じ考えかも…』
「…まったく。(。-`v-)
アスリート以上に我儘なのが
女ってもんではあるけど…」
問題発言ですよ。
(;´ーCー)
JOC関係者なら解任されて
ますよ千林さん。。
まぁ…でもその通り。
アスリート以上に我儘な
人間はそうはおらん。
ついでに女は男より…
解任になるから以下自粛。
(;´・ω・)ゴメン
ともかく…
その道理で言えば今一番の
我儘はアスリートであり
女…に近い泉ってこと、、
(;´・ω・)
そしてその希望は…
赤阪の快走。
(`・ω・´)
五区の2キロ通過時点で
天下茶屋は先頭と49秒差。
二位集団とは35秒差。
あと1キロでその差を
僅かでも詰めること、、
せめてキープすること、
そして…
現在3人いる四位集団を
勝ち抜くこと…やけど、、
これが困難。
だって…(;´・ω・)
『…キツイよ。(;´・v・)
3キロならともかく残り
1キロでアイツらを相手に
するなんてのは、、』
「…じゃぁ…(;´・C・)
赤阪には勝ち目は??」
『…相手が悪いて。(-v-)
田神宮と寺参は今や世代を
代表する中距離選手や。』
「…たしかに、(;´・ω・)
800mでは誰も勝てんよな。
泉も負かしたらしいし…」
『まぁでも…勝負事や。
期待はさせてもらうよ。』
「……たしかに。(;・∀・)
勝負はやってみなわからん。
諦める必要はないでな。」
そう、やってみなわからん。
(`・v・´)
そりゃ相手は高校トップの
アスリート2人。
分が悪いのは承知やけど…
赤阪ならやるかもしれん。
どんなアクシデントが
起きるやもしれん。。
ワシらがそう信じるのは
あるべき姿やから、、
すると…
先頭がきた。( ゜v゜)
播州工業の三木。
さすがに安定した走り。
整った体勢のままで鋭い
スパートに切り替える。
構える六区は土山。
5000の時計は14分10秒。
六区走者中では最高。
…繋がった。
確実に逃げ切りを図る。
続いておよそ100m離れて
二位集団。(・ω・)
笹羅と略南は競ったまま
ラストスパートに入る。
構えるは笹羅の三原、
略南はおなじみの上牧。
いずれも14分前半の実力者。
ってカメラはここばっかり
捉えてるから不明やけど…
その後ろは??(;゜Д゜)
ワシらが気にしてる
赤阪のいる四位集団は
それより200mほど後方。
かろうじて見える集団は
どうなってるかいうと……
何か動きがあったみたい。
(*⁰▿⁰*)
よぅ見えへんけどどうやら
前を走る大型選手2名が…
肩をぶつけ合った、、
(;゜Д゜)
ラストスパートに入る前に
敵の体制を崩す戦略。。
そのために肩をぶつけるは
中距離選手の技術。。
手の内を知り尽くした同じ
タイプの田神宮と寺参は
示し合わせたように同時に
肩をぶつけ合った。。
(;゜n゜)
団体競技である駅伝では
アンカー以外では凡そ
考えられへんこと、、
個人競技以外では滅多に
見られないこと。
けどこの好敵手2人には…
(; ・`n・´;)
他は見えてない。。
隣を走る強敵に勝つこと
以外に目的はない。
トップアスリートゆえの
究極の我儘…自分勝手…
(◎C◎;)
ニヤリと顔を見合わせる
田神宮と寺参。( ̄ー ̄)
もう一回当たり合う、、
そのために二人が僅かに
距離を取った刹那…
<スパッ> (;゜Д゜)
その僅かな隙間に頭一つ
小さい華奢な男が飛び込む。
僅かに緩んだ前方の隙に
合わせて残った最後の力を
最大限に振り絞って…
天下茶屋高校・赤阪千早。
٩( 'ω' )و
ずっと隠れるように二人の
後方で身を潜めてた男が
ここしかないタイミングを
待っていたかのように、、
このレース初めて…
田神宮と寺参の前に、、
(`・ω・´)
4位に躍り出た。。
来た!(;'∀')
我儘勝手な高校生アスリート二人に
よる意地の張り合いの隙間に…
誰よりもアスリートの恋焦がれた男
赤阪千早が飛び込んだ。。




