216 雪兎
アスリートなら誰もが迎える
最後の勝負の舞台。。
そこで何を目指すかは意外に
簡単ではないようで、、
「…おいおいマル、(;´ーvー)
誰がラストランだって?」
「……隠すなハナ。(。-`ω-)
あんな大騒ぎを起こした
分際で何を今さら……」
【195など参照】
「……たしかに。(-c-;)
もう隠しても意味ないな。
それで…何を聞きたい??」
「お前ほどの選手だ。(;・n・)
最後に明確な目標もないまま
レースに挑むとは思えん。」
「……買い被るな。(-v-;)
まして駅伝は団体競技。。
個人の明確な目標なんてのは
たてられないだろう??」
「…まぁ…な、(;´・ω・)
だがそれでランナーとして…
ハナは終われるんか??」
これは…難題やと思う。。
(/・ω・)/
では難題の中身とは何だい?
という冗談でなく実は、、
陸上選手は状況に応じた
目標建てに不慣れってこと。
そもそも陸上競技者とは
団体でなく個人競技者。。
敵は己の中にあり。
勝つも負けるの己次第。
つまり目標設定は他人には
左右されない求道者にも
近い要素があるのが常。。
けど…駅伝は団体競技。
(´・ω・`)
展開次第で目標は変わる。
誰かのせいで目標は消える。
自分の都合だけで目標設定
わけではない。。
これはランナーにとって…
特にラストランを駅伝に定めた
長距離走者には意外なまでに
割り切れない難題。。
順位の変動の少ない今の展開は
難題をさらに難しくする。。
放出もすぐには答えを出せん
みたいなんや。(;´・ω・)
ただ…それは放出に限った
話ではない。。
今日を最後と決めている
中距離選手も同じこと。
けどちょっと事情は違って
いるようで、、、
「…どうした泉。(;´・n・)
上向いてニヤニヤして…」
『…いや、(;・∀・)
少し見てない間にえらい
分厚くなったなぁって、、
これ…荒れるかもしれん。』
「…摂津山さん??(;・n・)?
たしかに分厚い身体やな…
あれなら新入幕でも大暴れ
するかもしれん。。」
『ちゃうちゃう。(*'ω'*)
分厚くなったのはあっち。』
「…たしかに雲が、、
天気予報をチェックしてみよ
って…えっ!?(;゜Д゜)」
『……北大路辺りまで来てる…
この分なら、、(; ・`V・´)』
…荒れる。\(゜ロ\)
大雪になればレース展開は
目まぐるしく変化する。。
このレースを現役最後とする
エース二人にとっても…
現在6位の天下茶屋にしても
願ってもない展開、、
(`・V・´)
荒れれば勝機はある。。
ラストランにかけるエース
二人を残す天下茶屋なら
大きな目標さえ描ける。。
けど…問題は三つある。
(´・ω・`)
一つは目は…
京都の特異すぎる気象条件。。
碁盤の目で構成される京都では
【○○通りより北は雪】なんて
気象条件が普通に発生する。
これが北大路通りまで南下して
きたとってことはつまり、、
北大路通りを走る六区の
中盤の2キロほどが雪道に
なるということはその…
大荒れ必至。。(゜Д゜)ノ
やけど荒れるんは北大路だけ。
今出川も紫明も曇り空。。
(´・ω・`)
他に荒れる要素は少ない以上、
つけ入る隙は僅か2キロという
厳しすぎる条件が一つ。。
二つ目は…レース展開。
(/・ω・)/
五区時点で一分以上の差が
ついたらお話にならん。
ただそこは…
赤阪が大健闘してる。。
(((o(*゜▽゜*)o)))
前を行く一流二人にピタリと
ついて区間賞ペースを継続。。
四位集団について先頭とも
5区二キロ地点通過時点で
わずか49秒差。。
まだまだ勝負には…
…ならんと思う。(;´・ω・)
なにせ先頭を行く播州工業の
六区七区が抜群やから。。
…では優勝以外なら、、
二位までなら狙えると意識で
ウチのエースたちが、、
泉北の黒豹と北摂の白兎が
満足するかは不明。。
(;´・ω・)
現実には四位争いが出来たら
上出来という状況、、
ではその上で…三つ目は??
一番大事な問題とはつまり…
泉の雪道への適性。。
(/・ω・)/
そも泉は性同一性障害とか
佐野三兄弟とか諸々の特異を
差し引いてもなお、、
ランナーとしてかなりの異形。
(;゜n゜)
スパートとスピード抜群で
超のつく後半型体質。
155センチ42キロという
超のつく小型ランナー。。
そしてその小柄ゆえ…
超のつく向かい風嫌い。。
(@c@;)
降雪量の割には弱風とはいえ
北大路通りは横風になる。
こんな特異な気象条件下で
このか弱い小さなランナーは
不利になるかもしれん。。
(;´・ω・)
けどそんな心配を他所に…
泉は…不敵、
自信ありげに口が緩む。
泉の兄貴たち、、
これがあるべき姿と言わん
ばかりに激励する。
泉をよく知る略南の六区、
上牧くんは苦虫を嚙み潰した
ような表情に変わる。。
これは一体、( ゜n゜)?
『…ああ。(;´ーvー)
天保山は知らんねんな。』
「…何を??(;´・ω・)
じゃぁみんな知ってることが
あるってことなんか??」
『…なぜウチが…(`・v・´)
白兎と呼ばれとるか天保山は
聞いてるか??』
「…たしか…(;´・n・)
色が白くて兎が跳ねるような
ストライド走法やから…」
『…はは。(;ー∀ー)
それは後付けやよ。。』
「…そうなん??(;゜Д゜)
赤阪がそう言うてたんやぞ…
じゃぁ本当の由来は??」
『…雪兎。(; ・`v・´)』
「……えっ。。」
『…ここに雪道がある限り…
ウチに勝てるモンはおらん。
そう断言してもええ、、』
「…そ…そうなん??」
『…やったるよ。。( ;v;)
駅伝の神様はウチの最後に…
最高の舞台を用意してくれた
みたいやからな。。』
そう、、泉にとって…
雪道こそが最高の舞台。。
最後と決めたこの大舞台で
願ってもない花道…いや、、
得意の雪道を与えられた
この小さな雪兎は…
牙を剥くことになる。。
北摂の雪兎、、
それが泉の本当の渾名。。
(`・ω・´)
雪道におけるその強さを
見せるならばもしかしたら
泉もまた望外の目標を…
そして天下茶屋はもまた、、




