212 奇跡を見たと思う
既に第四中継所は
四校が通過。(; ・`n・´)
競り合い削りあい
己の限界を超越して
戦うは天下茶屋の…
争いを好まないはずの
キックスくん??
(@n@;)?
「20番!…(; ・`C・´)
続いて27番!、23番!!」
第四中継所に選手コールの
声が響く、、
ゼッケン17は昨年優勝高、
長野の諏訪久聖。。
待っている五区は国体800m
優勝者・寺参善光。(;・∀・)
ゼッケン22は昨年8位入賞。
愛知の鱧川高校。。
同五区はインターハイ800m
優勝者・田神宮熱。
いずれ劣らぬ世界ジュニアで
通用する中距離選手。。
ともに180cm近い大型選手。。
五輪出場さえ困難とされてきた
中距離種目では久々の希望の
星といったところやけど、、
もう一人は??(;´・ω・)
161cm49キロの長距離選手と
しても脆弱な見た目の彼は…
ケンカを売るようにあえて
二人の間に入った。(;・∀・)
<ボクの頭越しで会話するな>と
言わんばかりの怒りの顔で、、
『…お兄ちゃん!(; ・`д・´)
もめ事を起こさないで!!』
「……分かってる。(-v-;)
ケンカするつもりはないが…
無視はされたくない、、」
妹に即されて赤阪は表情を
緩めたモノの、(;・n・)
これは異例なこと。
駅伝に限らずどんな競技でも
格上にメンチ切るなんて行為は
まずありえないこと、、
むしろ畏れ遠慮するのが普通。
実際その直後には…
「57番!(; ・`n・´)
早く準備しなさい。。」
「は…はい。。(;´・ω・)」
コールされたのは5位集団から
およそ5秒遅れの8位・報緑。
五区を務める二年生の三島は
1500m3分40秒台の実力者。。
(`・v・´)
本来ならタスキを受けたら
5位集団を追うべ立場…
…やけどかなりビビッてる
みたいで。。(;・∀・;)
その理由を知ってる人間も
天下茶屋にはおるようで。。
『…ビビりやなぁ。(;ーДー)
何しとんねん三島のヤツは、、
サブイボ出とるやんけ。。』
「…そういえばあの報緑の五区、
泉の後輩やったな。(;゜n゜)
けど三島くんなら強い選手と
走った経験は多いはず…」
『けど…相手が本物や。(^c^;)
近くで見たらオーラ出とる。
それに…ウチの責任や。。』
「…泉に責任??(;゜c゜)
寺参と田神宮と何かあった?」
『…以前に話したよな。(-v-;)
ウチが中学ん時…全国の決勝で
どんなレースやったかは、』
「…たしか…(;´・c・)
大型選手たちにポケットされて
潰されたって言うてたな。。」
【114参照】
『…それが田神宮と寺参。(ーvー;)
アイツら大柄で当たりの強さも
超のつく一流やから。。
当時ウチの付き人やった三島は
それ見て震えとったわ。。』
「…同じ中距離選手としてそれ…
トラウマもんやで。(;´ーCー)
三島くんも小柄な選手やし。」
『まぁ駅伝ではそう心配ないが…
アイツらに不用意に近づいたら
危ないとは知っとかんとな。』
「…それ…(;´・C・)
赤阪は知ってるかな??」
多分…知ってる。(;´・ω・)
知識量抜群の赤阪なら陸上の
有名人の特徴くらい知らん
方がおかしい。。
そしておそらくそれに泉が
関係してることも…
まさか敵討ちなんて考えては
ないと思うけど、、(@_@;)
…それでもええ。。
戦う動機があることで
潜在能力が引き出される
ことはあるから。。
そして今目の前には…
己の限界を超えて戦わんと
する漢たちが迫ってくる。。
(`・ω・´)
まず五位で第四中継所に
駆け込んできたのは…
昨年度王者・諏訪久聖。
留学生二人の追い上げを
受けながら、一度も後方を
振り向くことなく、、
ただ前を向いてただ一秒を
削り出すことに腐心。
(`・ω・´)
振り向いて焦って心を乱して
得られるものなどない。
身体は少し冷えてるけど…
雪国長野の根性は負けない。
その心のおかげで…
中継所まで五位を守りそう。
(;゜Д゜)
けど気になる次はなんと…
「俺ハ…走ルコトシカナイ!!
勝ツシカ…(; ;`C;´)」
「私ハ…モウ何ニモ負ケナイ…
逃ゲナイ!戦ウ!!(;`C´)」
五位を…見てない。
\(゜ロ\)(/ロ゜)/
戦うとは…
勝つとは負けるとは…
(; ・`n・´)
走ることでしか人生を得る
ことさえできない漢と、
その哀しすぎる歩みゆえに
戦わなければ不戦敗の漢。。
誰より戦いたくないのに
戦うことでしか自分を
保てない状況の二人。。
それが、、
二人を引き上げた、、
(; ・`v・´)
世代最強の留学生…
(;・∀・)
他の選手を30秒以上引き離す
圧倒的区間賞を決めている
この男はさらに、、
勝ちに拘る。(;・∀・)
走って勝つことしか生きる
手段さえない彼は必死で、、
それこそ決死で前進する。。
けどもう一人…
陸上を始めて僅か8か月の
語学留学生が魅せつけた
圧倒的ポテンシャルは、、
全てを引き付けた。
自分が前を向くことだけ。
それ以外できない男に
闘志が加わることにより…
まだ…絞り上げる。
最後の半滴を絞り出す。
名門・報緑を置き去りにし、
その前を行く諏訪久聖に
さえ肉薄の勢いでなお、、
(; ;v;)
限界を超える瞬間とは…
精神が肉体を上回るとは…
その奇跡をワシは初めて
この目で見たと思う。。
(;´;v;)
だって…
五位で来た諏訪久聖。。
五区の寺参りは奪うように
タスキを受けると最初から
自慢のスピードで魅せる。
けどなんとその一秒後…
「出よった…(; ・`C・´)」
「キックス!!(; ・`д・´)」
身体を投げ出して…
秒差もない僅かの差では
あったけど、、
キックスが競り勝った。。
(((o(*゜▽゜*)o)))
そして、、
「赤阪サン!(; ;`C;´)」
「任せろ!(; ・`v・´)」
平和主義者のキックスが
初めて勝ち取ったであろう
大きな大きな…六位。。
終わってみれば区間三位の
快走でもあったキックス。
全てを尽くして倒れこむ
キックスの0コンマ数秒後…
「頼ム!タカミヤ!(; `n´)」
「応!(; ・`C・´)」
同じく全てを尽くした…
一分近く差を詰めた区間賞の
セントリアが来た、、
五位から七位までの差は
公式には一秒。。
飛び出したはずの五位の
諏訪久聖はその直後…
さらなる勢いの天下茶屋と
鱧川に吸収された。。
戦いを望んだことで…
争ったことで己の限界を
突き破ったキックス。
(´;v;`)
そしてここからは…
世界のアスリートたちと
小男の凡人ながら
努力の天才が競う五区。
先頭のとの差は…52秒。




