210 オカマ心と冬の空
目まぐるしく動く四区の後半。
天保山昇もキックスも感じた
背中を襲う寒気。(;゜Д゜)
だがその原因はもっと単純な
ものであったかも、、
「…なぁ泉…(;´・ω・)
今なんか背中に寒いモンが
走らんかった??」
『…そりゃ…(;´・v・)
これはちょっと予報以上に
なってもたな。。』
「…たしかに…(;´・ω・)
キックスは頑張ってるけど
鱧川があんな追い上げ
してくるとは予想以上で…」
『…いや…( ・v・)
それはほぼ予想通りやよ。
勝負はこれからや。。』
「…じゃぁ…(´・ω・)?
何が予想以上やの??」
『…予想やのうて予報、、
見るべきはあっち側やて。』
そう言って泉が指したのは
北の空??(;´・n・)?
たしかにちょっと雲が出て
きたけどそれが何??
ってか実はこれ京都近隣の
人以外には難しい感覚で、、
けど話を聞いてた京都代表
略南の六区・上牧選手は
わかっているようで会話に
入ってきて、、
「…たしかにな。(;´ーvー)
これ佐野と競った展開なら
面倒になってたで、、」
『…どうかな、、(;´・v・)
天候次第では展開かって
変わる可能性もあるで、、』
「…語るねぇ高槻市民…
コロコロ変わるのは佐野の
女心ってとこ?(;ー∀ー)」
『…からかうな。( `v´)ノ
上牧相手にワシが乙女心
出してどないすんねん。』
「…俺もいらんよ。(-v-;)
オカマの女心なんて…
それにこれは秋の空やなく
京都の冬空の特徴やで、、」
『…そうやな。(*^-^*)
だがこれ…荒れるかも、、』
「…その前兆はありそうや。。
佐野相手なら気をつけんと…」
『……覚悟しときや。(; `v´)
オカマ呼ばわりされたんや…
競る展開になったら上牧ワレ
後ろから煽ったるから。。』
オカマ呼ばわりされたって…
陸上競技でオカマを掘っちゃ
ダメです。(@n@;)
まぁ駅伝なら後方から前を
捉えるのはありやけど…
四区6キロ地点で先頭・略南と
7位天下茶屋の差は58秒。
ただそれやと不安症で主将の
ワシは迷ってしまう。。
(;´・ω・)
だって天下茶屋の目標は
あくまで8位入賞。。
さらに六区と七区にエースを
配する後半重視の戦略、、
当初の計画では中盤あたりは
10~15位で乗り切る計画で
あったはずなんや。。
それがなぜか四区途中で…
大健闘の7位。(;・∀・)
後半のオーダーを鑑みるなら
冒険しなければ入賞は有力。
けど先頭までは58秒。。
駅伝で逆転可能とされる
1分差の圏内。。
後半型の天下茶屋が欲張れば
もしかしたら…(;´・ω・)
ただそのためのキーワードは
先の上牧くんと泉の会話に
あったんはワシも気づいてて…
「…なぁ泉…(;´・ω・)
荒れるてどういうこと??」
『…あれ??(;・n・)
天保山は背中に寒気がしたと
言うてなかった??』
「…それが何か?(;´・n・)?」
『気温が下がっとるやろ。。
もうすぐ雪になる。(-v-)』
「…全く気づかんなった。。
だって予報では…(;´・ω・)」
『盆地の天気はわからんから。
でもまぁ北山あたりまで。
この辺まで大雪になる心配は
ないと思うけど…』
「??(;一_一)??」
『…すまん。。(;´ーωー)
大阪市民はわからんよな。』
高槻市民は教えてくれた。
山城盆地の天気は特異。
予想外の天候変化は日常茶飯。
特に冬は予想外の降雪が多い。
しかもある地点までは大雪で、
道路一つ南側は降ってないって
ことも珍しくない。((+n+))
まして京都は東西南北に直線の
通りが何本もあるから、
<〇〇通りまで雪>という境目が
できることも多いとやらで、、
『その境目になることが多いんが
北山通ってわけ。(*^-^*)
折り返し点はこれより北やけど
この先のコースはずっとそれ
より南を走ることになる。。』
「…ならええやん。(;・n・)
大雪でコースが荒れる心配は
なさそうってことやろ?」
『けど…もう影響は出とるで。
急な雪が駅伝に何をもたらすか
分からんはずないやろ??』
「たしかに。(;゜Д゜)
じゃぁもしかして6キロ地点で
キックスに抜かれた丸州学園が
ペースダウンしてたんは…」
『……ありうるな。(; ・`v・´)
なにせ特に四区はモロにその
影響を受けかねんから、、』
「…ということはこの先も…」
そう。(;゜Д゜)
天候と同じくらい長距離走に
影響する要素…それは、、
…気温。(/・ω・)/
通り一本はさめば天候が異なる
特殊すぎる冬の京都、、
特に一区・三区・四区は、
最も北の地点と南の地点では
およそ5キロも隔たる。。
\(゜ロ\)(/ロ゜)/
つまり四区の後半はスタート
地点より気温が高いはず。。
防寒具などで温度調整する
選手も多いはず。。
ではもしそんな走行中に、、
まして8キロ区間の後半に…
急に気温が下がったら??
\(゜コ\)(/C゜)/
その変化を予期せず不用意に
防寒具を捨てたりしたら…
ギリギリの状態の選手は、
気温の僅かな変化で走りを
大きく乱すこともある。。
体が僅かでも冷えた状態なら
スパートはかけられない。
陸上とはそんな繊細な競技と
改めて知るんやけど…
「…じゃぁ…(;゜Д゜)
キックスは大丈夫なん?」
『…多分。(; ・`v・´)
予定してた時点で防寒具は
捨てとらんようやから。』
「…ならええけど、、」
『…感じたんかもしれん。。
後方からの圧力に寒気を…』
「…けどそうなると…
追い上げてきた側はかなり
キツイんとちゃう??」
『…たしかにヤツも見た目に
消耗を隠せてへんな…
これはキツイ勝負になるぞ。』
…かもしれん。(;´・ω・)
こういう変化が影響するのは
実力以上のハイペースで
追い上げて来たに選手にこそ
大きく表れるモノ。。
余力を残してない者ほど…
けど一方で彼は、、
鱧川高校チタ・セントリアは
世代No.1の留学生。。
四区の区間賞確実と言われる
怪物級の実力者。(;・∀・)
疲れの見える今からでも
計り知れない底力を秘めて
いてむしろ当然。。
安心できる相手ではない。
だが一方でキックスの表情は
強く引き締まる。(`・ω・´)
…わかっている。。
七キロ地点手前…
ここからが本当の勝負。。
数奇な運命ゆえに、、
本人同士とは無関係の理由で
戦いに導かれた二人の留学生
であり紛争被害者が今、、
並んだ。(; ・`n・´)
哀しすぎる過去を背負うキックス。
その因縁の相手でありながら自身も
似た過去を背負うセントリア。。
走ることしか生きる術のない彼が今
40秒以上の差を追い上げて、、
ここからが本当の勝負。(`・ω・´)




