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020 北摂の白兎

学校中の男子を誘い尽くしてなお

眠っていたという人財。。


そんな男って…存在するの??


「それで能勢。そいつはどんな男なんや??」

「いや…そのへんが特に問題でな…」

「…どのへんやねん!?(=゜ω゜)ノ」


「…けど天保山も赤阪も知ってるかもしれんぞ。」

「ワシ…問題児の知り合いはおらんけどな…」


『なんでもええよ。ウチがなんとかするから。

 いざとなれば色仕掛けをしてでも説得したるで。』

「はは…難波には絶対にムリだ。」


『なんやて!!ウチはそんなに色気ないんか!?』

「…そうは言わんが…ムリだと思う。。」



 …能勢がこんなにもったいぶる男って??

 鬼が出るか蛇が出るかわからない。


 まぁでも問題児ではないやろうな。。

 この学校で警察の厄介になるのはワシぐらいやし…

 (ただし4回逮捕されてすべて冤罪…)


 けど…とりあえず教室までは来てしまった。。



「ほれ。あいつだよ。。」


 …能勢が指差した先には確かに男子が二人いる。


 けど一人は軽く100キロはありそうなデブ。

 もう一人は運動には無縁そうなガリガリのメガネ。


 …これ…何の冗談??



「…あいつらじゃねぇよ。その手前。。」


 手前って…女子しかおらんやん。

 それもけっこうオシャレで可愛い子ばかり…


 いわゆるこのクラスの…

 カースト上位グループやないの??


 けどあの小柄で色白なロングヘアーの子…

 たしかにどこかで見たことがある。。


 …ワシだけやない。

 赤阪は気づいたみたいやな。


 ただ赤阪のヤツ…なにを震えとる??



「…能勢…まさかあの子もしかして…」

「ああ赤阪。おそらくお前の見立ては正しいよ。。」


「…あの高槻北摂たかつきほくせつの…白兎はくと??」

「ああ。あの佐野泉さのいずみだ。。」


「なんで…なんでそんな????」



 高槻北摂中学陸上部・佐野泉。。


 中学陸上800m大阪府大会優勝。全国七位。

 同3000m大阪府三位。全国大会出場。


 通称≪北摂ほくせつ白兎はくと


 …能勢も赤阪も…

 …人付き合いの苦手なワシでさえ知ってる…


 …地元陸上界では超のつく有名選手。。



「なぁにぃぃ!!北摂の白兎やと!??」


 ワシが出し抜けに大きな声を出してもうたから…

 佐野泉は気付いたみたい。。



『え??…あんた誰や。なんでその呼び名を??』

「だって…白兎って…その…」

『ええからそんな大きな声ださんといてぇな…

 ちょっとこっちで話そっ…』


 …ワシらは佐野に連れられ人のいない場所に移った。

 赤阪も腰を抜かすほど驚いてる。だって…。



『ふぅ…たしかにこりゃウチの色仕掛けは通じんな…』

「みなみぃ!!落ち着いとる場合か!??」


『ええやん。別に問題児ってわけやないし。

 こりゃどえらい人財が眠ってたってわけやな。。』

「せやけど……」



 …たしかに問題児ではなさそうや。。


 けど…大問題がある。。

 だって佐野泉は…北摂の白兎は…


 小柄で細身で髪が長くて色白で…

 可愛いい顔して女子の制服着てるけど…



 男やぞ!!



 …ってあれ??

 …それやったらええんかな??


 …ちょっと…考えても分からへん。。(*_*;




人財…それも超大物がいた。。


けどこの作者…

こういうキャラクターをよく使うよな。。


まぁ安易に特殊な設定を書けるからやねんけど。。


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