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206 戦いたいなら

平和をの切望し、戦うことを

毛嫌いしていたキックス。


その彼が求める戦いとは…


「…戦イタイ??(;´・ω・)

 陸上留学生ノコノ俺ヲ相手ニ

 語学留学生ノキミガ??」

「…ハイ。(;´・v・)

 私ハ戦イタイト思ッタ。。

 生マレテ初メテ、、」


「…ソレハ俺ガ…(;´・ω・)

 キミノ敵対民族ダカラ?」

「…ワカリマセン、、

 タダ…戦ワナイトイラレナイ

 ソウイウ気分ナンデス。。」



 都大路全国高校駅伝

 第三中継所、( ゜Д゜)


 スタート直前の黒人留学生

 二人による怪しい会話。。



 内戦で故郷を失い争いを嫌い、

 平和の礎を求めて日本に

 語学留学してきたキックス。

 (・ω・)


 そしてキックスの村を滅ぼした

 敵対民族の出身でありながら、

 自らも内紛に翻弄された被害者

 でもあるチタ・セントリア。。


 走る以外に生きる術のなかった

 彼はそこで頭角を現し…

 高校駅伝の助っ人として鱧川に

 留学してきている身。。



 互いに個人的な憎しみはない。

 (;´・ω・)

 けど…互いの傷を舐めあえる

 立場でもない。。


 なのに無関係ではいられない。



 ならば…どう関わる?

 柵にどう決着をつける?

 それはおそらく、、


 戦うことでしか決着しない。 

 だから…だけど、、



「…イイダロウ。。(`ーvー´)

 ダガ俺ハ戦ウタメノ傭兵。。

 負ケハ許サレナイ。。」

「…勝チ負ケデハナイ。

 私ハタダ…(; ー`vー´)

 自分ヲ昂ブラセタイユエ…」


「ダガ…コレハはんで戦、、

 俺ハ後ロカラ追ウ立場ダガ…

 ソコハ構ワナイノカ??」

「…のーぷろぶれむ。(;´・v・)

 コレハ…仲間ガクレタカラ、」


「……イイダロウ。(;・∀・)

 アトハ…脚デ語ロウヤ。。」

「…同感デス。。(-v-;)

 言葉デ語レバ野暮ニナル。。」



 語れば…野暮。

 (;・v・)

 それが戦う漢というもの。


 ではそれが成り立つのは…

 戦う意義というものは…



 その間にもレースは動く。


 丸州学園が六位通過。

 先頭との差は45秒。

 (;・n・)


 そして…



「…浜寺サン!(; ・`д・´)」


 天下茶屋が来た。

 第七位。(`・ω・´)


 陸上を始めて僅か一年の

 男がなした大健闘。。


 だけど、、


 すでにフラフラ。(;n;)


 ラスト100m、、

 限界を超える走りを魅せた

 浜寺は最後の折り返しを

 スムーズにまわることさえ

 難しい状態、、


 だけど、、



「浜寺サン!!任セテ!!」

「…キックス…(;Д;)」


「私ハ…戦イマス!!

 (; ・`д・´)」

「………(;´;C:)…」



 戦います。(; ・`n・´)

 あのキックスが明言した。


 先頭との差は…55秒。


 最後に少し開いてもたけど

 最高の粘りでもあった。。


 繋ぎ切った浜寺はその直後、

 中継所に待機した西中島に

 抱えられるように倒れて、、

 


「よくやった!(; ・`C・´)

 よく走ったぞ浜寺!!」

「…西中島…(´;д;`)

 でも…でも俺は、、」


「気にするな、(; ・`c・´)

 留学生に負けるのは計算済。

 順位は…仕方ないだろ。。」

「だけど…俺は留学生に、、」


「…何を言う??( ゜n゜)

 あんな留学生たちを相手に

 一分以内なんて望外の…

 お前は期待通り俺たちの

 ヒーローだったぞ。。」

「…それは果たしたよ。。

 けど…悔しい、(;C;)

 精一杯やったのに俺は、、」



 …留学生たちに、、

 (;´・ω・)

 いや、世代最強の陸上選手

 たちに浜寺は、、


 戦わせてもらえなかった。

 (;n;)、

 眼中に入れなかった。


 これだけの走りをしても…


 自他ともに認める泥臭い

 ヒーローでたりえても、、


 汗と涙とよだれを垂らして、

 こんなカッコ悪い姿を晒して

 全力を出し尽くしてなお…



 …戦えない。(;´・ω・)


 相手にもされないステージの

 違うランナーがゴロゴロと

 いることに気づかされた。。



 相手にしてもらえないのは

 負けるより辛い。。


 これだけ努力してなお

 戦う価値がないと見なされる 

 悔しさといったらない。。

 

 けどその脇には、、、



 同じように悔しがる男が…

 (;´・ω・)


 八位で繋いだ報緑の仁川。

 一度は崩れながらもなんとか

 立て直して最後は、


 七位の浜寺とは4秒差、、

 先頭と1分以内で纏めた。


 まだ…戦える。

 (`・ω・´)


 選手層が厚い名門・報緑なら

 これならまだ前を狙える。。



 けど戦える選手が…

 優勝を狙って戦えるチームは

 おそらくここまでやろう。。

 (;´・ω・)



 では実際に戦う選手の心は、、


 その展開はテレビ画面から

 推察するべきで、(´・ω・)



 先頭は…京都の略南。


 二位の笹羅と10秒ほどの差を

 つけて独走態勢??


 …ではない。(`・ω・´)


 これは笹羅の作戦らしく、、



「…どういうことや泉、、

 じゃぁ笹羅は序盤はワザと

 力を抑えてると?(;゜Д゜)」

『…おそらく、(;・n・)

 笹羅の狙い通りに進んでる。

 なにせその後ろの三位は…』


「……播州工業、(;゜n゜)

 たしかあの加東主将が…」

『…ああ。(;´・v・)

 なにせ加東の持ちタイムは

 四区では二番目や。。

 一気に追い上げるはず…』


「…なるほど。(;・∀・)

 じゃぁ笹羅の狙いは、、」

『…ああ。(;´ーvー)

 それが定石ってもんや。』



 つまり笹羅の狙いは…

 連れて行ってもらうこと。

 (;・v・)


 追い上げる播工に付いて

 先頭まで消耗せず同行する

 のが作戦ということだと、、



 そしてこれは…定石。。

 他でも見られるようで、、



「…タシカニ。(; ・`c・´)

 西中島サンノ言ウトオリ

 コレハ走リヤスイ、、」

「…こいつ、、(; ・`n・´)

 俺を風よけにする気か?」



 …こちらは七位争い、

 (; ・`n・´)


 先頭から59秒差の八位、、

 まだ優勝を狙える報緑は

 一気の追い上げを狙い

 序盤からハイペース。。



 だがこれを予想し…


 わざと追いつかせてから

 連れていってもらう策を

 授かってたのが七位で

 スタートした天下茶屋の

 キックス。(`・ω・´)


 そして二人は勢いそのまま

 その前を走る六位を、、


 丸州学園をターゲットに

 据えて追い上げていく。。



 どこのチームもそう。。

 (`・ω・´)


 戦いたいなら考える。

 狙いを定めて策を練って

 戦いに臨まんとする。


 目の前のターゲットに

 狙いを定めるが定石。



 けど一方…

 その例外もまた存在する。


 定石など通用しない程の

 力量さえあれば、、



「…ごめんてー!(;C;)」

『…構ワンテ。(; ー`vー´)

 傭兵は与エラレタ場所デ

 全力デ戦ウダケ、、』



 先頭から…1分40秒差。

 直近の八位からも41秒差。


 眼前には誰もいない九位で

 タスキを受けたのは、、



 鱧川のチタ・セントリア。

 (`・ω・´)


 四区で唯一かつ世代最強の

 黒人留学生であり、、



 区間賞確実と言わる男。。


戦いたいなら、、

戦わせてもらうなら、、


互いに戦う意思を承知して

正々堂々と全力を尽くす。。


それ以外に…勝利も敗北もない。


彼らが何を望み何を得るかは

レースのみが知ります。


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