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196 混濁のキス??

都大路一区、、


高校最速の竹島に食らいついた

昇の快走は続いてます。。


けど…(´・ω・`)


<さぁ一区も残り500m!!

 先頭は日本海水産の竹島!

 日本人最高を上回るペースだが

 少しペースが落ちてきてる…

 どれくらいで走り切るか!?>



 花の一区も終盤…

 (; ・`n・´)

 10キロの長丁場も残るは

 500m程になった、、


 先頭は予想通り竹島。


 さすがに少し落ちてきたが、

 このままいけば28分台前半と

 いうものすごいタイムが

 出そうな勢いなんやけれど



<続くは…大阪の天下茶屋!!

 注目の一区は天保山昇!

 先頭からはやや遅れたものの

 必死で食い下がります!!>



 この展開の中で…

 いまだワシは二位をキープ。

 ( ゜Д゜)

 先頭の竹島との差は10秒。。


 視界は霞んできたけどまだ…

 その姿は見えてる、、


 足音もまだ聞こえてる。。

 けどその一方…



 後ろからも聞こえてきた。

 (;´゜д゜`)


 ペースが落ちつつある先頭の

 竹島やワシに比べればまだ

 わずかに元気の残ってる…


 10人の三位集団がほとんど

 ばらけることなく一気にその

 差を詰めてきた、(;゜Д゜)



 そう、、

 落ちた者は食われるのが

 陸上競技という世界、、


 最大で200m近くもあった差は

 一気に100mと少しにまで、、


 このままいけばワシは…

 集団に飲まれる、( ;ノC`)


 けど……


 それはあかん。。

 だってワシはこの鍛え抜かれた

 強者の中から抜け出すんやと

 決めたから、、


 自分の力で勝ち抜くと…

 もう頼りない自分ではないと

 決めたから、、けど……



<頑張れ…頑張れ…頑張れ…>


 どこからともなく響いてくる

 大声援、、励まし、、

 (;`・C・´)


 沿道からだけやない、、

 きっと日本中からの励ましが

 ワシに届くのを感じる。。


 けど…何のため??


 見ず知らずのワシに対する

 この声の目的とは何??


 そして実はこの男からも、、



「……頑張れ、(;c;`)」

『えっ??(;´・ω・)』


「…頑張れ!(; :`д;´)

 負けるな天保山くん。。」

『…応援するんは構わんが…

 ええんか??(; ・`v・´)

 昇が結果を残したらアンタの

 罪は重くなるんちゃう??』


「…わかってます…でも、、

 あんな頑張ってる人を見たら

 自分だって何かせめて、、

 人間として価値を高めたい…」

『…そうか。。(;´・v・)

 アンタのようなモンからも…

 昇はそう見えるんやな、、』


「……はい、(/;ω;\)

 彼のように頑張れていたなら

 きっと私だって少しは、、」

『…それで…ええ。(*'v'*)

 なら思いきり応援してやれ。

 その気持ち…忘れなや、、』



 …ワシのなぜの問い、、

 これが答えなのかもしれん。

 (´・ω・`)


 頑張れ頑張れ、、

 その背景にあるのは…



 頑張れてない自分自身。。



 だからワシらの戦う姿が…


 誰よりも頑張っている選手を

 励ますことで自身を鼓舞して

 いるのかもしれん。。

 (;・∀・)



 だからアヤツにとっては…


 ワシの命の価値が上がれば

 さらに罪深さが増してしまう

 特異な立場にあっても尚、、


 いや…だからこそ尚、、


 頑張れなかった自分を恥じ、

 これからの励みにできるの

 かもしれない。。



 でもそれは多分…

 ワシも同じ。。

 (; ・`n・´)


 今この時に頑張れないなら

 ワシは己を恥じる。。


 今を頑張れない者は明日も…

 一生かけても頑張れない。。


 みなみのため、、

 チームのため、、

 励ましてくれるみんな。。


 何より…自分の未来ために

 全てを振り絞る。。



 その目前で…

 先頭の竹島が右折した。。


 紫明通の曲線を終えて

 烏丸通の直線へ…


 少しフラついてる。

 「日本の竹島」にして限界を

 超える走りを見せて…


 残りあと100mに迫る。


 中継所からの歓声がワシの

 耳にまで届く。。



 なのに必死で追い縋る

 ワシにはその竹島の姿が、


 その差は100mもないはずの

 ワシの目から見ても、


 …霞んで見える、、


 右折せなあかんのに…


 よろめく、、蛇行する、、

 (´゜д゜`)

 自分の走りが自分の物で

 なくなっていると知る。。


 いや…もうほとんど視界が

 活きてないんや、(´;c;)



「天保山!!(; ・`C・´)」



 声がした、(´゜д゜`)

 中継点から能勢の声が…


 大声援の中でもはっきりと

 聞き取れる大きさで、、



 その能勢の横で竹島が…

 日本海水産が襷リレーを

 したことが分かった。。


 28分30秒、、


 さすがは世代最強選手、、

 日本人最高を大きく上回る

 タイムで逃げ切られた。



 つまりワシは…

 竹島に負けたのか??


 いや…どうでもええ。。


 そんなんは些細なこと。。

 他のヤツは知らん、、


 そもそも今のワシが一着で

 走り切れるワケない。。



 けど…最後まで走れ!!


 己に負けるな、、

 振り返るな、、

 一滴まで絞り出せ、、


 どうせ今のワシにできる

 のはそれしかない、、



 …体力は限界以上。

 視覚はおろか聴覚ももう…


 けど…再び光が、、


 ここに来いと導いてくれる

 ワシだけの光が見えた。


 あと少し…

 (; `д´)


 能勢の声の方へ…

 光の見える方に走れ。。


 そして…



「任せろ!!(; ;`д;´)」



 つながった、、


 視線は定まらないけど、

 最後まで全力で走り抜けた

 ワシは能勢に襷を繋いで…


 全てをやり終えた充足感で

 いっぱいになった。。

 ( ;∀;)



 もう…何も聞こえない。。

 見えてるのは光だけ、、


 その光の先に…あれ??



 みさき叔母ちゃん…

 (´゜д゜`)


 そっちに行っていいの…


 来てはいけないっ、、

 ってどういうことなの…


 お守りがないから??

 こっちに来てくれるの??


 よくやったって、、

 褒めてくれてるの??



 ワシ…混濁してるの??

 (;@n@;)??


 ってなぜキス、、


 こんな褒め方ってあり??

 ワシももう子供やないのに

 そういうのはその、、


 ってあれれ??




 混濁から覚めて…

 どういうことなん??

 (;/・C・;)/


 ワシは…



 泉にキスされてた。。

 ?(@C@。??? 



キス??(^ε^)?

いや違うこれは…

(;´゜д゜)


昇は大丈夫??

ってかレースはどうなった??


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