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193 光の先は鬼門

レースが動いた。

(; ・`д・´)


都大路の一区は5キロ付近から

サバイバルレースの様相です。。


『て…天保山め、(; ・`д・´)

 ホンマに行きよった。。』

「…なぁ泉、、( ゜Д゜)

 アイツこのまま先頭で二区に

 もってくるつもりか??」


『…わからん。(;´・ω・)

 さすがに竹島には先行でけん

 やろうしそれに、、』

「…何か…不確定要素??」


『能勢も見て分かるやろう、、

 後続集団が動いたぞ。。』

「…うわ、、(;´゜д゜`)

 凄い勢いで追ってきてる…」


『…覚悟しとけよ、能勢…

 おそらくキッツい展開のまま

 二区に持ってこられるぞ。』

「……くっ、(`・n・´)

 だが天保山が上位で繋いで

 くれるのなら…歓迎だ。。」



 ワシの走る都大路の一区、、

 (`・ω・´)


 中間点の5キロまでは平穏無事

 とさえ言える展開やったのに…



 レースが動いた。(; ・`n・´)


 一区で一番の実力者、

 日本海水産の竹島が飛び出して

 独走を狙ったんやけど、


 誰もついてはいかんかった。。

 (´゜n゜`)


 なぜなら日本海水産は弱小校。


 一区ではどれだけ遅れてもええ

 ってのが名門・強豪の共通の

 見解であったんやけど、、



 この竹島にワシが追いすがって

 追いついてもうたから。。

 (@v@;)



 自慢やないけど天下茶屋高校の

 予選タイムは…全体の10位。。


 しかも後半にエースランナー

 二枚を残すチーム構成。。



<日本海水産はともかく

 天下茶屋を逃がしたらヤバイ。>


 ってな共通認識があったのやら

 なかったのやらで、、(ーcー;)



 ワシのせいでレースが動いた。

 (。-`ω-)


 10秒ほど遅れてた後方集団が

 ペースを合わせてくる。。


<これ以上の遅れはとらない>


 と言わんばかりに前方を行く

 ワシらと同じペースにまで

 上げてくる。(;´゜д゜)


 こうなると…



 大集団は乱れる。(;・∀・)


 40人以上はいた三位集団は

 あっという間に分断、、


 それも縦長に伸びる。

 すると、、



「…あちゃ、(;´ーcー)

 河北のヤツもう無理か…」

「急に集団が乱れましたから…

 これで通学館は厳しく…」


「…っておいおい。(・C・;)

 小牟田に市鮒まで脱落!??」

「……消耗してたんでしょう…

 ああいう展開は特に、、」



 そう…(;´・ω・)


 目の前でレースを見ていた

 名門・西風の扇町と桃谷には

 手に取るようにわかる、、



 大集団で走ると集団の

 真ん中にいる者は意外に

 消耗することがある。。


 特に50人からの大集団は

 高校生には未知の領域。


 けどそこで自覚のないまま

 体力を損なってると、、



 一気に脱落する。

 (/;C;\)


 駅伝の一区におけるそれは

 取り返しがつかない失態。。


 けど…追わなあかん。。

 (`・ω・´)


 この展開に自重していては

 優勝なんか夢のまた夢…


 そして残ったのは無理を

 承知で追い縋った強豪校の

 一区エースたちの…


 地獄絵図。(´;ω;`)

 

 日本一を夢見た強者たちの

 思いの多くは無残なまでに

 夢の跡に崩れてしまう。。。



 けど一方、(´゜д゜`)


 厳しい争いを生き残った

 十数名ほどの三位集団は

 誰一人として死んでない。


 生き残り…サバイバル。。


 およそ15秒の差で前を…


 ワシと竹島の二人を

 ロックオンし続けてる。

 (@C@;)


 前には竹島、、

 後には十数人の強者。。


 これもまた狙われるワシも

 キツいわけで…


 これ西京極のみなみたちも

 心臓バクバクなわけで…

 


『…えげつなぁ…(;゜д゜`)

 一区からこんなサバイバル

 レースをやらかすか…』

「…たしかに、(;´・ω・)

 難波の言うとおりだ。。

 こんな駅伝は見たこと…」


『…どうなん南方、(;・c・)

 一区はこれからどう展開

 すると思う??』

「…もうすぐ7キロ地点…

 北大路通りへの右折。。

 おそらくこの地点で更に

 三位集団はバラけると…」


『……昇は、(´゜д゜`)

 アイツは大丈夫なん??

 あのランナーズハイのまま

 ハイペースで潰れたら…』

「…表情はかなりキツそうに

 は見えたが、(; ・`n・´)

 俺は天保山を信じる。。

 アイツなら死んでも襷は

 全力で繋ぎるさ、、、」


『………充分や。(;・v・)

 心臓には悪いレースやけど

 ウチかて最後まで、、』

「……ああ。(;´・v・)

 最後まで必ずだぞ。。」



 …厳しいことを、、

 (; ・`n・´)


 だがその通り。。

 ワシは…ワシらはホンマに

 このレースに文字通りに

 命がけで挑んでる。。


 何があっても最後まで…

 最期まで役割は果たしきる。


 もちろんそれは覚悟の上

 ではあるけど、、



 …厳しい、(; ゜n゜;)

 一区も終盤の北大路通りは

 8キロ地点付近。。


 すぐ前に見える竹島選手は…


 高校No.1の快足ランナーは

 鬱陶しそうな顔で何度も

 ワシを睨みつけてくる。。


 表情は…焦り、、


 疑いなく独走を狙っていた

 竹島にとってワシという

 存在は完全に想定外、、


 これでもかとばかりに

 攻めた走りを見せる、、


 圧倒的な高速のペースに

 自らを泥沼に嵌めていると

 さえ思えるまでに、、



 なにしろ覚悟を決めて

 先頭を追ってきたはずの

 三位集団が、、


 北大路通りに入ってもなお

 いまだにワシらに狙いを

 定める名門高たちが…


 播州工業、報緑、諏訪久聖、

 笹羅、槍敷、略南、鱧川、

 丸州学院、畑村、萬代育栄

 の10校が追ってくるけど…


 なんとその差を25秒に…

 140mにまで広げてるんや、

 (; ゜C゜;)

 

 けど決して後方のペースが

 遅いわけではない、、


 この10校以外の一区は既に

 完全に脱落モード。。


 そして先頭の竹島は日本人の

 区間記録を大きく上回る

 ハイペースを刻んでるから、、



 けど…そんなワシの目線は

 正しいんか??(/;C;\)


 レースは見てるんか??


 だって…霞んできてる。。

 先導車に刻まれる時計も

 見えないほどに…


 意識は自覚できるほどに

 朦朧として来てる。。


 完全にオーバーヒート、、


 高校No.1の走りとは…

 日本の竹島に挑むとは

 これほど苦しいのか、、


 命を削る走りをしないと

 縋りつけないのか、、



 けど文字通りに必死で

 北大路通りを東へ東へと

 駆け進むワシの先には…


 一筋の光が見えてる、



 ここに向かって進めば

 都大路の風になれる。

 全てを掴める。。


 そう信じられる光が…


 その光の先には、、


 みさき叔母ちゃんが

 微笑んでくれてる。。

 (*'ω'*) 



 光の方向に導いて

 くれてるのか??


 あそこに向かえば

 きっとワシは…


 それともあの道は…


 死者が導く道の先に

 何があるんやろう??



 けどその北大路通りが…


 東に向かってた道が

 北東方面になった瞬間…


 鬼門の方を向いた時、、



 コースは南向きに右折、、

 (/・C・)/


 ここからは紫明通り。

 都大路では唯一といえる

 S字クランク。。


 まっすぐ光に向かって

 いたはずにワシは、、


 ランナーズハイの

 無敵モードにあった

 はずのワシは…



 現実に引き戻された。

 (;/・C・)/



極度の酸欠を伴う危険な

ランナーズハイを武器に

先頭に食らいついた昇。。

(; ・`д・´)


でも希望の光を途中で

見失ったようで…



紫明通りから中継点は

およそ…1キロと少し。。




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