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183 正直な気持ち・正直ではいけない気持ち

みなみの命あるうちに

一流ランナーにならんと

焦っている昇。。


けどその無謀な目標は

チームとは相容れず…


『…それはつまり、(・.・;)

 あの竹島を相手にガチ勝負を

 したいってことなんか??』

「……(;´・ω・)」


『答えんかい天保山!<`~´>

 そんな無謀をしたがるヤツに

 一区は任せられんぞ!!』

「けどワシは…その…(;´;c;)」



 …不穏。(;´・ω・)


 だってワシが非常識なことを

 口走ってしもうたから、、



 アフリカ人留学生でも勝てない

 高校陸上界の最強のエース…


 日本海水産の竹島出雲。

 (・.・;)


 おそらくこの選手は都大路の

 一区を独走するやろうが…



 チーム力の低い日本海水産を

 独走させることに害はない。

 (´・ω・`)

 ならば追わない策が賢明。


 これを承知でなお…



 ワシが勝負を望んだから。

 (@c@;)


 なんでそんな非常識なこと

 考えたかというと、


 みなみは少しだけ勘付いて

 くれたようで…



『…もしかして昇…(;´・v・)

 それはアンタが大学の推薦を

 断ってるの何と関係が??』

「…それは…(;´・ω・)」


『……たく、(´ーvー`)

 それはアンタのお母ちゃんが

 話してたことと関係ある?』

「…みなみも聞いたんか。。

 ならば…多分そうや。

 両親にはそれとなく伝えた

 だけのつもりやけど、、」


『…焦りなや。。(;´・v・)

 ウチの余命が昇の人生計画を

 左右したら困るでな。。』

「…とは言うても…(;´・ω・)

 どうせ家業を継ぐ身としては

 大学なんか必要ないし…」



『…ウチのこと置いてきぼりで

 話してるけど、(;´ーωー)

 つまり天保山は高卒で…

 実業団に行きたいんか??』

「……ああ。(;´ーvー)

 けどその気になったはええが

 今の実績では宛がない。。

 せやからここは都大路で…」


『……やったら…(・c・;)

 一区で区間賞ぐらいの実績を

 残さんとムリやで。。

 今時どこの実業団チームが

 馬の骨みたいな高卒を、、』

「…せやからこそ…(;´・n・)

 ムリを承知で竹島のペースに

 合わせるつもりでその…」


『……無茶やで…(;´ーCー)

 気合では何ともならんって

 自分で言うてたくせ。。』

「…でもせめて…(;´・ω・)

 行けるとこまでは挑戦して

 みたいと思ってるから…」



 少し険悪になりかけたが…


 この話はここまで。

 (・n・;)

 病室で揉め事は厳禁。。


 そもそも現実味薄い仮定の

 話は長くはもたん。



 けど…現実の話題は??



『…へぇ。(・v・;)

 赤阪が推薦で大学合格。

 それは初耳やで。。』

「…今日決まったんや。

 凍羊大学らしい。」


『…また…(;´∀`)

 えらい駅伝強豪やなぁ。

 アイツ通用するかな??』

「…ちゃうよ。(・.・;)

 普通に学業推薦やから。。

 おそらく赤阪は…」


『…陸上は…やらんの??

 あんだけ頑張った赤阪は

 これで引退なんか??』

「……わからん。(;´・ω・)

 けど赤阪だけやないし…」



『…かく言うウチも…(-v-)

 卒業したら競技はやめる。

 そうせざるを得んから。』

『泉は…そうなるんか。。

 やっぱりホルモン療法とか

 いうのをやるんか??』


『……そう決めてる。(ーvー:)

 けどホルモンってけっこう

 エグいもんらしくて、、

 一回でもやったら今と同じ

 走りはできなくなるって

 医者からは言われてる。。』

『…まぁ…そうなんやろうな

 とは思うけど…(・n・;)』


『あと…推薦入試はムリや。

 学力のみが審査基準となる

 一般入試以外ではウチは

 進学先もあらへんから…』

『……(;´・ω・)』



 泉は…そうなる。(・n・;)


 競技続行は不可能。

 奇特な性別を表に出して

 推薦入試は受けない。


 差別を騒がれるのを恐れて

 性的少数者を優遇させるのは

 そもそもが逆差別、、


 それは賢明ななMtFたる泉に

 とっては耐え難いこと。



 自分が不当に優遇される

 のを潔しとするほど

 女々しい漢でないから。。



 そしてこれが言えるのは

 泉の頭脳が優秀やから。。


 普段は目立たんよう

 定期テストでは点数を

 抑えてるけど実は…


 その実力は関関同立でも

 A判定レベル。。


 関西の私学ならどこでも

 選び放題の秀才。


 正当な競争で進学するなら

 差別も逆差別もない。

 そう断言できることこそが

 泉には大事なことやから。



 ちなみに…それ以外の者も

 意外にその辺は順調。。


 西中島と南方は既に推薦で

 大学を決めているし、

 能勢と浜寺には関心を示す

 大学陸上部がある。、


 あと放出は赤山学院への

 学業推薦が決まってる。


 なにせコイツの学力でも

 泉のライバル…

 どころやないから。。

 実は走りより学力の方が

 全国レベルやから。。

 (・.・;)



 これは偏見かもやけど、

 強い長距離選手には

 学業成績のいい者が多い

 傾向があるから。


 その意味での心配はない

 けれど一方で現実は…



『…それで難波は…(・c・)

 卒業はできそうなん??』

『…学校に問い合わせたら

 数日ほどやけど出席日数が

 足らんらしい。(^ー^;)

 今のままでは多分…』


『それで…ええんか??』

『…悪くないやろ、、(;ーvー)

 今さら学歴なんかあっても

 意味はないんやし、、』


『…けど数日なら外出許可は

 もらえるんやろ??

 それで卒業できるなら…』

『……けどそれよりウチは

 見届けたいから。。

 アンタらの都大路を…

 そしてその後を、、』


『…それは…つまり、、』

『ああ。(;・v・;)

 きっと駆けつけるから。。

 けど京都まで行くとなると

 普通の外出許可の数日分は

 難しなるよって…(^n^)』


『…ホンマに…(・▽・;)

 来てくれるんか??』

『…約束はでけへんけど…

 ベストは尽くすよ。。

 今は全てをその日のために

 費やすつもりやさかい…』



「…わかった。(`・ω・´)

 ならばワシは頑張るから…

 みなみにだけは無様な姿は

 見せられんからな。。」

『…だからって…、( ゜Д゜)

 竹島と勝負なんかしたら

 あかんからな。。』


「…それは約束でけんが…

 絶対に結果は残す。。

 だってワシは…(`ーcー´)」

『…わかった。(;´・v・)

 ならウチはそれまでは…』



 懸命に生きる。(・n・;)


 今のみなみにできるのは

 それだけしか…


 それしか約束できない。



 …けどワシには…


 ワシらにはできることが

 いくらでもある。。


 なぜなら未来があるから。


 未来のために一歩先に

 踏み出す勇気さえあれば

 きっとワシらは…



『…まったく、(;'∀')

 相思相愛やねアンタら。』

「…えっ、?(・.・;)

 ワシらは決してそんな…」

『当たり前や。(;´ーvー)

 義理とはいえ身内やで。。

 そんなんあるわけが…』


『…そうなん?(;´・v・)

 じゃぁ恋愛とかには興味

 ないってこと??』

『…ウチはもう残り少ない

 命やさかいな。。

 そんなんに付き合わせたら

 相手に悪いやろう??』


『…その気持ちは分からん

 でもないけどな。(・v・;)

 我がの思いに正直になるん

 もええんとちやう??』

『……けどなぁ…(*・ω・*)

 昇はないんちゃう??

 だってイケメンの方が…』



 巻き込み事故や…(@_@;)


 そりゃイケメンやないけど

 ディスられる理由なんか

 ないはずやのに、、


 それなら最初から放出とか

 超のつくイケメンを例に

 出せばええやん。。


 そんな不満を泉にぶつけて

 みたらその、、



『……(#・n・;#)…』

「…なんやの??(・c・;)

 ワシ悪いこと言うた??」


『……察したれ、(ーcー)

 こういうとこ男は鈍いから

 困るんよな。。』

「……泉??(;´・C・)

 そういうことなんか??」


『………内緒や。(;ー∀ー)

 特にアイツにだけは絶対に

 言うたらアカンで。。』

「…なんで??(・n・;)

 みなみにバレる程やのに

 今さら隠さんでも、、」


『…それ多分…(´ーvー`)

 難波と同じ理由。。

 こんな子供も産まれへん

 オカマが人並みのそんなん

 求めるのはご法度や。。』

「…それでええの??

 それは差別ってことには

 ならんへんのかな??」


『…けど自分の選んだ道で

 他人を歪めたらあかん。。

 差別なんて言葉を盾にして

 ノーマルを巻き込むなんて

 あらざるべきやから。。』

「…(;´・ω・)」



 そういえば…

 たしか泉は言うてたよな。


 好みの男は顔と頭が良くて

 スマートで男気あって…


 自分より速い男やて。。

 (・_・;)【089参照】


 だとすればむしろそれは

 普通の流れ、、


 けどその思いを叶えるは

 不適当すぎて…



 余命いくばくもない者。

 本来と異なる性で生きる

 道を選んでしまった者。。


 そりゃ自分優先ではない。

 全ては手に入らない。


 ならば自分よりも他人を

 慮るのが全体の幸せに寄与

 することは間違いない。


 ならばワシは…

 一区を任されたワシは…



 みなみのためと思うは

 即ち自分のため、、


 ならば本当に慮るべきは

 みなみの託した駅伝部。。


 そこに寄与する走りとは…



 やはり無謀はあかん。

 けど…ワシは。。



全ては手に入らない。

欲張りや焦りはマイナス。


自分の願いを叶えるのに

他人を巻き込むはご法度。



ではそれでも叶えたい

願いとは何なのか…



自分と同じだけ他人を

慮ることが大切だと

私は考えています。。

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