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181 分からんふり…

都大路の試走も終盤戦。

(`・ω・´)


残るは五区の赤阪、六区の泉、

アンカーの放出です。



「…さて…(*'ω'*)

 次はボクだね。。」

「おう。(・c・;)って…

 しかし随分と楽しそうな

 顔をしとるな赤阪。」


「…楽しみ楽しみ。(^ー^)

 テレビでしか見たことない

 都大路を自分のこの脚で

 走るなんて夢みたい。。」

「…程々にな。(;´・ω・)

 夢やなく現実やさかい…」



 12月の本戦に向けた都大路

 試走も後半五区に入った。


 ここの担当は赤阪千早。


 極度のスポーツオタクは

 このコースに興奮気味。。


 それはええけどここ…

 (;´・ω・)



 丸太町寺町の交差点。

 京都御苑のすぐ近く。

 (;`ω´)ノ


 道路幅が狭く交通量も多い

 京の都のど真ん中、、


 こんなところに長い時間、

 ボックスカーを駐車したら

 大渋滞を起こします。。


 みんな早いとこ席替えして

 走り出しましょう。

 

 そうしていざ走り出すと…



「…あらら、(;´・ω・)

 もう丸太町通り終わり?」

「一キロもないからな。。

 右折したら残り2キロは

 烏丸通りの一直線や。」


「…うわ、、(゜Д゜;)

 これ下手したら中継点が

 見えちゃうかも。。」

「…ホンマや。(・c・;)

 車がない本番コースでは

 遠くまで見えそうな…」



 これが第五区の特徴。

 (・.・;)


 薄曇りの天候の今日は

 さすがに2キロ先までは

 見えないけど実際…


 中継所までの展望は

 丸分かり、(・n・;)


 実際よりも距離が近く

 見える傾向がある。。


 だからポイントは…



 繋ぎの五区。。

 (; ・`n・´)


 僅かに登るこの五区で

 見えてる選手を追おうと

 すれば確実に自滅。。


 オーバーペース厳禁。


 残りの距離を考えたら、

 この時点で霞んで見える

 チームを逆転できる

 可能性はないんやから。


 だから赤阪の感想は…



「…見といて良かったよ。

 これは焦る。(;´・v・)

 あえて遠くを見据えずに

 近くを見た方がいい。。」

「…そうか…(・.・;)

 意外に難しそうやな、」


「……かもしれない。。

 本当に距離感が狂うんだ。

 できれば目の前に選手を

 置いて走りたい。」

「…うーん。( ゜n ゜)

 それは展開次第やね。。」



 …難しいな。(;´・ω・)


 けど現実としてこの時点で

 目標とする選手が視界に

 入ったなら、追いつこうと

 してしまうやろう。。


 チームに責任を感じるなら

 むしろそれが必然。


 けどそれしたら…必敗。


 直線が続き見渡しのいい

 烏丸通で焦りは厳禁。


 と思ってたら六区で…


 遥か向こうで何かしらの

 集団が見えてきて。。



「…千林さん…(・c・;)

 渋滞してませんか??」

「…どうやら…(・n・;)

 お仲間がいるみたいだ。

 どこかの学校が下調べを

 してるみたいだが……」


「…綿密ですね。(・.・;)

 あんな隅々まで大人数で…

 どこの学校ですか??」

「おそらく…地元代表だ。。

 今年は強いらしいぞ。」



 その通り下見してたのは、


 京都代表・略南高校。。


 過去最高成績・全国2位。

 出場25回・うち入賞10回と

 いう超のつく名門。。


 だが…優勝はまだない。


 地元・京都に優勝旗をの

 期待を背負う略南やけど

 今年は特に強いらしい。。


 一縷の油断もないよう

 各区間の選手には綿密な

 コース研究をさせると

 いう徹底ぶり。(・.・;)


 周囲にも注意を払って

 いたようで、、



「おっ、久しぶりやな。。

 佐野やないか。(;'∀')」

『…上牧か??(;'v')

 珍しいとこで会うねぇ。』


「…また珍しい…(-ω-)

 佐野の方こそ聞き慣れない

 高い声を出すんやね。。」

『…あっ、そうか。(・c・;)

 なんかスマンかったな。」


「……構わんよ、(-C-;)

 だが佐野がオカマだとは…

 新聞を読んで驚いた。。」

「…まぁ…な。( ;゜n゜)

 読んでるなら隠さんけど…

 せやから昔からのツレには

 態度が定まらんでその…」


「…知らん振りするつもり

 やったけどお前…(;'∀')

 放出の前では女の子してる

 ってホンマなん??」

「わっ!?(;゜Д゜)

 それはワレ言うたらあかん

 からやってその、、」


「…なんで??(・n・;)

 この時代やし今更そこだけ

 恥ずかしいて変やぞ。」

「……たしかに…(/ーωー\#)

 けど昔なじみは面倒で…」



 なんか…ややこしい??

 (;´・ω・)

 けどこの男は知ってる。。


 水無瀬中学出身の上牧。


 当時は大阪府の五指には

 入っていた長距離走者。


 北摂地区大会の3000mでは

 この佐野泉と競り合って

 いたライバルや。

 


 …けど聞けば…(・.・;)


 そんな上牧でさえ今年の

 略南ではギリギリ。。


 六区を走る候補ではあるが

 そのレギュラーの座は

 確保されていないとやら。


 けど…だからこそ、、



「…期待してるで。(^v^)

 どうせなら一緒に六区で

 競り合おうや、上牧。」

「……ああ。(;´・v・)

 俺も都大路に賭けてる。。

 ここで女子高生なんかに

 負けられるかい、、」


「それ…言うなや、(;ー∀ー)

 皆がお前みたいに柔軟には

 理解してへんねんから。

 オカマ呼ばわりは構わんが

 女子扱いは堪らんから。」

「…わかった。。(;´ーvー)

 けど負ける気はないから…

 そこは理解してくれ、、」



 今日は…ここまで。。

 (;´・ω・)


 コースの隅々まで入念に

 チェックする選手層の厚い

 地元高と同じレベルを

 大阪の初出場高はでけん。


 少し残念ではあるけど

 ここは袂を別つ。。


 あくまで勝負は都大路。


 では走り終えた当事者の

 泉の見解はというと、、



「…コースは分かりやすい。

 北大路と西大路の直線道が

 殆どで後半は下り坂。。

 スパート得意のワシには

 向いてると思う。(;'∀')」

「…あれ??(・.・;)

 泉が地声に戻ってる。。」


「……スマン。(;ー∀ー)

 けど上牧と戦うとなったら

 どうしたもんかと思て…」

「…そうか。(;´・ω・)」



 かもしれん。(;´・ω・)


 実は泉が都大路を走る上で

 大事になって来るのが…


 心の持ち方。。(・.・;)



 そも日常生活も練習中も

 乙女モードの方が多い

 泉にはこっちの方が普通。


 普段の力を出し切るべき

 高校生アスリートにとって

 普通は何より大事。。



 けど一方このレースは、

 陸上選手・佐野泉の集大成。

 (´・ω・`)


 友人、知人、ライバルなど

 多くの人々に見せる最後の

 お披露目の場でもある。


 その場における泉の普通は

 <硬派な男子選手>。。


 オカマ扱いを気にする程

 女々しくはない一方で、

 女子選手扱いに甘んじる程

 軽いアスリートでもない。



 その両面は…二律背反。


 いくら新聞等で報道されて

 いるとはいえ理解は困難。


 一緒に走るライバルたちを

 困惑させてもいけない。。


 ここをどうするかやけど

 その前に、、



『あの…佐野先輩。(#ーcー#;)

 できればそろそろいつもの

 乙女モードに戻って頂いて

 よろしいですか??』

「……なんで??(・.・;)

 阿倍野は何を照れてる??」


『…だって…(@C@;)

 男の人の汗拭きのお世話って

 恥ずかしくってその…』

「…今さらやなぁ…(;'c')

 もう五人も半裸の男の汗を

 拭いてきたってのに…」


『…とにかく…<`C´>ノ

 恥ずかしいから止めて!

 女の子に戻って!!』

『わ…分かった。(・c・;)

 けど自分でも変な感じ…』


『あと…胸も隠して!!

 乳首丸出しの女子高生…』

『…あららら。(/・C・\#)

 何や急に恥ずかしく……』



 …なに言うとんねん。

 (/ーωー\)

 まぁ泉が差別意識の少ない

 賢明な性的少数者やから

 こんな扱いでも問題がない

 のは有難いけど実情は…



 全国レベルの競技となれば

 それ以上の問題がある。。



 戦う意思のない者に戦いを

 挑むことは卑劣千万。。


 ここに勝利も前進もない。


 だが戦う意思のある者と

 背景を背負った上で対等に

 戦うことは難しい。。


 勝利や前進を掴むことは

 普通以上に困難であり…



 というかそれ以上に…


 アンカー七区の放出は

 ほったらかしですか??

 (・.・;)


 経験豊富な実力者とはいえ

 それでええのかと思って

 いたらその感想は、、



「…大丈夫。(・n・;)

 コースに問題はない。。」

「…なにが??(・.・;)

 横風とか路面とかに思う

 ことはないの??」


「…ああ。(;´・v・)

 このコースならば俺は…

 大丈夫のはず。。」

「……(;´・ω・)??」



 あえてみんな…

 分からんふりをした。

 (・.・;)


 だって競技場入口の手前に

 止まった放出の足元は…



 硬くデコボコの石畳、、

 (´・ω・`)

 その先は…下り坂。。



 万全の状態でも脚にくる

 厳しい路面を前にして

 あえて何も言わない。。


 その意味はあえて…



向き合うべきはコースのみにあらず。


レース展開や競争相手や気象条件や

心の問題やその他諸々、(;´・ω・)


つまりは蓋を開けてみないと…


本番都大路まで…あと一か月。。


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