表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
179/240

178 生きるとは、、

みなみが倒れて数日…

(・_・;)


駅伝部の空気はちょっと

複雑なようです。。


「…おおい赤阪、(´・ω・`)

 天保山は居てるか??」

「…いえ中津先生。(・.・;)

 アイツは自主トレというか

 練習前練習といいますか…」


「なんとまぁ…(´・c・`)

 全体練習だけでは走り足らん

 とか言いだしたの???」

「…ちょっと焦ってるかと…

 難波のことでかなり考える

 ことがあったようで。。」



 11月も中旬。。

 みなみが倒れて数日。。

 (・n・;)

 駅伝部は引き締まりを増し…


 てはいるがその空気がかなり

 重くなっている。(-_-;)



 だってあの翌日の放課後…


 (ワシを除く)駅伝部全員で

 見舞いに行ったところ、、



 追い帰されたらしいから。

 (*C*;)


 こんなとこで油を売ってる

 ヒマがあったら練習しろ!!


 都大路で結果を出せ!!


 もう先のない者のことより

 自分自身の未来を考えろ!!


 って怒鳴られたらしい。。

 (。-`ω-)



 オマケに病院からは、

 <患者を興奮させるな>とか

 <こんな大勢で来るな>とか

 いろいろ言われて事実上の

 出禁状態とか…(;-n-メ)


 それもモヤモヤの原因で

 あるやなしやで、、



「それより中津先生。('c')

 天保山に何の用です??」

「…あっそうだ。(・.・;)

 またこれが届いてたんだ。」


「…大学の推薦状。(;'∀')

 たしか三校目ですよね。

 しかも…赤山学院大!?」

「…凄いことだぞ。(・v・)

 天下茶屋からスポーツ推薦

 なんて何年振りの快挙か…」


「けどこれまでと同じなら

 天保山は多分…(-n-メ)」

「…断るだろうな。(-ω-;)

 全く何を考えてるのやら…」



 大学陸上部からの推薦。。

 (・.・;)


 現時点で大学の本推薦を

 受けてるのはワシだけ。。

 ( `ー´)ノ



 しかも…今回は赤山学院。


 陸上のレベルだけではなく、

 ワシの学力レベルでは

 合格できない学力レベル。。


 ネコまっしぐらのはず。。


 場末の高校のワシなんかが

 断る理由なんかないけど、

 中津先生にはその…(-_-;)



「…ダメか。。(;´・ω・)

 けどこれ以上の条件はない。

 少しは考えてからでも…」

「けど…ワシみたいなモンが

 東京の大都会やなんて…」


「…大阪も都会だぞ。(-c-;)

 その前にお前は京都蚕業も

 断ってるだろうが。。」

「…いやその…(´・ω・`)

 ワシみたいなモンに古都の

 雅は似合わんとも、、」


「…酷い言い訳だな。(*n*)

 では上式大はなぜ断った??

 群馬は都会でも古都でも…」

「…スンマセン。(;´-ω-)

 けど箱根を目指せってのは

 ワシには似合わんかと…」


「…都大路を目指してきて

 箱根はダメ??(;゜c゜)

 さすがに意味不明すぎて

 言い訳になってない。。」

「…スンマヘン。(;´-ω-)

 今回もなんとか穏便に…」



 仰る通りです。(-ω-)


 推薦をくれた大学に断りを

 入れる中津先生はかなり

 困ってはるそうです。。



 けど…今はまだ進学しない

 ことは言いたくない。。


 というか高校から実業団に

 進むのは大学から推薦を

 受けるよりも難しい。。



 せやからワシは学力で…


 一般入試で受験をしたいと

 いうことにしました。。

 (・ω・)ノ



 ちなみに天下茶屋高校での

 ワシは成績上位です。

 <(`^´)>


 とはいえ場末の高校やから

 赤学は難しい思います。


 京都蚕業には行け…

 たらええなと思ってます。

 (*C*;)


 偉そう言えるレベルやない

 とは自覚してますけど。。


 その中でもう一人…



「…ほぉ。(*'ω'*)

 浜寺も一緒だったか。

 練習量を増やしたとは噂に

 聞いてはいたが、、」

「…ええ。(・v・;)ノ

 俺の担当は三区です。。

 留学生にだって負けない

 つもりですから。。」


「…頑張れよ。(;'∀')

 都大路の活躍次第で推薦を

 検討してるって大学は…」

「…うーん。(-_-メ)

 正直そこは迷ってて…」



 陸上での大学推薦。

 (・.・;)

 浜寺は迷ってるそうです。


 そりゃ推薦されたら将来が

 有利なのは分かってる。


 けど…浜寺はスイマー。


 大学で陸上を続けるか、

 再び水泳に戻るかは

 迷ってるのが現状。。

 (;´・ω・)


 これは…能勢も同じ。


 長距離で陸上推薦されたら

 専門のスプリントができる

 かわからん。。(-_-;)


 赤阪は…自信がないとか。


 大学から誘われてもそれに

 応じるかは未定とか。。



 あと故障で陸上は高校限りと

 はっきり決めてる放出と、

 高校卒業後に性別変更予定の

 泉は事前に断りを入れてる。



 全国レベルになったチームの

 レギュラーがこれ程までに

 スカウトに応じない。。


 おそらくこういうのは珍しい

 ケースなんやと思う。。

 (`・n・´)


 進学して競技を続けることで

 さらに成長するのが当然の

 選択であるはずやけど、

 なぜかワシらは。。



 迷ってる時間はない。

 (;´・ω・)


 ゆっくりアイドリングする

 時間など短い人生においては

 一分一秒でももったいない。


 それはみなみに学んだこと。


 だから早く一人前になろうと

 誓ったばかりやのに…


 進路を決めるなら早い方が

 ええに決まってる。。


 そして今はそのためにも

 一日もサボらず練習を、、


 と思ってたら…

 (・.・;)



「…スマン、(´ーn-`)

 今日は帰らせてくれ。。」

「…なんでや能勢。(・c・;)

 今は一日でも多く練習…」


「…けどもう…(;n;)

 …あと数日の命やとか…」

「はぁ!?(; ・`C・´)

 みなみはまだそこまで、、」


「…難波やない。(/ω;\)

 そりゃ…わかってたけど…」

「…そういうことなら…

 一緒にいてやるべきやぞ。」



 聞けば…危篤らしい。。

 能勢のジイちゃん。(;n;)


 先週の府大会には応援に

 来てくれたのに、、


 その後すぐに体調が悪化。


 本当に最後の力を振り絞って

 応援をしてくれたらしい。。



 元よりもう長くはないと

 知らされてはいても、

 簡単には割り切れない。


 せめて最期くらいはと

 思うのが孫としては

 当然の心持ちであって…


 それをワシらに止める

 理由などなく、、



 正直…(´・ω・`)

 ワシは不安が絶えない。。


 みなみのこと…

 能勢のこと…


 準エース区間の浜寺、、

 故障持ちの放出、、


 そしてもちろん何より…

 

 未熟な選手であり部長の

 自分自身のこと。(-_-;)



 本戦まで時間がないのに

 それに合わせた練習を

 できてはないと思う。。


 一つ一つを考える、、

 意味を持たず漫然では

 ダメとは自覚してる。。


 けどどうすれば…

 (/ω;\)


 今日も漫然とペース走を

 繰り返すだけの練習。。


 どう気持ちを整理すれば

 そうなれるのかの…

 切っ掛けが分からん。。


 けどそんな時に、、

 練習が始まって一時間

 ほどやってのに、、



「…能勢??(・.・;)

 お前なぜ戻ってきた??

 おじいちゃんは??」

「……追い帰された。。

 すぐ練習に戻れって…」


「えっ!?(´゜д゜`)

 どういうことや??」

「…お前のやるべきことは

 ここにはないって、、

 今の大事は病床にないと

 叱られてもた。(;v;)」



 そう…やったな。


 能勢家の家訓は滅私奉公。

 (`・ω・´)

 大事なことは私より公。


 身内の見舞いよりも今は

 都大路が…仲間が大事。


 天下茶屋の看板を背負って

 走ることが第一優先。。


 

 今から死に逝く者のために

 今から未来を生きる者が

 煩わされるは本末転倒。。


 これからを生きるお前は

 これからのためだけに

 その力を尽くせと厳しく

 言い含められたらしい。。



 …その通りやろう。


 ワシらの見るべきは未来。


 未来を生きる者のために

 今の全てを…


 一分一秒を尽くすのが

 正解やと知らされた。。



 その数日後…(;´・ω・)

 能勢のジイちゃんは

 亡くなったらしい。


 けど能勢は通夜の日も

 葬儀の日も一日たりとも

 練習を休まんかった。。



 なぜなら能勢はこんな

 遺言を承ってたから。。



 大事なのは私よりも公。

 過去より今より未来。


 生きるとは公の未来に

 影響すること。


 死ぬとは誰にも影響を

 なせなくなること。


 ならば生きている者が

 為すべきは何か。。


 死に逝く者ができること

 とは何なのか。。



 思いを繋ぐ。(・ω・)


 簡単に言えばそれだけ。



 自分の生死以上に大事な

 未来へのタスキ。


 それさえあれば人はまだ

 完全には死んでいない。


 繋がれた者の生き様次第で

 生きているも同然になる

 のかもしれない。。



 ならば…<(`^´)>

 ワシは人の倍を生きる。


 いや…活きることこそが

 繋いでくれた人たちも

 活かすことでもある。。


 そう思うから。。。


生きているうちが華。


その後は残された…

繋がれた人の生き様次第。。


今を生きるとはそういうこと

だと思います。。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ