177 期限は有限
みなみの余命とその覚悟を
知らされた昇。。
家に帰ってもそのモヤモヤは
解けないわけで、、
「…ただいま、(;´-ω-)」
『ああ昇お帰り。(´・C・`)
みなみちゃんどうやった??』
「…あのなぁオカン、(-c-;)
そんな心配するくらいならなぜ
見舞いに来んかった??」
『…せやかて、(;´・ω・)
法善に止められてたから。。
もしもの時は昇に話するまでは
そっとしといてくれて…』
「…なんでや、、(*C*;
しかもそれみなみ本人からも
同じこと言われてたて??」
『……そりゃ昇、(;´・v・)
お前のためでもあるから。』
「……ワシの??(・.・;)
どういうこと???」
『…みなみちゃんの希望は…
もうお前だけやからな。。
昇に全部を託すんやったら
人数は少ない方がええ。。』
「…そのために??(・n・;)
じゃぁオカンもその覚悟は
でけてたってこと??」
『…泣いてしゃぁない。。
みなみちゃんも法善ももう
先のことしか考えてない。』
「それでその…( ゜n゜)
ワシが先のことなのかな?」
『駅伝部の皆が悔いなく走る。
それで何かを掴みとる。。
みなみちゃんはそれ以外は
考えてないやろうから。』
何が何を…(´・ω・`)
どう考えたらそんな結論に
至るんやろう??
そんな覚悟になるんやろ…
というか何が過去にあって
オッちゃんはこの選択を
するに至ったんやろう??
これに協力をするオカンも
何か知ってるんやろう。。
おそらくそれは…
高野さんに関係がある。
だから聞いてみるわけで…
『…たしかに…(・.・;)
ウチも高野くんは知ってる。
高校の頃は実家の鉄板焼き屋
にも来とったし。。』
「…どんな人やったん??
オッちゃんとはどういう…」
『…高野くんと法善はな、、
泉場高校の同級生なんや。』
「…オッちゃんが泉場??
この辺の公立では一番頭の
ええ高校やで。(/・ω・)/」
『……あの子…(;´・v・)
あれで成績は良かったんや。
本人かって一流の大学に行く
つもりやったんやけど…』
「…それがなぜ高卒に???」
『…だってウチら姉弟は…
両親が年取ってからの子や。
せやからその予感は…』
「…なるほど。(;´・n・)」
それはそうやと思う。
(;´・ω・)
オカンの両親…
つまりワシのおジイおバアは
結婚が遅かった。。
オッちゃんが産まれた時点で
おバアは42歳。おジイは50歳と
いうかなりの御高齢。。
それでオッちゃんが高校への
進学を決めたんと同時期に…
『…ウチらの父親が倒れて…、
まぁ当時でもう65歳の年寄り
やったからな。(´・ω・)』
「…そうやったか、(・.・;)
それで跡取のオッちゃんは
大学進学を諦めたんか。。」
『…けど進学高やから、、
大学に行かんお仲間はかなり
少なかったらしくてな…』
「……やろうな、(-ω-)/
ちなみにそのころオカンは
どうしてたん??」
『…ウチ??(;'∀')
その頃は花の短大生や。。』
「…花って言うな。(-_-;)
弟より恵まれといて…」
『…なんやの!?(; ・`n・´)
ウチかって昔からオバハン
やったんやないで、、』
「…そりゃそやけど…(*n*)」
そういうモノです。(*_*)
息子にとってオカンが
花ってのはなんとなーく
イヤなもんなんです。。
まぁともかく、、
それが高野さんとの…
仲間との出会いのキッカケに
なったらしい。(・.・;)
だって理由あって同じく
進学を諦めたわけで…
「…同じ頃なんやな…
高野さんが持病のことを
医者に知らされたん…」
『…いきなりやったって。。
家族には知らせてたから
てっきり本人も知ってると
担当医が思い込んでて…』
「ショックやったろうな…
それでどうなった??」
『…けど高野くんは頭のええ
子やったから。。
素直に考えたらしいよ。』
高野さんは…考えた。
平均寿命が20年とされる
残りの人生をどうする??
…結論は、(´・ω・`)
夢であったデザインの
仕事に就くこと。
それも一日でも早く。。
だから大学は断念して、
高校在学中からデザインの
会社でバイトを始めた。。
(;'v')
高野さんに感化された
オッちゃんもその頃から
家業である鉄板焼き屋の
跡取りとしての修行に
精を出したとやらで、、
『…でも当時は…(@^n^)/
まぁあの子は要領が悪ぅて
よく父親に叱られてて…』
「…しゃぁない。(;´・v・)
修行ってそんなもんや。」
『…客足も鈍って…(;-∀-)
看板娘のウチは店を離れる
わけには行かんかった。』
「オカン…自分で自分のこと
看板娘いうな。(-ω-;)」
『…せやから法善が高卒で
ウチは助かったよ。(-v-)
あの子が大学出て一人前に
なるのを待ってらウチは
行き遅れとったから。。』
「あんまり言うな。(*C*)
そうでなくても誰かさんは
妙齢独身女子に不評で…」
けど…事実ではある。
(´・ω・`)
オカンはオッちゃんより
4つ年上の姉。。
大学を出た弟が修行をして
一人前になる頃には、
オカンはアラサーになる。
ここから婚活を始めるのは
遅いってのは確か、、
高齢出産になる確率も高い。
そう考えたらオッちゃんが
高卒在学中から修行をした
おかげもあって…
オカンは24歳で婚活開始。
26で結婚、27で出産と順調。
(*´◒`*)
というのはあくまで未来の
話であってその…、
『…高校時代には…(-O-)
そんな法善を気にかけてか
高野くんは彼女を連れて
よぅ店に来てたんよ。。』
「えっ(・.・;)…もしかして
その彼女というのは、」
『…みさきちゃん。(*'v'*)
彼女は当時からあの店に
出入りしてたってこと。』
「…なるほど…( ゜c ゜)」
だからオッちゃんとも…
ワシらの家族とも上手く
やっていけたんかも、、
器量よしの叔母ちゃんが
鉄板焼き屋に抵抗なく
嫁いでこれたんかも、、
では…(・.・;)
叔母ちゃんの家族は??
反対はなかったのか??
けどそれは実は…
みさき叔母ちゃんには
両親がおらん。。
早くに他界したって。
(´・ω・`)
ただそれが実は三人の…
オッちゃんと叔母ちゃんと
高野さんの共通項やった。
両親が高齢ゆえに、
早くに店を継ぐことに
なったオッちゃん。。
両親がご高齢ゆえに
早くに死別してしまった
みさき叔母ちゃん。。
両親が高齢ゆえに…
遺伝病にかかるリスクが
高かったと知らされて
しまった高野さん。。
何れにせよ高齢出産には
リスクしかない。(*n*)
だからこそ彼らはむしろ
早く社会に出ること…
若いうちの結婚出産を
肯定してたんやど、、
それでも…高野さんと
みさき叔母ちゃんはまだ
結婚は考えてない。。
だって高野さんの余命が…
けど本人はまだ半信半疑。
まだ天寿を全うする希望を
棄ててはなかった。
けれど…
「そんな頃に出たんやな。。
高野さんの一回目の発作…」
『……せや。。(´・ω・`)
たしか高二の頃やった。』
「…となると二回目の発作が
起きるのは…(;´・ω・)」
『…20歳までには起きる。。
それまでにやりたいことを
やるようにと医者が…』
「…辛いな、(;´;ω;)
それを受けて高野さんは
どうしたんや??」
高校を…中退。(・.・;)
せめて一件でもいいから
一人前の仕事をデザイナー
としてやる遂げたい。。
[自分の生きた証]となる
作品を残したい。。
そのためは一日でも惜しい
と思い立ったから、、
そしてその夢は意外にも
現実味を増してくる。
だって20歳を過ぎても
二回目の発作が起きない。
高校中退で就職5年目。
そろそろ一人前の仕事を
任されるようになって…
大学進学の同期が就活を
する時期になっても。。
これはもしかしたらと
思い始めた22歳の誕生日…
「…来たんやな。(:ω;)
その時がとうとう…」
『その先は…分かるやろ。。
高野くんはもう仕事場に
行くことさえでけん。』
「…つまりあとは…
死を待つだけの身。。」
『…それでみさきちゃん…
決断したらしいんや。。
せめて彼の生きた証を
残してあげたいと…』
「つまりそれが…(;∀;)
みなみというわけか。」
『…けどそんな証もまた…
残り僅かの命や。。
だからこそ残された者は
せめてやるべきを…』
重いけど、(´・ω・`)
すごく理解できた。。
夢は持つべきやから。
思いは繋ぐべきやから。
そして時間は有限やから。
ちょっと待ってという
セリフは人生においては
無駄でしかないから。。
ならばワシは今…、、
あえてオカンにも誰にも
言わんかったけど、
ワシは決意した。
大学には行かん。。
この都大路で活躍して
高卒の実業団に進む。。
そして…
一年一日でも早く、
その夢に相応しいだけの
ランナーに成長すると
心に固く決めた。。
そう、(`・ω・´)
みなみの目が黒いうちに…
人生の時間は有限。
何かを成し遂げたいのなら
早い方がいい。(。・ω・。)
やるべきことが決まったなら
寄り道は必要ありません。




