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175 神様は…

…もってあと5年。。

(・_・;)


思いがけないみなみの短命を

聞かされた昇の心の内は、、、


「…ゴメン…(;´・ω・)

 けどこの際やから全部…

 聞かせてくれへんか??」


「……ああ。(´-ω-)

 そろそろ話さなあかんとは

 思ってたからな。。」


「じゃぁ…あれはウソか??

 みなみは天寿を全うでける。

 60くらいまで生きると…」


「…まぁ…な。(-v-;)

 たまたま当時に60過ぎまで

 生きた例があったから

 出まかせで言うた次第で…」


「…じゃぁ…(´゜д゜`)

 可能性はあるんか??

 みなみが生きていける…」


「…だがそれは…(-c-;)

 何度も心臓移植手術をした

 大富豪の話やからな…」


「…うっ、(´;д;`)

 それじゃ参考には…」


「…そんなんムリやろう。。

 仮に金があってもみなみが…

 それを望むと思うか??」



 …11月、(;´・ω・)


 府大会に勝って都大路への

 切符を手にして数日…


 …みなみが倒れた、、


 しかもその心臓の病状は…

 絶望的。。



 加えてアイツは…望まん。


 一度の移植で助からない身で

 金で順番抜かしをしてまで

 助かろうとは思わん性質。。


 その程度の潔さはある。。


 本人がそうなのならワシらが

 その意向に抗うべくはない。



 けどならば…(:n;)


 みなみはどうやっていつから

 その覚悟を持って??


 どこまで自分を知って…



 ただ…オッちゃんかって

 本当の意味での覚悟なんか

 持ててはないんや。。


 この場で滞りなく説明なんて

 でけるはずもない。。


 …せやから…

 語らせたいように語らせる

 しかないわけで、、



「…みなみ病気は高野の…

 実の父親からの遺伝なんだ。

 アイツも25で…

 同じ病気で亡くなった。。」


「…やったな……(´;д:`)」


「アイツとは…高校の同級。。

 元気で健気にしてたのにな、、

 高二の時に突然に発作で…」


「けどそれなら…(´゜д゜`)

 高野さんが25まで生きたなら…

 それまではもつってこと??」


「……いや…(´-v-`)

 だってそれは一回目の…

 みなみが中学の時に起こした

 最初の発作のことやて、、」



「い…一回目??(・.・;)」


「……決まってるんだよ。。

 ほとんどの者は15歳前後で

 一回目の発作を起こす。。

 そしてそれから数年置いて、

 二回目を起こすんだ。。」


「…じゃぁみなみは…

 二回目、、(´;c:`)」


「…そこから先は決まってる。

 この病が起こす発作は二回だと。

 一回目は15歳前後…

 二回目はそれから二、三年後。

 そして寿命は…約20年。。」



「じゃぁ…みなみはどうなる??

 残りの人生をどう過ごしたら

 アイツは幸せに、、」


「…難しいな、、(-n-;)

 なにせ二回目の発作以降は

 日常生活が儘ならんから。。」


「じゃぁ…もしかして…」


「……ああ。(´;ω;`)

 この先みなみはもう…

 一生退院することはないんや。

 高校を卒業できるかさえ…」



 …メチャクチャや、

 神様はなんでそんな…

 (´;д;`)


 両親を早死にさせた上に

 自身も20歳までって…


 みなみが何か悪いことを

 したというのか?? 


 それともワシらがその運を

 使い果たしたとでも??



 けど…落ちつけ、(:_;)


 誰が悪いわけでない。。

 恨みは何も生み出さない。。


 まだワシがみなみに

 できることはあるはず、、


 祈るだけの身でないはず…


 そのためにも…

 現実から逃げたらあかん。


 耳を…塞いだらあかん。。



「じゃぁみなみはそのこと…

 いつから知ってた??

 20年ほどの短命やってこと

 いつから自覚してた??」


「…最初からや、(;´-v-)

 みなみが物心を付く前から

 みさきが伝えてたらしい…」


「なんで…?(´゜д゜`)

 幼子にそんな残酷なこと…」


「…高野の希望や。(;´・ω・)

 アイツは知らんかったから…

 そのこと後悔してたから…」


「……そう…か…」


「自分が短命と知っていれば

 その中で考えられる。。

 残り時間に合わせた生き方を

 模索できるという意見には

 俺も賛成してたからな、、」



「…もしかして高野さんは…

 そのためにみなみを??

 人生の残り時間を考えた末に

 その証を残すために、、」


「…その…通りや、(; -`v-´)

 高野の生きた証を引き継いで

 くれる遺伝子を残すため…

 当時交際していたみさきから

 言い出したことらしい。。」


「……らしいな、、(-v-;)

 みさき叔母ちゃんらしい

 優しさやとワシは思う。。」

 

「…そして高野は…(;´;ω;)

 みなみが生まれて一年で。。

 もしこの子が同じ病気ならば

 隠さず伝えるよう残して…」



「じゃぁみなみは…

 ワシと出会った9歳の頃には

 もう全てを知ってたと、、」


「……ああ。(;´・v・)

 それを承知の上で俺は…

 みさきを嫁に迎えた。。

 俺より先に亡くなるであろう

 みなみと…父娘になった。。」


「……そうか、(;´・ω・)

 だからみなみは当時から

 刹那的で焦りのあるような

 大人びた性格やったと…」


「…そうやな、(*-ω-*)

 当時は限られた時間の中で

 漫画家になるとか色々と

 夢を追ってたんやけど……」



 その夢が…壊れた。


 だってワシのせいもあって

 みさき叔母ちゃんが…


 最大の理解者だったはずの

 母親が亡くなったから。。

 (´;ω:`)



 みなみはその後の貴重な

 数年間を落ち込んだままに

 無為に過ごすことに、、


 けれど僅か20年程の人生に

 おいてそのロスは大きく…


 色々あった夢のほとんどは

 半ば諦める方向になる、、


 そんなみなみが抱いた

 新たな夢というのは…



「…アイツ…(´;∀:`)

 底なしにアホな奴やから

 陸上を始めよった。。」


「…なんで??(´゜д゜`)

 心臓に問題がある身やのに

 長距離走なんて無茶を…」


「…だって発作が出るまでは

 ハンデにならんから、、

 こんな身体で全国大会にでも

 出られたなら多くの病人の

 励ましになるやろうて、、」


「…なんやそれ…(´・v・`)

 けど…みなみらしいと言えば

 そうなんやろうな、、」


「…ただな、(´・ω・`)

 アイツの父親は中学卒業まで

 無事に過ごせてたけど…」


「…そうか…(/ω;\)」



 そう…上手くはいかん。


 父親と同じ病を持つ不遇。。

 その中で叶えるべき夢を描く

 計算ずくの人生設計。。


 中学まで自分は健康体。

 それまでに競技者として、、


 ただその計算には時として…

 誤差もある。(;c;)



 父が発症したのは17歳。

 高校二年生の時。。

 

 その時点まで時間があると

 思い込んでいたみなみが

 発症したのは…14歳。。


 やっと全国が狙える実力を

 付け始めた中三4月時点。。


 その僅か数年の差が…



 みなみのランナーとしての

 夢を根底から奪った、、



 だから…それからみなみは

 大きな夢は見なくなった。。


 あくまで普通に…

 運動はせず無理はせず。


 しばらくは早歩きさえ

 ほとんどなく。。


 血の繋がらない自分のこと

 片親のまま育ててくれる

 オッちゃんに恩返しできる

 孝行娘であるようにと、、



 けどやはり…それだけでは

 物足らんかったんやろう。。

 (;´・ω・)


 一回目の発作が出てから

 かれこれ二年以上。。


 こんな平穏な時間はもう

 長くは残されてないと

 覚悟し始めたそんな頃に、、



「…昇が…火をつけたんや。

 アイツがランナーとしての

 情熱を思い出せしたんは

 多分…宿命やと思う。。」


「…そう…言われても、、

 ワシにはそんな、(・_・;)」


「みなみの分もとは言わん。

 …だが…

 お前にはそのあらん限りの

 力で走り抜けてほしい。。

 それだけがきっと、、」



 …わかった。。

 ようなわからんような…

 (;´・ω・) 

 

 けどワシが火をつけたこと。


 それを機に駅伝部ができて

 都大路を勝ち取ったこと。


 こんな望外が実現したことは

 まぎれようもない事実。



 もしこれが運命なら…

 駅伝の神様のお導きなら、、


 はっきりと分かる。


 ワシにとっても神様は

 みさき叔母ちゃんやない。。



 みなみやったんやと。。



走ることしかできない連中の思いを

一点に集めた駅伝部ができた経緯。。


それは…きっとみなみの宿命。。


その生き様を見せられる機会は

たったの一回のレース、、


どう…なる??


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