表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
都大路の風になれ - 不器用な出来たて駅伝部の全力疾走。。  作者: ふみた
勝てば都大路…大阪府予選スタート。
168/240

167 運命共同体

天下茶屋高校…二位。


トップ西風との差は二秒で

ついに襷はアンカーへ。

(;'∀')



「浜寺!!(; ・`д・´)」

「…はっ…はっっ…(;゜Д゜)」


「…落ちつけ!!(; `д´)

 息を整えるんだ。。」

「…はぁ…はぁ…(;;゜Д゜;)」


「…よくやった。(;v;)

 本当によく走ってくれた…

 ありがとう浜寺。。」

「でも…でも俺、、(;O;)

 俺は悔しいよ放出。。」



「…悔しい??(・.・;)

 あれだけの走りをして何か

 後悔があるのか??」

「……あらへん。(´:n;`)

 あらへんから俺は悔しい…、」


「…なるほど…そうか。。」

「俺にもう少し地力があれば…

 せめてあと2秒だけでも…」


「…けどあれは…(;´・c・)

 届かないことは誰だって…」

「……分かってた。(´;n;)

 俺にはどうやったって

 あの差を逆転できないのは

 分かってたんだよ。。」


「…たしかに…(*´ω`*)

 それは悔しいよな。。」

「…なんで…( ´;v;)

 全て出し切れたはずやのに

 こんな悔しいんやろ。。

 駅伝ってのは、、、」



 おそらく…そういうもの、、

 (;´・ω・)


 駅伝に限らずどんな競技…

 特に団体競技はそう。。



 …勝負師は悔しい。。


 勝っても負けても引分でも

 何をどうやっても、、

 (´・ω・`)


 もしあの時こうしてたら…


 仮に目標を果たしてても

 どこかには必ず残る。。


 試合はもちろん練習から

 日常から遠い過去までをも

 思い返しても反省改善を

 求めるのが即ち…


 現役アスリート。。


 やるだけやったから…

 自分らしくやった…

 全てを出きれたから

 悔いはない??



 …ふざけるな。。

 …甘いにも程がある。。



 それはやり終えた者に

 のみ起こりうる感情。。


 現役の競技者に綺麗事は

 およそ出ないもの。。


 

「だったら…尚更だ。」

「はは。(;'∀')

 なんや放出も同じか。。」


「…ああ。(; ・`v・´)

 俺だって終わってない。。

 必ずもう一本走ろう。」

「…同感やが…

 もうできるのは祈るだけっ

 てのもな。(;´・v・)」


「なら…そうするさ。。

 無力でも他人任せでも…」

「……ちゃう。(; -v-)

 他人任せが他人でない。。

 それが…仲間やろう。」


「そう…だな。(;-v-)

 他人ではねぇよな。。」

「俺は…ヤツに託した。

 タスキを渡したからな。。

 だから天保山の走りはもう

 俺たちのモンやて。。」



 …重いな。(・_・;)


 けどそれが現実。

 全員の汗の沁み込んだ

 タスキを改めて思う。。


 勝負の行方を自分以外の

 者に任せて祈るだけの

 この上ない無力。。


 冷静に見れば恥ずかしく

 無意味な祈りの姿勢。。


 けどそんな無様でさえ

 肯定できるのは…



 仲間やから。。

 (`・∀・´)



 <彼ら>でなく<我ら>。


 アイツの勝利こそは

 我々の誇り。

 アイツで負けるなら

 潔く諦められる。


 そう思わせる仲間に

 託したからこそ…


 祈れるんや。。



 信頼のない者に一区は

 任せられない。。


 ワシはそう言われた。


 けどその言葉は実は

 全区間に当てはまる。


 いや…スタッフを含め

 全ての関係者にさえ、、

 (`・n・´)


 

 けど今ここに至り…


 天下茶屋の勝敗に関わる

 人間はもうワシ以外に

 誰も居ないと知る。。


 もう誰にも託せない。

 祈りなど許されない。


 関わった仲間のすべてを

 背負うのが駅伝では…


 アンカー。。



 忘れてたわけやない。


 けどワシはその覚悟を

 軽く見てたのかもしれん。

 (;´・ω・)


 そんなスタートしてすぐ…



 ワシは先頭の西風の

 背中を捉えた。(・_・;)


 そりゃ二秒差で出れば

 この展開は当然。


 三位の逢坂とは凡そ

 25秒の差があることは

 既に耳に入ってる。。


 それは…浜寺の成果。


 縁の下のヒーローが

 してくれた大仕事。。


 面倒はもうない。


 つまりここから先は

 天下茶屋と西風…


 ワシと扇町天馬の

 一騎打ちになる。。

 (; ・`n・´)



「来たか…昇。。」


 もちろん声ではない。


 けど天馬の背中は

 そう語りかけてきた

 ように思えた。


 きっと浜寺と同じ。


 心の声が聞こえるのは

 思いを同じくする者

 だけなんやろう。。



 そう、(・_・;)


 仲間の全てを背負うのは

 何もワシだけやない。


 他の学校のアンカーも

 その重責を背負って

 タスキを掛けてるはず。


 軽いタスキなどここには

 一本もないはず。。



 この扇町天馬も名門・

 西風高校の主将。。


 そのタスキの重みを

 誰よりよく知る漢。。


 その背中を目の前にして

 ワシは走り続ける。


 一キロ地点を通過…

 ゴールまであと4キロ。


 そんなゴール地点では…



「…2分56秒、(・v・;)

 扇町としては順調。

 2秒差を詰めた天保山も

 許容範囲内のペースと

 言えるやろうな。。」

『せ…千林さん。(´゜д゜)

 けどええんでっか??

 記者の仕事中やのに…』


「構わんよ難波。(-v-;)

 どうせ今から取材陣は

 ゴール地点に待機、、」

『…というか…(-ω-)/

 バレはったんですね。。

 ホンマに大丈夫??』


「…大丈夫…(・c・;)

 ってことになったぞ。。

 一応は会社公認で…」

「おおい、(-C-)/

 ウソつくな千林。。

 上司の俺は不問にしたが

 会社は公認してないぞ。」


『…どういう…(・.・;)

 ことでっかそれ??』

「それはつまりそのぉ…」



「おお、これは千林さん。

 ご無沙汰してます。」

「これは難波の親父さん。

 お世話になります。(^ー^)」


「また飲みに来て下さい。

 半額券を出すんで…」

「おおい千林、(-C-)/

 ちょっと絡みがあった

 レベルではないだろ。

 後で説明しろよな。」



 千林さんも来てくれた。

 (・v・;)


 我が天下茶屋駅伝部の

 唯一といえる指導者。。


 こんな素人集団が

 ここまで戦えるように

 なったんはひとえに…



 けど…非公認。

 (;´・ω・)

 というか会社に内緒の

 反則もどき。。


 あと色々あって絶対に

 不正は起こせない人。。


 つまりそれはその…



 天下茶屋が勝てば

 万事OKということ。

 (; ・`n・´)


 もし勝てば千林記者は

 他紙を出し抜いて

 特ダネをいくらでも

 書くことができる。


 もしそうなれば細かい

 不正などどこ吹く風。。


 千林記者はストップ高。

 金一封も確実や。



 けど負ければ…

 (・_・;)


 天下茶屋駅伝部という

 ニュースソース自体が

 ストップ安になる。


 というか無価値になる。


 二位ではダメ。


 今日のレースにおいて

 二位は無価値、、


 

 では…(ㆀ˘・з・˘)

 千林さんに何ができる?


 何か伝えることがあると

 すればどうする??

 


「…それなら3キロ手前。

 ランナーがこのすぐ前を

 通過する時だろう。。」

『…はい。(・c・;)

 アンカーはここを通過後

 1キロほど東へ、、

 そこを折り返してから

 西向きに1キロを走って

 ゴールとなります。』


「…何の解説だ??(-c-)/

 とはいえ通過は一瞬。。

 大したメッセージは伝え

 られないと思うぞ。」

『…そうですね。(;v;)

 せやからできたら…』


「…キツイこと。(;'∀')

 ボクがバイクで来たのは

 仕事だと承知だよな。」

『…はい。(;'v')

 けど千林さんはウチらの

 コーチですから。。』


「…だったら…(;'∀')

 仕方ないですよね。。」

「おおい千林。(-C-;)

 そんな目で俺を見るな。

 …俺も…腹括った、、

 天下茶屋と我が社はもう

 運命共同体でいい。。」



 運命共同体。。


 きっと駅伝チームとは

 そういう間柄なんや。。


 そんなゴール地点に

 続々と共同体の仲間が

 戻ってきている。


 各区間の選手を乗せた

 バスが着いたんや。



 二区を快走した能勢。

 それを迎えた南方。


 三区を粘り切った泉。

 それを迎えた遥。。


 他校の選手もみんな

 今はただゴールの前で

 仲間を迎える立場。。



 期待と不安。

 緊張と静寂。


 綯交ぜになりながらも

 其々の結果を待つ

 祈るだけの立場。。



 とはいえ間に合うのは

 ここまでやろう、、


 四区以降のランナーは

 仲間のゴールを見届ける

 ことはできない。。


 けどそんな中でも…



『わーい。(≧▽≦)

 間にあったぁ!!』

「スゴイデス、(^O^)/

 オいもサン速イデス。」


 四区のキックス選手と

 それを迎えた赤阪妹・

 百合ちゃんも来ました。

 (-v-メ)


 おそらく四区の選手が

 間に合ったのは

 天下茶屋うちだけです。


 あと少し。。


 今や運命用同体である

 ワシらの全てはあと

 およそ10分で、、



 決着します。。





託す、祈る、預かる。。

(`・ω・´)


その信用があるのが仲間。

誰にでもはできませんから。。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ