167 運命共同体
天下茶屋高校…二位。
トップ西風との差は二秒で
ついに襷はアンカーへ。
(;'∀')
「浜寺!!(; ・`д・´)」
「…はっ…はっっ…(;゜Д゜)」
「…落ちつけ!!(; `д´)
息を整えるんだ。。」
「…はぁ…はぁ…(;;゜Д゜;)」
「…よくやった。(;v;)
本当によく走ってくれた…
ありがとう浜寺。。」
「でも…でも俺、、(;O;)
俺は悔しいよ放出。。」
「…悔しい??(・.・;)
あれだけの走りをして何か
後悔があるのか??」
「……あらへん。(´:n;`)
あらへんから俺は悔しい…、」
「…なるほど…そうか。。」
「俺にもう少し地力があれば…
せめてあと2秒だけでも…」
「…けどあれは…(;´・c・)
届かないことは誰だって…」
「……分かってた。(´;n;)
俺にはどうやったって
あの差を逆転できないのは
分かってたんだよ。。」
「…たしかに…(*´ω`*)
それは悔しいよな。。」
「…なんで…( ´;v;)
全て出し切れたはずやのに
こんな悔しいんやろ。。
駅伝ってのは、、、」
おそらく…そういうもの、、
(;´・ω・)
駅伝に限らずどんな競技…
特に団体競技はそう。。
…勝負師は悔しい。。
勝っても負けても引分でも
何をどうやっても、、
(´・ω・`)
もしあの時こうしてたら…
仮に目標を果たしてても
どこかには必ず残る。。
試合はもちろん練習から
日常から遠い過去までをも
思い返しても反省改善を
求めるのが即ち…
現役アスリート。。
やるだけやったから…
自分らしくやった…
全てを出きれたから
悔いはない??
…ふざけるな。。
…甘いにも程がある。。
それはやり終えた者に
のみ起こりうる感情。。
現役の競技者に綺麗事は
およそ出ないもの。。
「だったら…尚更だ。」
「はは。(;'∀')
なんや放出も同じか。。」
「…ああ。(; ・`v・´)
俺だって終わってない。。
必ずもう一本走ろう。」
「…同感やが…
もうできるのは祈るだけっ
てのもな。(;´・v・)」
「なら…そうするさ。。
無力でも他人任せでも…」
「……ちゃう。(; -v-)
他人任せが他人でない。。
それが…仲間やろう。」
「そう…だな。(;-v-)
他人ではねぇよな。。」
「俺は…ヤツに託した。
タスキを渡したからな。。
だから天保山の走りはもう
俺たちのモンやて。。」
…重いな。(・_・;)
けどそれが現実。
全員の汗の沁み込んだ
タスキを改めて思う。。
勝負の行方を自分以外の
者に任せて祈るだけの
この上ない無力。。
冷静に見れば恥ずかしく
無意味な祈りの姿勢。。
けどそんな無様でさえ
肯定できるのは…
仲間やから。。
(`・∀・´)
<彼ら>でなく<我ら>。
アイツの勝利こそは
我々の誇り。
アイツで負けるなら
潔く諦められる。
そう思わせる仲間に
託したからこそ…
祈れるんや。。
信頼のない者に一区は
任せられない。。
ワシはそう言われた。
けどその言葉は実は
全区間に当てはまる。
いや…スタッフを含め
全ての関係者にさえ、、
(`・n・´)
けど今ここに至り…
天下茶屋の勝敗に関わる
人間はもうワシ以外に
誰も居ないと知る。。
もう誰にも託せない。
祈りなど許されない。
関わった仲間のすべてを
背負うのが駅伝では…
アンカー。。
忘れてたわけやない。
けどワシはその覚悟を
軽く見てたのかもしれん。
(;´・ω・)
そんなスタートしてすぐ…
ワシは先頭の西風の
背中を捉えた。(・_・;)
そりゃ二秒差で出れば
この展開は当然。
三位の逢坂とは凡そ
25秒の差があることは
既に耳に入ってる。。
それは…浜寺の成果。
縁の下のヒーローが
してくれた大仕事。。
面倒はもうない。
つまりここから先は
天下茶屋と西風…
ワシと扇町天馬の
一騎打ちになる。。
(; ・`n・´)
「来たか…昇。。」
もちろん声ではない。
けど天馬の背中は
そう語りかけてきた
ように思えた。
きっと浜寺と同じ。
心の声が聞こえるのは
思いを同じくする者
だけなんやろう。。
そう、(・_・;)
仲間の全てを背負うのは
何もワシだけやない。
他の学校のアンカーも
その重責を背負って
タスキを掛けてるはず。
軽いタスキなどここには
一本もないはず。。
この扇町天馬も名門・
西風高校の主将。。
そのタスキの重みを
誰よりよく知る漢。。
その背中を目の前にして
ワシは走り続ける。
一キロ地点を通過…
ゴールまであと4キロ。
そんなゴール地点では…
「…2分56秒、(・v・;)
扇町としては順調。
2秒差を詰めた天保山も
許容範囲内のペースと
言えるやろうな。。」
『せ…千林さん。(´゜д゜)
けどええんでっか??
記者の仕事中やのに…』
「構わんよ難波。(-v-;)
どうせ今から取材陣は
ゴール地点に待機、、」
『…というか…(-ω-)/
バレはったんですね。。
ホンマに大丈夫??』
「…大丈夫…(・c・;)
ってことになったぞ。。
一応は会社公認で…」
「おおい、(-C-)/
ウソつくな千林。。
上司の俺は不問にしたが
会社は公認してないぞ。」
『…どういう…(・.・;)
ことでっかそれ??』
「それはつまりそのぉ…」
「おお、これは千林さん。
ご無沙汰してます。」
「これは難波の親父さん。
お世話になります。(^ー^)」
「また飲みに来て下さい。
半額券を出すんで…」
「おおい千林、(-C-)/
ちょっと絡みがあった
レベルではないだろ。
後で説明しろよな。」
千林さんも来てくれた。
(・v・;)
我が天下茶屋駅伝部の
唯一といえる指導者。。
こんな素人集団が
ここまで戦えるように
なったんはひとえに…
けど…非公認。
(;´・ω・)
というか会社に内緒の
反則もどき。。
あと色々あって絶対に
不正は起こせない人。。
つまりそれはその…
天下茶屋が勝てば
万事OKということ。
(; ・`n・´)
もし勝てば千林記者は
他紙を出し抜いて
特ダネをいくらでも
書くことができる。
もしそうなれば細かい
不正などどこ吹く風。。
千林記者はストップ高。
金一封も確実や。
けど負ければ…
(・_・;)
天下茶屋駅伝部という
ニュースソース自体が
ストップ安になる。
というか無価値になる。
二位ではダメ。
今日のレースにおいて
二位は無価値、、
では…(ㆀ˘・з・˘)
千林さんに何ができる?
何か伝えることがあると
すればどうする??
「…それなら3キロ手前。
ランナーがこのすぐ前を
通過する時だろう。。」
『…はい。(・c・;)
アンカーはここを通過後
1キロほど東へ、、
そこを折り返してから
西向きに1キロを走って
ゴールとなります。』
「…何の解説だ??(-c-)/
とはいえ通過は一瞬。。
大したメッセージは伝え
られないと思うぞ。」
『…そうですね。(;v;)
せやからできたら…』
「…キツイこと。(;'∀')
ボクがバイクで来たのは
仕事だと承知だよな。」
『…はい。(;'v')
けど千林さんはウチらの
コーチですから。。』
「…だったら…(;'∀')
仕方ないですよね。。」
「おおい千林。(-C-;)
そんな目で俺を見るな。
…俺も…腹括った、、
天下茶屋と我が社はもう
運命共同体でいい。。」
運命共同体。。
きっと駅伝チームとは
そういう間柄なんや。。
そんなゴール地点に
続々と共同体の仲間が
戻ってきている。
各区間の選手を乗せた
バスが着いたんや。
二区を快走した能勢。
それを迎えた南方。
三区を粘り切った泉。
それを迎えた遥。。
他校の選手もみんな
今はただゴールの前で
仲間を迎える立場。。
期待と不安。
緊張と静寂。
綯交ぜになりながらも
其々の結果を待つ
祈るだけの立場。。
とはいえ間に合うのは
ここまでやろう、、
四区以降のランナーは
仲間のゴールを見届ける
ことはできない。。
けどそんな中でも…
『わーい。(≧▽≦)
間にあったぁ!!』
「スゴイデス、(^O^)/
オいもサン速イデス。」
四区のキックス選手と
それを迎えた赤阪妹・
百合ちゃんも来ました。
(-v-メ)
おそらく四区の選手が
間に合ったのは
天下茶屋だけです。
あと少し。。
今や運命用同体である
ワシらの全てはあと
およそ10分で、、
決着します。。
託す、祈る、預かる。。
(`・ω・´)
その信用があるのが仲間。
誰にでもはできませんから。。




