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都大路の風になれ - 不器用な出来たて駅伝部の全力疾走。。  作者: ふみた
勝てば都大路…大阪府予選スタート。
163/240

162 努力の天才

駅伝大阪府予選も

いよいよ終盤5区。。

(・_・;)


だが上位争いをする

天下茶屋の6区は

やや経験不足で…


「門大北場が中継所通過!!

 先頭とは…1分13秒。。」

「…開いたなぁ。(・o・;)

 後半のオーダーを見るに

 もうこれは終戦かな…」


「やはり…北場の四区は

 前半のオーバーペースが

 響いたようですね。。」

「…前が見える位置にいると

 気持ちが焦るから。。

 だが駅伝でこれをやると

 一発で…終わりだ。。」


「…あと5位の通過報告は

 まだ来てません。。」

「…これ完全に…(・n・;)

 3校に絞られたな。。」



 陸上専門の新聞記者…

 千林旭さんが言うなら

 間違いない思う。

 (`・ω・´)


 高校駅伝大阪府予選は

 第4中継所を過ぎて…



 先頭は西風高校。

 前年度優勝の名門高は、

 大会記録を上回る

 ハイペースで飛ばす。。


 だが後続も遅れてない。


 僅か9秒差の第二位には

 同じく名門の逢坂高校。

 後半のオーダーも西風に

 劣るモンやない。


 …色々あった今大会も

 やはり後半はこの2校に

 絞られたかと思いきや…



 もう一校…(`・ω・)

 ダークホースが残った。


 創部一年にも満たない

 コーチと女子と補助員を

 含めても部員11名という

 弱小の駅伝部がなんと…


 先頭からわずか21秒差の

 第三位に浮上。。


 このハイレベルにおいて尚

 目標である都大路出場は

 まだまだ狙える位置に、、


 そして気になる後半の

 オーダーはというと、、



「…赤阪が1キロ地点で…

 先頭と16秒差!?(´゜O゜)

 5秒も詰めてるってこれ

 大丈夫か!?西中島…」

「…落ちつけ浜寺。。

 ちゃんとラップタイムを

 確認して。。(;´・ω・)」


「…あれ??(・n・;)

 予定の2分50秒ジャスト…

 このペースでなんで西風と

 差が詰まるん??」

「…おそらく西風の戦術だ。

 今の展開ならそれが常套策

 だってわかるだろ??」


「…展開??(;・.・;;)

 …常套策??わからん。。」

「…浜寺お前…(;´・ω・)

 ある意味で凄いな。。」



 分からんのは仕方ない。

 (;´・ω・)


 なにせ浜寺はまだ陸上を

 はじめて一年ほど。

 戦術や作戦やを理解できる

 経験者やあらへんから。



 …けど実際はそれでも

 説明不要なくらいの状況。。

 (/・ω・)/


 トップから9秒差の二位、

 逢坂高校にすれば少しでも

 早く前に追い付きたい。


 だから先頭の西風は…

 あえてペースを抑える。

 (・_・;)


 あえて簡単そうな背中を

 逢坂に見せつける。。


 そうなると逸る気持ちの

 逢坂は必然…



 オーバーペースになる。

 (・.・;)

 追い付いた時点でもう

 アップアップになる。。



 対してスローぺースで

 余裕のある西風。。


 追い付いた直後の逢坂を

 一切休ませることなく

 振り回して消耗させ

 後半にスパートかけて…


 置き去りにする戦術。。

 (・_・;)



 これが上手くハマれば

 やられた側は心身ともに

 ボロボロ。(TOT)


 後半1キロだけで

 30秒差さえ起こりうる

 抜け目ない常套策。。


 なのに追う逢坂にすれば

 対応が難しい策なんや、、



 …とはいえ…(/・ω・)/


 策である以上は当然

 短所かてある。。


 仮にねらい通りに策が

 遂行されたとして…



 イーブンペースでない

 以上は一位も二位も

 タイムが上がらない。。


 三位以下の追撃を許す

 危険性は回避不可。


 それは当然スポーツを

 知る男には常識で…



「…見ろよ浜寺。(;'v')

 一キロ通過時点の表情。

 悪い顔してやがるぜ、

 赤阪のヤツ…」

「…そうか??(・.・;)

 俺には真っ直ぐなええ

 顔に見えるけど…」


「…この口元…(;´・v・)

 前二人のペースを見て、

 理想的な展開になったと

 ほくそ笑んでやがる。」

「…なるほど。(;´・ω・)

 赤阪や西中島にとっては

 当たり前なんやな。。

 陸上経験の浅い俺には

 分からんけど…」


「…いや。(;'∀')

 そんなつもりで言うた

 わけではないから。。」

「…けど…(;´・ω・)

 ぶっちゃけ不安はある。。

 常識も知らん陸上素人が

 この勝負処をホンマに

 走ってええもんかと…」


「…おいおい。(;'∀')

 今さらそれを言う??」

「…ああ。(;´・v・)

 代わってもらえるなら

 そうしたいくらい。。

 西中島なら可能やし…」



 …おいおい浜寺。

 (・n・;)

 それ出走5分前に言う

 セリフやないで、、



 けど…不安は分かる。


 ワシかて今にも口から

 心臓が飛び出すかと

 思うくらい緊張しとる。


 陸上経験も実戦経験も

 乏しい浜寺にすれば

 余計にそうかも知れん。


 それを今さら隠すこと

 もないとは思う。。



 …けどそれ…(-c-メ)

 聞かされた側は??


 出走直前の選手の不安…


 駅伝経験のある付き人は

 なにを語るべきか。。



「…分かるよ。(-v-)

 俺も去年はこの六区を

 走ったんだから。。」

「…知ってるよ。(・c・;)

 せやから俺…その経験は

 聞いときたかったんや。。」


「…けど俺の不安は…

 浜寺のそれとは多分

 違うと思う。(;´・v・)」

「…えっ??(・.・;)」


「…だって俺…(;´∀`)

 いや当時の陸上部は皆

 やれること全力でやって

 なかったから。。」

「……(・n・;)」


「だが…今の駅伝部は

 違うから。。(´・v・)

 たった一年だけど皆で

 全力を出しきったから

 今があるんだろ??」

「それは…(・.・;)」


「なら…それでいい。。

 自分が今出来ることを

 出し切れればそれで

 充分だと俺は思う。。」

「…(・n・;)」



 うん。その通り。。

 (・_・;)


 でけんことを求めても

 失敗以外はあり得ん。


 けど…それだけでは

 浜寺の不安は残る。。


 …拠り所が欲しい。


 なぜそれで充分かって

 理解してこそ今は…


 それは浜寺の性格から

 すればきっと、、



「…大丈夫だ。(;´・v・)

 浜寺には才能がある。。

 俺は認めてるから…」

「…何の才能??(・.・;)

 俺から見れば西中島は

 頭ええし陸上にかって

 詳しいんやし…」


「…だがそれでも…(-v-)

 浜寺や皆が羨ましい。。

 だって俺には一番必要な

 才能を発揮する機会が

 なかったんだから。」

「…何それ??(・c・;)

 俺たちにあって西中島が

 発揮できてない才能…」



 それが…努力する才能。

 (・.・;)

 一つの目標に向け全力を

 尽くしきれる才能。。


 これがある人間は強い。

 逆境をも乗り越えるかも

 しれん武器になる。



 けど…この特異才能を

 生まれながらに持つ

 天才は多くはない。。


 その殆どは後天的、、


 では何を機にその才能は

 身に付くのか。。



「自慢じゃないが俺は…

 恵まれた子だから。」

「それ…何が問題なん??

 (´・ω・`)?」


「…だって俺…(;-∀-)。

 努力なしでも運動も学業も

 人並み以上にできた。。

 おまけに家は歯科開業医。

 将来も安泰ってわけ…」

「…羨ましい。(。-`ω-)

 それ聞かされた俺にどう

 返せと言うんや??」


「…だからかな。(-v-;)

 そこそこで満足する悪癖が

 拭えなくなった。。

 努力しての失敗が怖くて…

 冒険をしなくなった。。」

「けど…西中島は受験は成功

 したんやろう?? (・O・;)

 陸上をやめてまで勉強して

 歯科大に推薦合格して…」



「…その通りや、(´;v;`)

 ハタから見れば大成なのに…

 とても後悔してるんだ。。

 もしあの時に駅伝する道を

 選んでたら俺はきっと…」

「…やろうな。。(;'c')

 元陸上部の西中島なら

 きっとメンバーに、、」


「…けど俺は…(;´・v・)

 まだ追い込まれてなかった。

 だから皆のような努力を

 できなかったんだ。。」

「…かもしれん。(;´・ω・)

 俺らは追い込まれた…

 不遇の集まりやからな。」



「そして現実…(*'ω'*)

 今はお前の方が速い。。

 だから浜寺が六区を走る。

 それじゃ…ダメか??」

「…シンプルだな。(;'∀')

 最後にきて反論できない

 こと言いやがって。。」


「…だったら浜寺が堂々と

 受け取ってやれ、、

 もうすぐ俺らで一番の…

 努力の天才が来るぞ。。」

「…(; ・`v・´)」



 努力する才能。

 (; ・n・)

 追い込まれて初めて発揮

 されるであろう能力。


 不遇な人間の集まりだから

 こそ持ち得た特異な才能。



 そしてその努力の天才が…


 この一年の不断の努力で

 5000mのベストタイムを凡そ

 4分半も短縮した大天才が

 中継所に迫って来た。。



 赤阪千早…第二位。


 走りの才能で劣るであろう

 努力する天才が…



 名門・逢坂のエリートを

 打ち抜いたらしい。。

 (;'∀')



えっ!?(;'∀')

二位に上がった??


努力の天才・赤阪千早の

レースぶりは次回で…


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