162 努力の天才
駅伝大阪府予選も
いよいよ終盤5区。。
(・_・;)
だが上位争いをする
天下茶屋の6区は
やや経験不足で…
「門大北場が中継所通過!!
先頭とは…1分13秒。。」
「…開いたなぁ。(・o・;)
後半のオーダーを見るに
もうこれは終戦かな…」
「やはり…北場の四区は
前半のオーバーペースが
響いたようですね。。」
「…前が見える位置にいると
気持ちが焦るから。。
だが駅伝でこれをやると
一発で…終わりだ。。」
「…あと5位の通過報告は
まだ来てません。。」
「…これ完全に…(・n・;)
3校に絞られたな。。」
陸上専門の新聞記者…
千林旭さんが言うなら
間違いない思う。
(`・ω・´)
高校駅伝大阪府予選は
第4中継所を過ぎて…
先頭は西風高校。
前年度優勝の名門高は、
大会記録を上回る
ハイペースで飛ばす。。
だが後続も遅れてない。
僅か9秒差の第二位には
同じく名門の逢坂高校。
後半のオーダーも西風に
劣るモンやない。
…色々あった今大会も
やはり後半はこの2校に
絞られたかと思いきや…
もう一校…(`・ω・)
ダークホースが残った。
創部一年にも満たない
コーチと女子と補助員を
含めても部員11名という
弱小の駅伝部がなんと…
先頭からわずか21秒差の
第三位に浮上。。
このハイレベルにおいて尚
目標である都大路出場は
まだまだ狙える位置に、、
そして気になる後半の
オーダーはというと、、
「…赤阪が1キロ地点で…
先頭と16秒差!?(´゜O゜)
5秒も詰めてるってこれ
大丈夫か!?西中島…」
「…落ちつけ浜寺。。
ちゃんとラップタイムを
確認して。。(;´・ω・)」
「…あれ??(・n・;)
予定の2分50秒ジャスト…
このペースでなんで西風と
差が詰まるん??」
「…おそらく西風の戦術だ。
今の展開ならそれが常套策
だってわかるだろ??」
「…展開??(;・.・;;)
…常套策??わからん。。」
「…浜寺お前…(;´・ω・)
ある意味で凄いな。。」
分からんのは仕方ない。
(;´・ω・)
なにせ浜寺はまだ陸上を
はじめて一年ほど。
戦術や作戦やを理解できる
経験者やあらへんから。
…けど実際はそれでも
説明不要なくらいの状況。。
(/・ω・)/
トップから9秒差の二位、
逢坂高校にすれば少しでも
早く前に追い付きたい。
だから先頭の西風は…
あえてペースを抑える。
(・_・;)
あえて簡単そうな背中を
逢坂に見せつける。。
そうなると逸る気持ちの
逢坂は必然…
オーバーペースになる。
(・.・;)
追い付いた時点でもう
アップアップになる。。
対してスローぺースで
余裕のある西風。。
追い付いた直後の逢坂を
一切休ませることなく
振り回して消耗させ
後半にスパートかけて…
置き去りにする戦術。。
(・_・;)
これが上手くハマれば
やられた側は心身ともに
ボロボロ。(TOT)
後半1キロだけで
30秒差さえ起こりうる
抜け目ない常套策。。
なのに追う逢坂にすれば
対応が難しい策なんや、、
…とはいえ…(/・ω・)/
策である以上は当然
短所かてある。。
仮にねらい通りに策が
遂行されたとして…
イーブンペースでない
以上は一位も二位も
タイムが上がらない。。
三位以下の追撃を許す
危険性は回避不可。
それは当然スポーツを
知る男には常識で…
「…見ろよ浜寺。(;'v')
一キロ通過時点の表情。
悪い顔してやがるぜ、
赤阪のヤツ…」
「…そうか??(・.・;)
俺には真っ直ぐなええ
顔に見えるけど…」
「…この口元…(;´・v・)
前二人のペースを見て、
理想的な展開になったと
ほくそ笑んでやがる。」
「…なるほど。(;´・ω・)
赤阪や西中島にとっては
当たり前なんやな。。
陸上経験の浅い俺には
分からんけど…」
「…いや。(;'∀')
そんなつもりで言うた
わけではないから。。」
「…けど…(;´・ω・)
ぶっちゃけ不安はある。。
常識も知らん陸上素人が
この勝負処をホンマに
走ってええもんかと…」
「…おいおい。(;'∀')
今さらそれを言う??」
「…ああ。(;´・v・)
代わってもらえるなら
そうしたいくらい。。
西中島なら可能やし…」
…おいおい浜寺。
(・n・;)
それ出走5分前に言う
セリフやないで、、
けど…不安は分かる。
ワシかて今にも口から
心臓が飛び出すかと
思うくらい緊張しとる。
陸上経験も実戦経験も
乏しい浜寺にすれば
余計にそうかも知れん。
それを今さら隠すこと
もないとは思う。。
…けどそれ…(-c-メ)
聞かされた側は??
出走直前の選手の不安…
駅伝経験のある付き人は
なにを語るべきか。。
「…分かるよ。(-v-)
俺も去年はこの六区を
走ったんだから。。」
「…知ってるよ。(・c・;)
せやから俺…その経験は
聞いときたかったんや。。」
「…けど俺の不安は…
浜寺のそれとは多分
違うと思う。(;´・v・)」
「…えっ??(・.・;)」
「…だって俺…(;´∀`)
いや当時の陸上部は皆
やれること全力でやって
なかったから。。」
「……(・n・;)」
「だが…今の駅伝部は
違うから。。(´・v・)
たった一年だけど皆で
全力を出しきったから
今があるんだろ??」
「それは…(・.・;)」
「なら…それでいい。。
自分が今出来ることを
出し切れればそれで
充分だと俺は思う。。」
「…(・n・;)」
うん。その通り。。
(・_・;)
でけんことを求めても
失敗以外はあり得ん。
けど…それだけでは
浜寺の不安は残る。。
…拠り所が欲しい。
なぜそれで充分かって
理解してこそ今は…
それは浜寺の性格から
すればきっと、、
「…大丈夫だ。(;´・v・)
浜寺には才能がある。。
俺は認めてるから…」
「…何の才能??(・.・;)
俺から見れば西中島は
頭ええし陸上にかって
詳しいんやし…」
「…だがそれでも…(-v-)
浜寺や皆が羨ましい。。
だって俺には一番必要な
才能を発揮する機会が
なかったんだから。」
「…何それ??(・c・;)
俺たちにあって西中島が
発揮できてない才能…」
それが…努力する才能。
(・.・;)
一つの目標に向け全力を
尽くしきれる才能。。
これがある人間は強い。
逆境をも乗り越えるかも
しれん武器になる。
けど…この特異才能を
生まれながらに持つ
天才は多くはない。。
その殆どは後天的、、
では何を機にその才能は
身に付くのか。。
「自慢じゃないが俺は…
恵まれた子だから。」
「それ…何が問題なん??
(´・ω・`)?」
「…だって俺…(;-∀-)。
努力なしでも運動も学業も
人並み以上にできた。。
おまけに家は歯科開業医。
将来も安泰ってわけ…」
「…羨ましい。(。-`ω-)
それ聞かされた俺にどう
返せと言うんや??」
「…だからかな。(-v-;)
そこそこで満足する悪癖が
拭えなくなった。。
努力しての失敗が怖くて…
冒険をしなくなった。。」
「けど…西中島は受験は成功
したんやろう?? (・O・;)
陸上をやめてまで勉強して
歯科大に推薦合格して…」
「…その通りや、(´;v;`)
ハタから見れば大成なのに…
とても後悔してるんだ。。
もしあの時に駅伝する道を
選んでたら俺はきっと…」
「…やろうな。。(;'c')
元陸上部の西中島なら
きっとメンバーに、、」
「…けど俺は…(;´・v・)
まだ追い込まれてなかった。
だから皆のような努力を
できなかったんだ。。」
「…かもしれん。(;´・ω・)
俺らは追い込まれた…
不遇の集まりやからな。」
「そして現実…(*'ω'*)
今はお前の方が速い。。
だから浜寺が六区を走る。
それじゃ…ダメか??」
「…シンプルだな。(;'∀')
最後にきて反論できない
こと言いやがって。。」
「…だったら浜寺が堂々と
受け取ってやれ、、
もうすぐ俺らで一番の…
努力の天才が来るぞ。。」
「…(; ・`v・´)」
努力する才能。
(; ・n・)
追い込まれて初めて発揮
されるであろう能力。
不遇な人間の集まりだから
こそ持ち得た特異な才能。
そしてその努力の天才が…
この一年の不断の努力で
5000mのベストタイムを凡そ
4分半も短縮した大天才が
中継所に迫って来た。。
赤阪千早…第二位。
走りの才能で劣るであろう
努力する天才が…
名門・逢坂のエリートを
打ち抜いたらしい。。
(;'∀')
えっ!?(;'∀')
二位に上がった??
努力の天才・赤阪千早の
レースぶりは次回で…




