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都大路の風になれ - 不器用な出来たて駅伝部の全力疾走。。  作者: ふみた
勝てば都大路…大阪府予選スタート。
161/240

160 いい顔

高校駅伝大阪府大会では

四区・キックスが快走中。

(`・ω・´)


ではその裏で取材をする

マスコミはと言うと…



「…おぉい千林。(・.・;)

 お前さっきからスマホを

 いじりすぎじゃないか?」

「…あっ、(;'∀')

 スイマセン仕事中に…」


「程々にしろよ。(・へ・)

 というか何のページを

 見てるんだ??」

「実は…これを。(@^n^)」


「…なっ、(´゜д゜`)

 天下茶屋のライン!?

 どこでこんな貴重な情報

 手に入れたん!??」

「いや…その…(;・c・;;)

 天下茶屋は俺の担当で

 そこから色々あって

 親しくなってその…」


「…それ…(; ・`д・´)

 会社に報告しろ!!

 特ダネになる!!」

「…うーん。(・.・;)

 これはプライベートの

 ラインなんスけど…」



 高校駅伝大阪府大会は

 四区に入った。(・.・;)


 初優勝を狙う天下茶屋

 駅伝部は現在第四位。


 とはいえトップとは

 43秒差の射程圏内。。


 その中で…

 


「天下茶屋が三キロ通過!!

 タイムは8分57秒!!

 順調です。(*'ω'*)」

「…ほう。(・.・;)

 まるで千林は天下茶屋の

 作戦を知っているかの

 ような口ぶりだな。。」


「…ある程度は…(;'∀')

 あそこは指導者もいない

 から少しだけど…」

「コーチの真似事を!?

 都大路も箱根も経験した

 お前がそれやったら…」


「…いやでも…(´゜д゜`)

 処分ならば受けますから

 せめて今日は最後まで、、」

「何を言っとる!?<`~´>

 こうなったら俺も

 天下茶屋に賭けるぞ!!

 もし勝ったら…

 他社を出し抜ける!!」



 こんな会話をしてるのは

 千林旭さん。。


 スポーツ専門の記者さん。


 その取材のその傍らで

 天下茶屋を指導してくれた

 実質のヘッドコーチ。。


 こんな天下茶屋がここまで

 来れたんは千林コーチの

 おかげ。(`・ω・´)


 ただ…そのことは内緒。


 公正公平であるべき記者が

 仕事をサボってコーチを

 するなど以ての外、(-_-;)


 特にこの人は色々あって

 慎重にならなあかん身の上

 やから。。(´・ω・`)



 けどそれが思わぬ形で

 許されてしもうた。。


 むしろ奨励された。


 こうなるとこの人は

 暴走する悪癖もあって…

 (;´-c-)



「行ったれキックス!!

 (; ・`д・´)ノ

 先頭まで200mちょい…

 見えてるやろがぁ!!」

「…あのぉ千林…(;'∀')

 天下茶屋の四区って

 そんなに速いの??」


「…いや…(;´・ω・)

 アイツは語学留学生で

 陸上は初心者で…」

「それが府大会の四区で

 戦えてるの!?(´゜д゜)

 それはそれで凄いが…」


「…精神力が凄いんス。。

 なにせアイツは紛争難民…

 日本人ではおよそ想像さえ

 つかん人生でして…」

「……はぁ!?(´゜д゜`)

 それが本当ならなぜ記事に

 せんかったの???」


「それは俺が記事にした後に

 ヤツが入部したからで…

 あと放出と阿倍野もその

 記事の後の入部で…」

「そ…そうだ、(; `д´)

 放出のことも殆ど記事に

 してなかったぞ!!」


「…けど…(;'∀')

 これ全部記事にしたら

 批判殺到しますよ。。。

 他にもLGBTとか事故とか

 まぁエゲツナイ、、」

「…だったら…(´・ω・`)

 詳細はお前に任せる。

 いずれにせよ天下茶屋が

 勝たなければこの話は

 ないんだしな。。」



 なんか色々と急展開。

 (・.・;)


 ただもし天下茶屋の件が

 千林さんの意思の下で

 記事になるのならば…


 マスゴミ思想とは無縁の

 公正な記者が記事にして

 くれるのなら、、



 キックスの願いは

 少しだけ叶うのかも

 しれない。(;c;)



 彼が懸命に走ること。。


 いや…キックスの存在

 そのものが母国の惨状を

 日本中に知らせることに

 繋がるから。


 それがひいては、、

 だから今はそのために…



「…前ニ…(; ・`n・´)

 私ハタダ前ニ、、」


 一切ぶれることなく

 歩を刻むキックス。。


 4キロ通過は11分55秒。


 中間点を過ぎてなお

 キッチリと刻み続ける

 先頭集団との差を

 5秒詰めて40秒とした。



 彼の後ろには誰もいない。

 (・.・;)


 優勝を狙えるのは既に

 上位4校に絞られた

 言ってええやろう。。


 そしてここで…

 ラインに動画が上がった。


 キックスは…



「この選手…(・c・;)

 真っ直ぐないい顔だ。。

 どんな人生を歩めばこの

 表情ができるんだ??」

「…人生もありますが…

 それ以上にキックスが

 大きいんです。。」


「…というと??( ゜n ゜)」

「だってアイツには大きな

 目的がありますから。。

 今とか自分とかチームとか

 では見失わないくらいに

 遥かに先を見据えて…」


「…だから…(;'∀')

 目線が真っ直ぐなんだ。」

「…そう。(・v・;)

 おそらく今も目線の先は

 もう目の前にはない。

 モノの喩でもなくです。」



 たしかに喩えではない。

 (・c・;)

 四キロ通過時点で情報は

 入っていたから。。


 先頭集団がバラけた。

 (`・ω・´)


 序盤にオーバーペースを

 していた門大北場が

 四キロ地点手前で脱落。


 すでに先頭から10秒ほど

 遅れてしまったいると…


 それを最も気にするのは

 次に控える赤阪で、、



「5キロ地点!!<`v´>

 キックスが三位にいる

 北場を捉えるぞ!!」

『お兄ちゃんご機嫌だね。

 (・.・;)

 これで三位に上がったら

 責任も重くなるのに…』


「…関係ない。(; ・`v・´)

 百合もキックスの表情を

 もっとよく見てみろ。。」

『…この動画のこと??

 表情を見るの?(・n・;)』


「…よく見なって、、

 それが戦う覚悟を持った

 男の目だとボクは思う。」

『…たしかに…(゜c゜;)

 じゃぁ次はお兄ちゃんも

 こんな表情になるって

 言うの??』


「……なりたい。(-v-)

 もしこんな顔になれたら

 ボクはきっと、、」

『…きっと??(・_・;)』



 赤阪はそれ以上を答えず

 静かにうなずいた。。


 だが…その背中からは

 はっきりと分かる。。


 戦う漢の覚悟、、

 (`・ω・´)


 その赤阪にタスキが

 繋がれるまでもうあと

 9分を切った。。


 一方でそのタスキを

 繋がんとする誰よりも

 真摯なこの男は、、



「くそ…前半飛ばし過ぎた…」

「…(; ・`n・´)」


「…こ…この区間に留学生

 とは卑怯な…<;`c´>」

「……(; ・`n・´)」



 一瞥もしない。。


 脱落した門大北場に

 チラとも目を向けない。


 追い縋ろうとする選手を

 一切振り返りもしない。



 目線は前、(; ・`n・´)


 6キロを通過した時点で

 先頭集団との差は…


 36秒。約200m、(;'∀')


 タスキを受け取ってから

 およそ50mを縮めた。。



 そして…残り二キロ。

 もう潰れる心配は薄い。


 ここまでペースを守って

 きた選手にとっても、

 体調を見ながら走りを

 変えてもええ頃合い。。


 だからか…(;´゜д゜)

 7キロ地点の報告では…



「せ…先頭集団がペースを

 上げたそうです。(・c・;)

 6キロから7キロまでを

 2分54秒でカバーして…」

「…なんだと、(;´゜д゜`)

 それはたしかか千林、、

 ここにきてキロ6秒も…」


「…さすが西風と逢坂…

 そこまで余力が残ってる

 とは想定外だぞ、、」

「…そうだな。(・c・;)

 これで三位の天下茶屋は

 かなり苦しくなる、」


「…続報です、(・c・;)

 三位の天下茶屋が通過…

 先頭の差は6キロの時点

 よりも5秒ほど、、」

「5秒も!?(;'O')

 ここでのそれは致命的。

 天下茶屋の特集は…」


「……詰めました、、」

「…へっ?(。゜O゜)?」


「キックスは…(;'∀')

 この一キロ2分49秒で

 カバーして、、」

「う…ウソだろ…(;゜∀゜)

 競技経験半年の17歳が

 そんなことって、、」



 これがキックス、

 (;・∀・)


 身体能力に優れた民族で

 あるを差し引いても

 有り得んポテンシャル。


 それを支えるのが…

 真っ直ぐな精神。。



 そしてこの時計こそが

 天下茶屋を更なる士気を

 もたらす起爆剤。。


 特にその思いを直接

 受け取る位置にいる

 この男は、、



「じゃぁ…(`・v・´)

 そろそろ行くか、、」

『…頑張ってきてね。。

 お兄ちゃん。(;'∀')』


「…なんだよ今更…」

『…いい顔してるよ。。

 キックスさんに負けない

 くらいに、(;・v・)』



 漢の顔を携えて…

 (;・∀・)


 天下茶屋の五区・

 赤阪千早は招集所に

 向かった。。




顔は男の履歴書。。

(`・ω・´)

戦う覚悟を決めた男は

いい顔をします。


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