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高校駅伝大阪府大会では
四区・キックスが快走中。
(`・ω・´)
ではその裏で取材をする
マスコミはと言うと…
「…おぉい千林。(・.・;)
お前さっきからスマホを
いじりすぎじゃないか?」
「…あっ、(;'∀')
スイマセン仕事中に…」
「程々にしろよ。(・へ・)
というか何のページを
見てるんだ??」
「実は…これを。(@^n^)」
「…なっ、(´゜д゜`)
天下茶屋のライン!?
どこでこんな貴重な情報
手に入れたん!??」
「いや…その…(;・c・;;)
天下茶屋は俺の担当で
そこから色々あって
親しくなってその…」
「…それ…(; ・`д・´)
会社に報告しろ!!
特ダネになる!!」
「…うーん。(・.・;)
これはプライベートの
ラインなんスけど…」
高校駅伝大阪府大会は
四区に入った。(・.・;)
初優勝を狙う天下茶屋
駅伝部は現在第四位。
とはいえトップとは
43秒差の射程圏内。。
その中で…
「天下茶屋が三キロ通過!!
タイムは8分57秒!!
順調です。(*'ω'*)」
「…ほう。(・.・;)
まるで千林は天下茶屋の
作戦を知っているかの
ような口ぶりだな。。」
「…ある程度は…(;'∀')
あそこは指導者もいない
から少しだけど…」
「コーチの真似事を!?
都大路も箱根も経験した
お前がそれやったら…」
「…いやでも…(´゜д゜`)
処分ならば受けますから
せめて今日は最後まで、、」
「何を言っとる!?<`~´>
こうなったら俺も
天下茶屋に賭けるぞ!!
もし勝ったら…
他社を出し抜ける!!」
こんな会話をしてるのは
千林旭さん。。
スポーツ専門の記者さん。
その取材のその傍らで
天下茶屋を指導してくれた
実質のヘッドコーチ。。
こんな天下茶屋がここまで
来れたんは千林コーチの
おかげ。(`・ω・´)
ただ…そのことは内緒。
公正公平であるべき記者が
仕事をサボってコーチを
するなど以ての外、(-_-;)
特にこの人は色々あって
慎重にならなあかん身の上
やから。。(´・ω・`)
けどそれが思わぬ形で
許されてしもうた。。
むしろ奨励された。
こうなるとこの人は
暴走する悪癖もあって…
(;´-c-)
「行ったれキックス!!
(; ・`д・´)ノ
先頭まで200mちょい…
見えてるやろがぁ!!」
「…あのぉ千林…(;'∀')
天下茶屋の四区って
そんなに速いの??」
「…いや…(;´・ω・)
アイツは語学留学生で
陸上は初心者で…」
「それが府大会の四区で
戦えてるの!?(´゜д゜)
それはそれで凄いが…」
「…精神力が凄いんス。。
なにせアイツは紛争難民…
日本人ではおよそ想像さえ
つかん人生でして…」
「……はぁ!?(´゜д゜`)
それが本当ならなぜ記事に
せんかったの???」
「それは俺が記事にした後に
ヤツが入部したからで…
あと放出と阿倍野もその
記事の後の入部で…」
「そ…そうだ、(; `д´)
放出のことも殆ど記事に
してなかったぞ!!」
「…けど…(;'∀')
これ全部記事にしたら
批判殺到しますよ。。。
他にもLGBTとか事故とか
まぁエゲツナイ、、」
「…だったら…(´・ω・`)
詳細はお前に任せる。
いずれにせよ天下茶屋が
勝たなければこの話は
ないんだしな。。」
なんか色々と急展開。
(・.・;)
ただもし天下茶屋の件が
千林さんの意思の下で
記事になるのならば…
マスゴミ思想とは無縁の
公正な記者が記事にして
くれるのなら、、
キックスの願いは
少しだけ叶うのかも
しれない。(;c;)
彼が懸命に走ること。。
いや…キックスの存在
そのものが母国の惨状を
日本中に知らせることに
繋がるから。
それがひいては、、
だから今はそのために…
「…前ニ…(; ・`n・´)
私ハタダ前ニ、、」
一切ぶれることなく
歩を刻むキックス。。
4キロ通過は11分55秒。
中間点を過ぎてなお
キッチリと刻み続ける
先頭集団との差を
5秒詰めて40秒とした。
彼の後ろには誰もいない。
(・.・;)
優勝を狙えるのは既に
上位4校に絞られた
言ってええやろう。。
そしてここで…
ラインに動画が上がった。
キックスは…
「この選手…(・c・;)
真っ直ぐないい顔だ。。
どんな人生を歩めばこの
表情ができるんだ??」
「…人生もありますが…
それ以上にキックスが
大きいんです。。」
「…というと??( ゜n ゜)」
「だってアイツには大きな
目的がありますから。。
今とか自分とかチームとか
では見失わないくらいに
遥かに先を見据えて…」
「…だから…(;'∀')
目線が真っ直ぐなんだ。」
「…そう。(・v・;)
おそらく今も目線の先は
もう目の前にはない。
モノの喩でもなくです。」
たしかに喩えではない。
(・c・;)
四キロ通過時点で情報は
入っていたから。。
先頭集団がバラけた。
(`・ω・´)
序盤にオーバーペースを
していた門大北場が
四キロ地点手前で脱落。
すでに先頭から10秒ほど
遅れてしまったいると…
それを最も気にするのは
次に控える赤阪で、、
「5キロ地点!!<`v´>
キックスが三位にいる
北場を捉えるぞ!!」
『お兄ちゃんご機嫌だね。
(・.・;)
これで三位に上がったら
責任も重くなるのに…』
「…関係ない。(; ・`v・´)
百合もキックスの表情を
もっとよく見てみろ。。」
『…この動画のこと??
表情を見るの?(・n・;)』
「…よく見なって、、
それが戦う覚悟を持った
男の目だとボクは思う。」
『…たしかに…(゜c゜;)
じゃぁ次はお兄ちゃんも
こんな表情になるって
言うの??』
「……なりたい。(-v-)
もしこんな顔になれたら
ボクはきっと、、」
『…きっと??(・_・;)』
赤阪はそれ以上を答えず
静かにうなずいた。。
だが…その背中からは
はっきりと分かる。。
戦う漢の覚悟、、
(`・ω・´)
その赤阪にタスキが
繋がれるまでもうあと
9分を切った。。
一方でそのタスキを
繋がんとする誰よりも
真摯なこの男は、、
「くそ…前半飛ばし過ぎた…」
「…(; ・`n・´)」
「…こ…この区間に留学生
とは卑怯な…<;`c´>」
「……(; ・`n・´)」
一瞥もしない。。
脱落した門大北場に
チラとも目を向けない。
追い縋ろうとする選手を
一切振り返りもしない。
目線は前、(; ・`n・´)
6キロを通過した時点で
先頭集団との差は…
36秒。約200m、(;'∀')
タスキを受け取ってから
およそ50mを縮めた。。
そして…残り二キロ。
もう潰れる心配は薄い。
ここまでペースを守って
きた選手にとっても、
体調を見ながら走りを
変えてもええ頃合い。。
だからか…(;´゜д゜)
7キロ地点の報告では…
「せ…先頭集団がペースを
上げたそうです。(・c・;)
6キロから7キロまでを
2分54秒でカバーして…」
「…なんだと、(;´゜д゜`)
それはたしかか千林、、
ここにきてキロ6秒も…」
「…さすが西風と逢坂…
そこまで余力が残ってる
とは想定外だぞ、、」
「…そうだな。(・c・;)
これで三位の天下茶屋は
かなり苦しくなる、」
「…続報です、(・c・;)
三位の天下茶屋が通過…
先頭の差は6キロの時点
よりも5秒ほど、、」
「5秒も!?(;'O')
ここでのそれは致命的。
天下茶屋の特集は…」
「……詰めました、、」
「…へっ?(。゜O゜)?」
「キックスは…(;'∀')
この一キロ2分49秒で
カバーして、、」
「う…ウソだろ…(;゜∀゜)
競技経験半年の17歳が
そんなことって、、」
これがキックス、
(;・∀・)
身体能力に優れた民族で
あるを差し引いても
有り得んポテンシャル。
それを支えるのが…
真っ直ぐな精神。。
そしてこの時計こそが
天下茶屋を更なる士気を
もたらす起爆剤。。
特にその思いを直接
受け取る位置にいる
この男は、、
「じゃぁ…(`・v・´)
そろそろ行くか、、」
『…頑張ってきてね。。
お兄ちゃん。(;'∀')』
「…なんだよ今更…」
『…いい顔してるよ。。
キックスさんに負けない
くらいに、(;・v・)』
漢の顔を携えて…
(;・∀・)
天下茶屋の五区・
赤阪千早は招集所に
向かった。。
顔は男の履歴書。。
(`・ω・´)
戦う覚悟を決めた男は
いい顔をします。




