158 天下茶屋の襷だけ
第三区の終盤に異変。
(´゜д゜`)
先頭集団にいたATC高校
ナンコウ選手、、
アクシデントです。。
「…あっ、(´゜д゜`)
これもしかして…」
「…行ケ!!GO!!
構ワナイデ…(;O;)」
ここでいきなり…
ATC高校が脱落。。
(;O;)
もちろん経験豊富な
泉にはわかる。。
これは多分…
棚落ち、(;゜Д゜)
競技続行はおろか
選手生命さえ危ぶまれる
ホンマの一大事。。
あの放出の不幸な事件は
きっとこれと同じ…
けどスタッフの少ない
高校駅伝府大会では
救護も罷りならん。。
もちろん泉が手を貸す
ことはでけん。。
(`・c・´)
せやから…
「…スマン…( ;Д;)
きっとアンタの分も…」
「……(;n;\)」
それが…精一杯。
泉がナンコウ選手の分を
頑張ったところで
何もならんのは道理。。
けどそれしか…
(・_・;)
一方で沿道からは…
『…泉ぃ!(; `c´)ノ』
『頑張れぇ!!
男なんかに負けるな!』
声援を送ってるのは
泉のクラスメートたち。
(;´・ω・)
普段は女同士やけど現実、
彼女たちは自転車でも
泉の走りに並走すること
さえできない。。
その力強ささえ応援して
くれる有難い友人たち。。
そんな自分を…
男子黒人留学生を相手に
激走できる男を普通に
女生徒として扱った上で
友達でいてくれる。。
そんな彼女たちの前で…
無様は見せられない。。
(`・ω・´)
こんな男を応援して
もらえるのなら…
少しでも上等な男で
あらんとするのが道理。
そのあたり泉は誰よりも
漢前な女子高生である
わけであって、、
できることをやるしか
自分の気持ちにさえ
解決は見られない。。
他人に示すなど
それ以上に難しい。。
それを誰より解するのは
やはりこの男であって…
『キックスくん…(´゜д゜)
つまりナンコウ選手は
故障したってこと??』
「…多分…( ・n・)
ケド私ハ何モデキナイ、」
『…けど!?( ;`c;´)
キックスくんは彼と
同郷の友達なんでしょ!?
何とも思わないの!?』
「今ハ…関係ナイ。(`-n-)
すたーとマデ時間ナイ…」
『…わかるけど…(・c・;)
それって冷たすぎない??』
「私ハ全力デ走ルダケ、、
タダ…ソレダケ。(`・ω・)」
『それは…何のため??
自分のためかそれとも…』
「…多分ソレ…(-v-;)
自分ニハワカランデス。。」
『わから…ない!?(;`O´)
チームのためでしょ??』
「…私ハ全力デ走ルダケ、、
ソレドウ感ジルカハ皆次第。
仲間モ友モ恩人モ…
ちーむガ勝ツ負ケルサエ
自分ハ決メラレナイ。。」
『…つまり…(・c・;)
励ましも慰めもない。。
自分は頑張りを見せるから
あとはそれを見て其々が
判断すればいいと…』
「ハイ私…迷ウノ止メタ。
何カノタメ頑張ルジャナイ。
タダ前ヲ向イテ走ル。。」
かっこ…良すぎる。。
(・_・;)
仲間のためチームのため
友のためファンのため
お世話になった人のため。
それで頑張れるのなら
それに越したことは
ないけどそれはつまり…
押し付け。(・.・;)
自分の頑張りをどう
感じるかの押し付けに
なりかねんこと。。
元気の押し売りとさえ
言われかねんこと、、
だけど…
キックスは違う。
(`・ω・´)
彼の目的はあくまでも
母国の平和の礎、、
普通のスポーツ選手が
ファンに魅せる範囲など
比較にさえならん。。
とはいえキックスが
走ったくらいで何かが
変わる問題やない。。
エンターテイメント性は
まったくの皆無。。
それを見て何かを感じて
もらえるとも限らん。。
まして…(;´・ω・)
結果に一切の言い訳は
することさえでけん。。
それでも…
「…任セテ、(; ・`v・´)
私ハ負ケナイカラ。。
ソノ覚悟ダカラ……」
『…わかった。(;'∀')
けどなぜそこまでの
決意ができたの??』
「…ダッテ私…(;´・v・)
助ッ人デハナイ。
傭兵デモナイ天下茶屋
仲間デハアルケド…」
『…けれど??(・.・;)』
「…友モイル。(-v-;)
一緒ニ走ル人タチミンナ
頑張ッテル同ジ。。
ダカラ争イ負カスハ
本意デハナイデス。。」
『…分かるよ。(;'c')
それがキックスくんだ
とも思うけど今は…』
「…ダカラ私…(; ・`v・´)
前ダケ向クコトニシタ。
天下茶屋ノ襷ダケ…
ソレダケニ走リマス。」
『…参ったよ。。(;-v-)
もし私があの時…
それだけの決意ができて
いたのなら。。』
…かもしれん。(;´・ω・)
今だけ自分だけチームだけ。
そういう狭い発想でなく
さらに純粋な思いがあれば
もしかしたら遥も放出も
あんなことには、、
そしてワシ自身も…
そのうちに…
「…6番と21番、準備して。
続いて13番も。。」
先頭が見えてきた。
第三中継所…(・_・;)
最初にコールされたのは
一位の逢坂と二位の西風、
これに少し遅れた三位には
門大北場が付けてる。。
四位は…まだ見えん。
ATCは脱落したらしい。。
(/ω;\)
その差は如何に…
と思った刹那、、
「…22番!!( `・c・)
そろそろ準備して。。」
「…ハイ、(`・ω・´)
私…天下茶屋デス。。」
「…これは…(;'v')」
「…(;´・ω・)??」
これは…(・.・;)
係員にさえ興味を惹かれる
展開になったんやな、、
アフリカ人留学生三人が
先頭を争う三区を終え、
ここからは日本人同士の
争いになる思いきや…
四位の天下茶屋がこの
四区にアフリカ人を起用。
(/・ω・)/
…周囲がざわつく、、
タスキを待つ上位三校の
四区…日本人選手たちは
冷や汗を以てキックスに
視線を向ける。。
三区でアフリカ人留学生が
日本人に大差をつけて
逃げ切るのが現代の
高校駅伝の戦略の基本。
だが次の四区に留学生を…
大差をひっくり返す大砲を
据えられるというケースは
想定されていない。。
とはいえ…
『…気にしないで、(*'c')
だってキックスくんは
語学留学生だから。。
走りは日本人と同程度…』
「……関係ナイデス。。
私ハタダ懸命ニ走ルダケ。
ソレ以外ハデキナイ。」
『けど…周りは緊張して
くれてるから、、
そこを上手く使えば…』
「…騙シ討チシナイ。
正々堂々ト走リマス。
ケド…(`・ω・´)」
『…けど??( ゜c゜)』
「私ハ…勝ツヨ、(*'ω'*)
自分ニモ何ニモ負ケナイ。
ソレダケ…誓ウ。。」
これがキックスの…
(・.・;)
平和のために戦う漢が
出した答なんやな。。
誰のためでもない。
誰と争うでもない。。
自分に勝つために走る。
その姿を見せるだけ。
見る者が何を感じるかに
恣意は一切ない。。
だからやろう、(・_・;)
上位三校が通過しても
一切の泰然自若。
見据えるのは仲間だけ。
自分たちの襷だけ、、
そのタスキは…
泉は…耐え抜いた。。
(`・∀・´)
仲間のため友のため
敗れた強敵のため…
そして何より…
自分自身のため。。
後半に強い白兎は
一度は崩れた走りを
精一杯に立て直し
最後の一キロを、、
2分58秒で纏めた。。
身体を投げ出して
襷を繋ぐ泉、、
力強くその襷を
受けたキックスは
その視線を前に
向き直す、、
(; ・`д・´)
アフリカ人ならでは
でない視力1.5の
キックスにあっても
一切の問題はない。
先頭まで…45秒。
まだおよそ250m、、
天下茶屋の目標は
まだ見えてる、、
まだ…射程圏内。。
アスリートがその戦う姿を
見せるのは誰のため??
はたまた何のため??
(´・ω・`)
それは見せる側が決める
ことではない。
訴えることでもない。
その姿に何を感じるか…
決めるのは見る側です。




