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都大路の風になれ - 不器用な出来たて駅伝部の全力疾走。。  作者: ふみた
勝てば都大路…大阪府予選スタート。
158/240

157 切らすな

高校駅伝男子大阪府予選。


留学生だらけのこの第三区で

先頭集団を捕らえる快走を

魅せるは史上最速の女子高生(?)。


MtFの佐野泉。(;'∀')


やけど雲行きが怪しくて…



「…ヤハリ…(;'v')

 ホボ予想通リニ来タ。

 ATCノなんこう選手。」

「えっ…誰??(・O・;)

 アイツどっから??」


「…奴ハおーばーぺーすデ

 来テルハズ。(`・ω・)

 引キ付ケテ潰ス。。」

「…何??(´゜д゜`)

 聞いてないよぉ、、」



 ダチョウ倶楽部か、(=゜ω゜)ノ


 けどそんなことになる

 のが実情みたいや。。



 第三区は5キロを通過。

 タイムは…15分01秒。。

 (・へ・)


 留学生2人が引っ張った

 区間としてはイマイチ

 物足りん時計。。


 けどその影響で三位で

 スタートした天下茶屋の

 佐野泉が14秒を…


 同じく四位スタートの

 門大北場のエチオピア人

 も16秒を詰めて、、


 四人の先頭集団を形成。


 これは前半を出遅れた

 天下茶屋にすれば絶好の

 展開やった…はずが、、



「…上がった!?(・O・;)

 5キロ過ぎで先頭集団の

 ペースが急にか!??」

「…どういうことや放出??

 ちゃんと説明して!?

 (´゜д゜`)」」


「…多分…(; ・`n・´)

 先頭を走る留学生たちは

 待っていたんだ。。

 後方から来るであろう

 最も要警戒な選手を…」

「…そうかも…(;゜c゜)

 留学生は概して後半に

 強いからそこを溜めてた

 としたらおそらく…」


「…佐野…(; `;c;´)

 何とか耐えてくれ。。

 ここはなんとしても…」

「…泉…(;゜Д゜)

 ワシらが言うのも何やが

 三区でのブレーキは…」



 …致命傷になる。。

 (´・c・`)


 留学生だらけの三区は

 高校駅伝では最も

 戦いにくい区間であり…


 逆転不可能な状態で

 中間点を通過させられる

 区間とも言える。。



 けど逆にこの区間を

 粘りさえすれば…


 先頭を見据えられたまま

 この区間を乗り切れば…



 後半の戦力次第では

 まだ希望は繋げる。。

 (;`c´)ノ


 後半に強者(ワシ)(?)のおる

 天下茶屋にはその

 可能性がある。。


 …はずやけど…

 (・_・;)



 追い上げてきてるのは

 ナンコウ選手??


 …なんで??(・.・;)


 だってATC高校は

 地方予選ではあんだけ

 手を抜いた天下茶屋より

 遅れた四位やった。。


 ワシが言うのもなんやが

 ナンコウ選手の成績も

 区間二位やったはず。。


 いくら地方予選の成績は

 参考にならん言うても

 さすがにこれって…


 けど遥とキックスには

 思い当たることも…



『…そういえば友達から

 聞いたよ。。(・c・;)

 ATCは地方予選では

 力を抑えてたって…』

「…ハイ遥サン…(-v-;)

 特ニなんこうサンハ

 半分以下ニ抑エテタト

 本人ガ言ッテマシタ…」


『…半分!?(´゜д゜`)

 天保山先輩に圧勝して

 半分以下なの??

 というか何故そこまで

 抑えてたの??』

「…アノ人…(・c・;)

 私ニダケ言ッテクレタ…

 内緒ダケド実ハ、、」



『こんなところで内緒話

 って何や!?(=゜O゜)ノ

 というか…放出先輩と

 同じってどういう…』

「…全力デ走ル…

 何度モハデキナイ。

 ダカラ今日ダケ全力…

 ト言ッテマシタ。。」


『…!?(´゜д゜`)

 もしかして他の留学生は

 そレを狙ってわざと

 スローペースで展開を…』

「…遥サン、(`・ω・´)

 今ノハクレグレモ

 ココダケノ話ニ…」


『できるか!!(; ・`c・´)

 みんな事情を知っていて

 なんて酷いことを!?』

「…ケドソレガ…

 傭兵ナンダソウデス。。」



 助っ人…傭兵。。

 (´・ω・`)


 たかが高校スポーツに

 さえ使われる言葉。。


 私立高校が学校名の

 宣伝のため雇い入れる

 外国人留学生。。


 もちろん本人たちにも

 大きなメリットは

 あるんやけど実態は…


 あくまでビジネス。。


 チームに馴染んで

 仲間と勝利を喜んで

 そのまま日本で

 選手として大成する

 者もおる一方、、

 (・_・;)


 使い捨てにされる者も

 少なくないとか。。


 

 けどそれでも当人に

 半端は許されへん。。


 助っ人としてチームに

 携わる責任たるや

 軽いモノでないはず。


 せやからその走り…


 半端でないのは凡そ

 当たり前のこと、、

 (´゜д゜`)



「…くっ、(;゜Д゜)

 ここで急に来る!?」

「…失敬、(-v-;)

 ダガコレガ我々助ッ人

 留学生ノ仕事ダ。。」


「けど…(; ・`д・´;)

 ワシかて助っ人や…」

「…ソレ…(;´・v・)

 現実トハ違ウヨ。。」


「…現実!?(; ゜c゜)」

「悪イナ日本人やぱーな

 コレガ助ッ人ダヨ。。」



 …泉が…(・O・;)


 あの佐野泉が一瞬で

 置き去りにされた!?



 序盤5キロを15分01秒

 というスローペースで

 入っていた先頭の

 西風と逢坂が同時に

 ギアチェンジ。。


 これに呼応したのが

 泉とほぼ同時に先頭に

 追い付いた門大北場。


 この三校の選手…


 いずれもアフリカ人の

 留学生たちが急速に

 スピードを変える。。


 これが…留学生。。


 後半に力を溜めてた

 黒人選手の爆発力。。



 これはさすがの泉にも

 想定外やったらしい。。

 (/ω;\) 


 一瞬で離されて体勢を

 直さんとした刹那、

 その横を猛スピードで

 抜き去って行くのは…


 ATCのケ二ア人留学生

 ナンコウ選手、、


 地方予選でワシが負けた

 時とさえ比較にならん

 エゲツナイ速さ。( ゜Д゜)


 泉は…(;´・ω・)

 二度体勢を崩された。


 中間点を過ぎての

 この崩れは致命傷に

 なりかねん。。 


 そして6キロ地点での

 報告では…



「先頭集団4人、、

 泉とは…12秒差!!」

「…12秒!?( ゜Д゜)

 泉かってこの1キロは

 3分ジャストやぞ。。

 それをその間だけで

 そんな離した!?」


「あとそんな集団に…

 ATCは追い付いた!?」

「…そんな強いんだ…('c')

 そりゃ天保山がやられる

 のも納得だな。。」


「…スマンな放出…(-_-;)

 けど泉はどうなる??」

「…厳しいよ、(;´・ω・)

 留学生は予想以上だし

 そもそもアイツは…」



 そう…(;´・ω・)

 そもそも泉はMtFとか

 助っ人とか以前に…


 中距離走者。(・_・;)


 練習中でも適性距離は

 だいたい5キロまで。。


 8キロ区間への適性が

 ワシらに比べたら

 今一つなんや。(-n-;)



 とはいえ…(・.・;)

 粘ってはおる。。


 泉のペースは落ちてない。


 留学生たちにしたって

 さすがにこのスピードは

 只事やない。。


 この調子で粘ってれば

 きっと戦える差のままで

 四区以降に繋げる。。


 落ちたランナーを拾えば

 順位をも上がるかも、、


 けど現実は…



「先頭が7キロ地点通過、

 20分…34秒!?(; ゜c゜)」

「はぁ!?(;゜Д゜)

 この1キロを2分45秒!??

 いくら勝負所でも有り得ん。

 誰か潰れてまうぞ!!」


「…それだけ前半を抑えて

 いたということだ、、

 だが佐野にも余力はある。

 粘ってつければまだ…」

「…泉のタイムは…(;c;)

 先頭と35秒差、、」


「泣くな天保山!!(;`・c・)

 ラップは…3分08秒!!

 そこまで落ちてないぞ…

 先頭はまだ見えてる!!」

「…けど…(/;O;\)

 このままやと…」


「…たしかに厳しいが…

 俺はもう祈るしかないが、

 天保山はまだ戦える!!

 その気持ちだけは絶対に

 切らすんじゃない!!」

「……( `;c;´)、、」



 そう…や。<`ヘ´>


 ワシらはまだ戦いの

 最中なんやから。。



 ならば…切らすな。

 (`;n;´)

 襷が切れる前に仲間が

 気持ちを切らすな。


 途切らせる哀しみの

 重みは知ってる。。

 いや…知らされてる。


 そんな仲間なら…


 泉なら必ずその全力を

 注いで最小限の差で

 繋いでくれるはず。。


 戦う権利を残したまま

 繋いでくれるはず。。


 

 …やけどそんな泉が

 7キロを通過後して

 暫くで見たものは、、



「…えっ!?(;゜c゜)

 どういうこと??」

「……見ルナ…<`;c;´>

 ぼくハ…ぼくハモウ…」


「ま…まさか…(;゜c゜)」

「……行ケ…<`;ヘ;´>

 ぼくニ構ワズ行ケ、、」



 これ多分…(;゜Д゜)

 放出と近しい症状。。


 苦悶の表情で膝を抑え

 泉とは100m以上もあった

 差を一気に詰められて

 抜かれていくのは…



 さっきまで元気一杯

 だったはずの…


 ATCのナンコウ。。

 (;c;)



先頭集団から遅れた自責の念を

一身に背負う泉。。


けど目の当たりにしたのは

それ以上に重い責任、、


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