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都大路の風になれ - 不器用な出来たて駅伝部の全力疾走。。  作者: ふみた
勝てば都大路…大阪府予選スタート。
157/240

156 異人の区間

二区・能勢の快走で

三位に浮上した天下茶屋。

(;'∀')

留学生だらけの三区に

登場するのはエース。。


最速のMtF 佐野泉。。



「…能勢!(*^O^*)/

 おめでとう能勢!!」

「…なにが??(;・O・;)

 南方は何を興奮して??

 俺が何をしたの??」


「もう…ほぼ確定だ!!

 区間賞だぞ!!(*^O^)ノ」

「…そうか…(;´・v・)

 それより先頭とは??」


「…せ…(・.・;)

 先頭の西風とは14秒。。

 二位の逢坂とは13秒…」

「……そうか、(-c-;)

 頑張ったつもりだったが

 思ったより泉に残して

 しまったんだな。。」


「…能勢お前…(´゜д゜)

 何が不満だと言いたい!?

 三位に上がったぞ。。

 しかも区間賞を獲って…」

「…不満なんてないよ。。

 個人的な嬉しさはあるが…

 不安は残しちまった。。

 できれば先頭を捕らえて

 から泉に…_(._.) 」


「……わかるが…(;'n')

 それに泉なら大丈夫だ。。

 アイツに勝てるヤツなんて

 そうそういるわけが。。」

「…けど…(;´-v-)

 この区間に限ればそうも

 言ってられんから。。」



 …そう、(;´・ω・)

 ここからは三区やから、、


 そりゃワシら日本男児から

 見れば泉は速いと思う。。


 いくら本人が女子やとか

 大和ナデシコを自称しても

 それは物凄い異形かつ…


 史上最速の女子高生。(-ω-)


 未来永劫更新されないで

 あろう奇異な肩書きを持つ

 天下茶屋のエースやけど…



 ここは…異人の区間。

 (・_・;)


 今や駅伝では常識となった

 圧倒的な外国人パワー。。


 その戦力が集中するのが

 高校駅伝ではこの三区。。


 当然その…(;´・ω・)



『うわ!?(´゜д゜`)

 片仮名ばっかりって…』

「なにが??(;´・ω・)

 難波は何を驚いて??」


『…三区のメンバー表…

 片仮名が6人もいます。。

 天下茶屋以外の上位校は

 ほとんど、、(・c・)』

「…ウソ…(/・O・)/

 大阪はもうそこまで

 キラキラネーム??」


『…ちゃいます!(-c-;)

 おそらく泉の周りは

 ほぼ全員が…』

「アフリカの出身!??

 ってことは…(´゜д゜)」



 そりゃそうです。

 (;´・ω・)

 片仮名の珍名さんなんか

 どうでもええです。。


 けど名前を見ればそれが

 アフリカ出身である

 ことは凡そわかります。


 そして程度の違いはあれ

 彼らのほとんどは…



 日本人より速いです。

 (´゜д゜`)

 

 けどその中に交じって

 泉はどうなったか言うと…



「…すっす。はっは。。

 何や調子ええな…(;-∀-)

 三区は長丁場やから。。」

「…日本人ヤパーナ…(´゜д゜)

 コノ小サナ体ノドコニ

 コンナすたみなガ??」


「これ…ありかな。(;'∀')

 ウチみたいな異形は

 異人さんを相手に

 戦うのがええのかも…」

「…OK。。(; ・`v・´)

 キミガ何ノ異形デモ…

 ボクダッテ負ケマセン。

 ソレ留学生ノ仕事。。」




 先頭を走る西風の三区は

 一年生のアイタム。

 ケ二アからの留学生。

 (・へ・)


 これに並ぶ二位の逢坂も

 タンザ二アからの…


 そして泉と並走するのが

 四位でタスキを受けた

 問大北場の留学生…

 工チオピア出身。

 (-c-;)


 地理の授業を想わせる

 アフリカ国名連発という

 強敵が並ぶ中で…



 その黒人選手相手に

 絶好調を自覚する泉は

 なんと…


 先頭集団を追走中。。

 (`・ω・´)


 タスキを貰った時点で

 14秒あった先頭の差は

 1キロ通過時点で…


 9秒差に縮まったらしい。

 (・.・;)


 二キロ地点から入った

 連絡では更に詰めて、、



「これ…先頭に追い付いて

 しまうかも。。(・c・;)」

「…佐野は凄いな。(;'∀')

 周りは黒人留学生ばかりの

 中であの小さな身体で…」


「…認めんの??(-c-;)

 たしか放出にとって泉は

 最大のライバルやと…」

「…関係ないさ。(-v-;)

 というか今の俺にとって

 アイツは多分…

 最大の理解者だよ。。」



 なんか分からんけど、 

 (・.・;)

 決して悪い雰囲気やない。


 一区のレベルが予想外に

 高かったこともあって

 予想より低い四位で

 スタートした天下茶屋が…


 先頭に並ぼうとしてる。

 (`・ω・´)



 ちなみに天下茶屋のすぐ

 後にスタートしている

 五位の興玉の三区は…


 …遅れた??(・c・;)


 というのもこの学校には

 留学生がおらんから。


 日本人を三区に起用する

 こと自体が不利なのが

 高校駅伝の常識。。


 日本人はここで遅れる

 のが常識やのに…



 あっという間に五位と

 30秒以上もの差をつけた

 泉はついに、(´゜д゜)


 そしてそのことに誰より

 影響を受けるのは多分

 次に控える四区の、、



『キックスくん!(;'∀')

 四キロ地点から報告よ!!

 先輩が…佐野先輩が…』

「…泉サンガドウカシマ

 シタデスカ?(・.・;)」


『…本当に強いよ。(;v;)

 ついに四人の先頭集団を

 形成したそうよ。。』

「…四人ノ…(´゜д゜`)

 強イ戦闘集団!??」


『…四天王ちゃうから。。

 (-c-;)

 もうそこまで来てるよ。

 いいから備えて…』

「…井伊カラ!?(◎o◎)

 先鋒ハ赤備エナノ!?」


『徳川四天王ちゃう…

 (;-c-;;)

 なんでそんなことだけ

 詳しいの この子は。。』

「戦闘集団来ナイ???

 …怖ク…(;c;)

 ナイノデスカ??」


『…怖くないよ。(-v-;)

 キックスくんはただ

 自分の走りをすること

 だけを考えて。。』

「……ハイ。(;n;)」



 相変わらず日本語…

 (-_-;)


 キックスの語学力は

 留学生としてはどうも

 成長不足やけど。。


 人間としては大きく

 成長してると思う。。

 (`・ω・´)


 日本では有り得ない

 辛いトラウマを持つ

 彼の日常とは…


 恐怖の連続。。

 (´・ω・`)


 スマホで視覚を防ぎ、

 音楽で聴覚を遮っても


 自分は安全と思える

 日本人とは違う。


 日常の全てに神経を

 尖らせることこそ

 キックスにとっては…


 生きる条件やったと

 ワシは思ってる。。


 そんな彼が安全すぎる

 日本で学んだと常々

 口にしているのは…



 自分以外のこと。

 生きる以外のこと。。

 (・.・;)


 自分が生きるだけで

 精一杯だった日常から

 抜け出したことで

 考えること即ち、、



 自分以外の幸せ。

 生きる以上の価値。

 (`・ω・´)



 自分らしさなんて

 小さなことにはもう

 関心すらない。。


 ただ漫然と生きる

 器ですらない。。



 よりよく生きるには…

 仲間を輝かすには…


 おそらくそれこそが

 彼が留学を志した

 切っ掛けかもしれん。


 母国の幸せのための

 一丁目一番地。。


 もしかしたらその

 礎を彼はもう…

 (・.・;)


 その中で…



「佐野が五キロ通過!!

 (;'∀')

 通過タイムは14分47秒。

 先頭集団は四人!!」

「…凄い。。(*'O'*)

 しかも時計は予定通り。。

 これはこのままで行って

 しまえるかも。。」


「おっ、('◇')ゞ

 天保山もそう思う??」

「…放出も??(*'ω'*)

 なら間違いないかも。。」



 たしかに…(・_・;

 泉は絶好調やと思う。


 けど…何かが不安。。


 きっと何かが足りてない

 ようにも思うからその…


 ここはワシらより冷静な

 第三者の立場を保った

 この人は岡目八目で…



「…けどこれ…(・.・;)

 足りないと思うぞ。。」

「…キャプテン。。(・c・:)

 なぜそう思います??」


「佐野くんがその時計なら

 それより前にスタートした

 西風のアイタム選手…

 15分以上もかかってる。」

「えっ??(´゜д゜`)」


「周りの三人はいずれも

 留学生だろう??

 8キロ区間でそのラップ…

 足りないと思うぞ。。」

「…たしかに…(・c・;)

 けど後半に備えてるのなら

 理由は何でしょう??」


「…おそらく…(`・n・´)

 まだ後方にいるんだ。。

 先頭集団が警戒する程の

 実力のある選手が、、」

「…それって…(´゜д゜`)」



 それ…(;´・ω・)

 エゲツナイほど思い当たる

 留学生が一人おる。。



 ワシにとっては思い出す

 のも心苦しい…

 恐らくこの区間で最速の

 実力者が、、、


 キックスの話によれば

 地方予選など腕試しやと

 豪語しててたらしい…



 ATC高校ナンコウ選手。


 ここにきてスタート時点で

 先頭とは50秒…


 泉とは36秒もあった差を

 一気に詰めて…



 先頭集団に入ってきた。。

 (; ゜Д゜)




予定通りのペースで

留学生と互角に調子よく

5キロ終えた泉。

(・_・;)


けど留学生たちの狙いは

実は…後半勝負。。




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