156 異人の区間
二区・能勢の快走で
三位に浮上した天下茶屋。
(;'∀')
留学生だらけの三区に
登場するのはエース。。
最速のMtF 佐野泉。。
「…能勢!(*^O^*)/
おめでとう能勢!!」
「…なにが??(;・O・;)
南方は何を興奮して??
俺が何をしたの??」
「もう…ほぼ確定だ!!
区間賞だぞ!!(*^O^)ノ」
「…そうか…(;´・v・)
それより先頭とは??」
「…せ…(・.・;)
先頭の西風とは14秒。。
二位の逢坂とは13秒…」
「……そうか、(-c-;)
頑張ったつもりだったが
思ったより泉に残して
しまったんだな。。」
「…能勢お前…(´゜д゜)
何が不満だと言いたい!?
三位に上がったぞ。。
しかも区間賞を獲って…」
「…不満なんてないよ。。
個人的な嬉しさはあるが…
不安は残しちまった。。
できれば先頭を捕らえて
から泉に…_(._.) 」
「……わかるが…(;'n')
それに泉なら大丈夫だ。。
アイツに勝てるヤツなんて
そうそういるわけが。。」
「…けど…(;´-v-)
この区間に限ればそうも
言ってられんから。。」
…そう、(;´・ω・)
ここからは三区やから、、
そりゃワシら日本男児から
見れば泉は速いと思う。。
いくら本人が女子やとか
大和ナデシコを自称しても
それは物凄い異形かつ…
史上最速の女子高生。(-ω-)
未来永劫更新されないで
あろう奇異な肩書きを持つ
天下茶屋のエースやけど…
ここは…異人の区間。
(・_・;)
今や駅伝では常識となった
圧倒的な外国人パワー。。
その戦力が集中するのが
高校駅伝ではこの三区。。
当然その…(;´・ω・)
『うわ!?(´゜д゜`)
片仮名ばっかりって…』
「なにが??(;´・ω・)
難波は何を驚いて??」
『…三区のメンバー表…
片仮名が6人もいます。。
天下茶屋以外の上位校は
ほとんど、、(・c・)』
「…ウソ…(/・O・)/
大阪はもうそこまで
キラキラネーム??」
『…ちゃいます!(-c-;)
おそらく泉の周りは
ほぼ全員が…』
「アフリカの出身!??
ってことは…(´゜д゜)」
そりゃそうです。
(;´・ω・)
片仮名の珍名さんなんか
どうでもええです。。
けど名前を見ればそれが
アフリカ出身である
ことは凡そわかります。
そして程度の違いはあれ
彼らのほとんどは…
日本人より速いです。
(´゜д゜`)
けどその中に交じって
泉はどうなったか言うと…
「…すっす。はっは。。
何や調子ええな…(;-∀-)
三区は長丁場やから。。」
「…日本人…(´゜д゜)
コノ小サナ体ノドコニ
コンナすたみなガ??」
「これ…ありかな。(;'∀')
ウチみたいな異形は
異人さんを相手に
戦うのがええのかも…」
「…OK。。(; ・`v・´)
キミガ何ノ異形デモ…
ボクダッテ負ケマセン。
ソレ留学生ノ仕事。。」
先頭を走る西風の三区は
一年生のアイタム。
ケ二アからの留学生。
(・へ・)
これに並ぶ二位の逢坂も
タンザ二アからの…
そして泉と並走するのが
四位でタスキを受けた
問大北場の留学生…
工チオピア出身。
(-c-;)
地理の授業を想わせる
アフリカ国名連発という
強敵が並ぶ中で…
その黒人選手相手に
絶好調を自覚する泉は
なんと…
先頭集団を追走中。。
(`・ω・´)
タスキを貰った時点で
14秒あった先頭の差は
1キロ通過時点で…
9秒差に縮まったらしい。
(・.・;)
二キロ地点から入った
連絡では更に詰めて、、
「これ…先頭に追い付いて
しまうかも。。(・c・;)」
「…佐野は凄いな。(;'∀')
周りは黒人留学生ばかりの
中であの小さな身体で…」
「…認めんの??(-c-;)
たしか放出にとって泉は
最大のライバルやと…」
「…関係ないさ。(-v-;)
というか今の俺にとって
アイツは多分…
最大の理解者だよ。。」
なんか分からんけど、
(・.・;)
決して悪い雰囲気やない。
一区のレベルが予想外に
高かったこともあって
予想より低い四位で
スタートした天下茶屋が…
先頭に並ぼうとしてる。
(`・ω・´)
ちなみに天下茶屋のすぐ
後にスタートしている
五位の興玉の三区は…
…遅れた??(・c・;)
というのもこの学校には
留学生がおらんから。
日本人を三区に起用する
こと自体が不利なのが
高校駅伝の常識。。
日本人はここで遅れる
のが常識やのに…
あっという間に五位と
30秒以上もの差をつけた
泉はついに、(´゜д゜)
そしてそのことに誰より
影響を受けるのは多分
次に控える四区の、、
『キックスくん!(;'∀')
四キロ地点から報告よ!!
先輩が…佐野先輩が…』
「…泉サンガドウカシマ
シタデスカ?(・.・;)」
『…本当に強いよ。(;v;)
ついに四人の先頭集団を
形成したそうよ。。』
「…四人ノ…(´゜д゜`)
強イ戦闘集団!??」
『…四天王ちゃうから。。
(-c-;)
もうそこまで来てるよ。
いいから備えて…』
「…井伊カラ!?(◎o◎)
先鋒ハ赤備エナノ!?」
『徳川四天王ちゃう…
(;-c-;;)
なんでそんなことだけ
詳しいの この子は。。』
「戦闘集団来ナイ???
…怖ク…(;c;)
ナイノデスカ??」
『…怖くないよ。(-v-;)
キックスくんはただ
自分の走りをすること
だけを考えて。。』
「……ハイ。(;n;)」
相変わらず日本語…
(-_-;)
キックスの語学力は
留学生としてはどうも
成長不足やけど。。
人間としては大きく
成長してると思う。。
(`・ω・´)
日本では有り得ない
辛いトラウマを持つ
彼の日常とは…
恐怖の連続。。
(´・ω・`)
スマホで視覚を防ぎ、
音楽で聴覚を遮っても
自分は安全と思える
日本人とは違う。
日常の全てに神経を
尖らせることこそ
キックスにとっては…
生きる条件やったと
ワシは思ってる。。
そんな彼が安全すぎる
日本で学んだと常々
口にしているのは…
自分以外のこと。
生きる以外のこと。。
(・.・;)
自分が生きるだけで
精一杯だった日常から
抜け出したことで
考えること即ち、、
自分以外の幸せ。
生きる以上の価値。
(`・ω・´)
自分らしさなんて
小さなことにはもう
関心すらない。。
ただ漫然と生きる
器ですらない。。
よりよく生きるには…
仲間を輝かすには…
おそらくそれこそが
彼が留学を志した
切っ掛けかもしれん。
母国の幸せのための
一丁目一番地。。
もしかしたらその
礎を彼はもう…
(・.・;)
その中で…
「佐野が五キロ通過!!
(;'∀')
通過タイムは14分47秒。
先頭集団は四人!!」
「…凄い。。(*'O'*)
しかも時計は予定通り。。
これはこのままで行って
しまえるかも。。」
「おっ、('◇')ゞ
天保山もそう思う??」
「…放出も??(*'ω'*)
なら間違いないかも。。」
たしかに…(・_・;
泉は絶好調やと思う。
けど…何かが不安。。
きっと何かが足りてない
ようにも思うからその…
ここはワシらより冷静な
第三者の立場を保った
この人は岡目八目で…
「…けどこれ…(・.・;)
足りないと思うぞ。。」
「…キャプテン。。(・c・:)
なぜそう思います??」
「佐野くんがその時計なら
それより前にスタートした
西風のアイタム選手…
15分以上もかかってる。」
「えっ??(´゜д゜`)」
「周りの三人はいずれも
留学生だろう??
8キロ区間でそのラップ…
足りないと思うぞ。。」
「…たしかに…(・c・;)
けど後半に備えてるのなら
理由は何でしょう??」
「…おそらく…(`・n・´)
まだ後方にいるんだ。。
先頭集団が警戒する程の
実力のある選手が、、」
「…それって…(´゜д゜`)」
それ…(;´・ω・)
エゲツナイほど思い当たる
留学生が一人おる。。
ワシにとっては思い出す
のも心苦しい…
恐らくこの区間で最速の
実力者が、、、
キックスの話によれば
地方予選など腕試しやと
豪語しててたらしい…
ATC高校ナンコウ選手。
ここにきてスタート時点で
先頭とは50秒…
泉とは36秒もあった差を
一気に詰めて…
先頭集団に入ってきた。。
(; ゜Д゜)
予定通りのペースで
留学生と互角に調子よく
5キロ終えた泉。
(・_・;)
けど留学生たちの狙いは
実は…後半勝負。。




