154 漢同士にしか…
先頭で帰ってくると予想されていた
一区の放出が脱落。、(´゜д゜`)
どこまで耐えきれる??
「は…放出が!?( ゜Д゜)」
「9キロ手前で集団を脱落!!
先頭とはおよそ15秒!!」
「なんで!?( ;`c;´)
アイツは追わへんね!?」
「…落ちつけ泉、(・へ・;)
暴れてどうする!!?
お前はもうあと10分程で
スタートだぞ。。」
「……分かった。(;´・c・)
もう大丈夫やけどその…」
「…何か問題??(・c・;)」
「…その、(#-v-#;)
胸は抑えんといて。。」
「あっ!?(/・O・;)/
決してそんなつもりは…」
何しとんねん、(-c-;)
というか泉の胸を触って
触られるってどういう??
今は…というか普通に
男同士やないの??
(´・ω・`)
…けど、、(・.・;)
それだけの動揺は分かる。
絶対的エースの脱落、、
先頭と15秒差とはいえ
現在第7位。。
留学生を大挙相手にする
三区の泉にすれば
追う展開は避けたい。。
もちろんそんなこと
放出だってわかってる。。
けど・・・
「ぐっ!!<`~´>」
突き上げるような鈍痛が
一歩一歩と襲い掛かる。。
(´゜д゜`)
壊れかけた膝というのは
簡単ではない。。
体重を受け流せない。。
全体重を真上から乗せる
以外の方法を取れば
一気に全壊しかねない。。
そこに一切の緩衝材は
存在しないかの如く、、
背骨を通して脳天まで…
駅伝選手が削り出す一歩が
今の放出にとっては…
地獄、、拷問。。
(:c;)
まるで重たいハンマーで
叩きつけられるかの衝撃が
上からではなく下から、、
それが残り一キロも…
けど…それでも、、
「拾え!!拾えるぞ!!」
「…は、はっ、」
「無理するな!!
体勢を崩すなよ!!」
「……<`;~;´>」
声なんかでない、、
けど体力はあるはず。
痛みを堪えさせすれば
もしかしたらまだ
追えるかもしれない…
けど、、
ペースは上げられない。
(`・ω・´)
今ここで無謀な賭けを
打つことはできない。。
自分の身体一つならば、
アスリートなら
いつでも壊す覚悟が
あるのは当然。。
けど一つ間違えたら
仲間の全てを
崩壊させる現実。。
(:n;)
常人は凡そ経験する
こともない痛みにさえ
耐えられる漢でさえ
その現実にはもう…
想像を絶する地獄。。
戦い切れないもどかしさ。
口惜しさ…哀しさ…
男前の放出に憧れている
女子には見せられない
全てを綯交ぜに苦悶する
歪み切った醜い表情、、
その中でも、、
今はレースの途中。。
戦いの真っ最中。。
先頭の西風の桃谷が
後ろを振り返った刹那…
二位にいた逢坂高校の
長堀選手がスパート、
( ゜Д゜)
中継所直前で逆転する
目まぐるしい展開。。
「21番!!6番!!
用意して…」
逢坂と西風の二区が
コールされた、、
(・c・;)
同じ場所で待機している
西風の扇町天馬主将が
二区の選手に喝を入れる。
そんなかでようやく
見えてきた放出は…
…拾う!??
(´゜C゜`)
先頭から振り落とされ
ペースを崩した先行を
二人ほど抜き去って…
5位に浮上!??
この男は…
なぜこれほどに…
「22番!!
用意して天下茶屋…」
「は…はい。(`・v・)」
「よし!!<`c´>
頑張れ能勢ぇ!!」
「ああ…(-v-;)
敗けられねぇよな…」
あれ??( ゜Д゜)
天馬の真似をして
主将として喝を入れた
つもりがなぜ…
能勢の方が冷静??
(・へ・)
覚り切ったかのような
平常心って??
「…俺は…(-∇-;)
この駅伝が初めてなんだ。
こうやって前の走者を
待つってのは。。」
「…たしかに、(・n・;)
能勢は短距離リレーでも
いつも一走やったな…」
「…初めてだよ、(;'v')
これまではただの綺麗事
だとさえ思ってた、、」
「…なにが??」
「前の走者から気持ちを
受け取る。。(-v-;)
そんな夢見事が現実の
自分に訪れるなんて…
なんか信じられないよ。」
「…けど…(;´・c・)
あまり入れ込んでも…」
「心配するな部長、(-v-;)
気持ちは昂ってはいるが…
不思議なくらい冷静さ。」
「そういう…こと??
(´゜c゜`)」
これが…能勢豊。。
心は熱く気持ちはクール。
その信条は滅私奉公。
自分の心よりもあくまで
チームの勝利が優先。
(;・n・)
だからこそ今この状況
にあっても冷静。
の目の前では…
先頭が通過!
先頭は逢坂の長堀!
秒差なしの2位には
西風のルーキー桃谷。。
タイムは29分34秒、、
(´゜д゜`)
全国でもトップレベルの
タイムを出したのに…
秒差なしの結果に不満の
言葉を並べる長堀。。
涙ながらに謝罪の言葉を
並べるだけの桃谷…
これが…駅伝の一区。(゜o゜;;
全てが終わるまでは満足も
喜びもない途中地点。。
そしてその先に見えるのは…
「放出!!<`C´>」
「…(;゜д゜`)」
「もうええから!!
最後は…絞り出せ!!」
「…(; ・`д・´)!?」
「骨は拾ぅたる!<`д´>
だから…悔い残すな!!」
「…能勢のヤツ…(;-∀-)
残酷なことを言うね、、」
わかる…んやな。。
(´・ω・`)
能勢には放出がなぜ
痛みを抱えたまま
解放できない思いを
持ち続けたままか…
自分のことで精一杯の
この状況でさえ、
自分が一番ではない
漢同士にしか分からない
感情なんか知らん。。
ワシには…
多分の二人にしか…
そしてその刹那、、
上がった。(´゜д゜)
愚直に…直向きなまでに
最後まで三分ペースを
守り続けた放出がここで
最後の力を絞り出す。。
大量の脂汗…(;O;)
堪え切れぬ涙の中で、
僅かなりともの、、
たった2秒を削り出す
最後の足掻き。。
そしてまた一人…
( ;`д:´)
順位をまた一つ上げると
右手を目一杯に伸ばし、
倒れ込むように
駆け込んできた放出京喬。
奪い取るようにタスキを
受け取った能勢豊。
その表情は…
決意に満ちていたように
ワシには思えた。。
一方で放出京喬。(;c;)
最後の抵抗のおかげで
タイムは29分58秒。。
トップと24秒差…
4位は予定外とはいえ
限界を超える痛みを
耐え抜いて見事目標を
達成したのに…
「……すまない。。」
「…(;´;n;)」
その一言だけ。。
全力を尽くせない
口惜しさ以上に、
全力を尽くさなかった
自身の不甲斐無さ…
そこに一切の
申し開きはない。。
これが漢の最低限。
そう言わんばかりや、
(;´・ω・)
けど現実の放出は…
もうボロボロ、、
痛みからの解放か…
それともさらに心に
傷を増やしたか。。
大阪の王者として
君臨していた
かつての凛とした
姿はそこにはない。
(;c;)
終わらせられない。
( ;`n:´)
遅ればせながらの
感情が沸き立つ。。
この漢の覚悟を…
全てを尽くせないまま
終わらせたらあかん。
そしてその感情は
既にこの男には
伝番している。。
その直後に入ってきた
二区・能勢の一キロの
通過タイムは…
「…入りが…( ゜Д゜)
2分39秒!??」
「む…無茶苦茶だ!!
(´゜д゜`)
このままなら3キロを
7分台のペースだぞ。」
「能勢のヤツ…(・.・;)
まさか気負った??」
「…かもしれん。。
だが多分それ以上に…」
恐れていたこと、、
(;´・ω・)
天下茶屋の二区・
能勢豊は…
不器用なスプリンター。
長距離種目一年目。
(・n・;)
ペースを作ることは
おろか走行中には
時計も見れない。。
元よりその戦術は
とにかく前半を飛ばし、
その後は気力だけで
保ち続けるという、、
不器用すぎる方法。。
(/・n・)/
さらに気負った能勢の
目の前にあるのは…
背中。(´゜д゜`)
三位の選手を捉え、
更にハイペースを保ち
続けて気が付けば、、
スタート時に24秒あった
先頭までの差は
一キロ通過時点で…
(´゜д゜`)
…12秒!?(´゜д゜`)
完全に射程内に
見えてきたってその…
「…くっ、(/n;\)
やはり俺のせいで…」
「…放出のせいやない。。
だがこれは、、」
どうなる??
(´゜д゜`)
今さら指示は出せない。
想定外のハイペースで
入ってしまった能勢…
残り二キロはおそらく
短距離走者にとって…
未知の領域、、
熱い思いを受け取る。
(`・ω・´)
スポーツではよく聞く言葉
ではあるが現実は甘くない。
限界を超えてからの粘り…
それ即ち駅伝の真骨頂です。




