151 最初からそのつもりで…
レース直前。
もう全員が顔を合わせる
こともない。。
天下茶屋駅伝部は…
其々の中継点に散ります。
「じゃぁ…先に移動するから。
(`・ω・´)」
「ああ。(`・c・)
ここから先は…」
「ラインは送るから。。
意思伝達はできるはずさ。」
「ワシ…(;´・ω・)
イマイチ操作がわからん…」
「…キャプテン、(;´・ω・)
そこも含めて頼みます。。」
「…わかった赤阪…(-v-;)
成長したと思ってたのに
その辺は相変わらずみたい
だな、天保山は。。」
高校駅伝大阪府予選
スタート直前。。
(`・ω・´)
各区間を走る選手たちは
其々のスタート位置に
移動していく。。
なお移動手段はバス、
大会側が用意したバスに
各校のランナーと
スタッフが乗り込む。。
とはいえ…(;´・ω・)
乗れる人数は限られる。
選手以外のスタッフやら
付き人やらを乗せたら
定員オーバーは必然。。
せやからバスに乗れる
付き人は選手一人に
対して一人だけ。。
この制約は部員の多い
名門高も辛い。
他の付き人は各自で
現場入りやけど…
(;´・ω・)
天下茶屋のような
弱小校も困る。。
なにせ他の中継所と
兼務がでけんから。。
(´・ω・`)
それで誰の付き人に
誰を付けるかも
大事になるんやな。。
ちなみに付き人には
陸上経験者が適任。
(・.・;)
そこで元陸上部員の
ワシ・赤阪・能勢には
駅伝部外の陸上経験者を
手配することになった。
それで元陸上部でない
連中には駅伝部の
控えを付けることに…
「だから俺の付き人は
西中島か…(´・v・`)
今日はよろしくな。。」
「ああ。(;´・v・)
陸上経験の浅い浜寺には
経験者の俺が適任だと
いう判断らしい。。」
「…有難いよ。(;'∀')
西中島はアップにだって
付き合える走者だし…」
「…嫌味かよ、(-c-;)
まぁこの太った身体で
付き合ってみるさ。」
「…けどそれなら…(・c・;)
なぜ南方が泉に付くの?」
「…仕方ないよ、(-v-;)
三区は重要区間だし
それに加えて、、」
「…なるほど、(;'∀')
南方がワシの付き人とは
適任者かもしれん。」
「…まぁな、(´・v・)
泉は注目選手だから。
まして今のお前は…」
「…それで…(;´・v・)
アップはできるの??」
「…悪いな。(;´・ω・)
まだリハビリ中だ。。
アップは一人になるが
泉はベテランだから…」
「…わかった、(;'v')
一人で注目されるんには
慣れてるから。。
男の姿なら奇異な目では…」
「…正直…(;´・c・)
性的な部分は俺には理解
できないところはある。
俺ができるのはあくまで
防波堤の役割だから…」
「…有難い、、(-v-;)
こんな難題を任せれるん
他にはおらんわ。。」
「…頑張るよ。(;'v')
泉が万全で走れるよう
できる限り精一杯…」
まず…(`・ω・)
陸上経験の浅い浜寺には
アップに付き合える
元陸上部員の西中島を、
注目選手かつ普段と違う
男の姿でレースに臨む
泉には元陸上部員で
人格者の南方を付けた。
文句の付けようのない
ところやと思う。
では元陸上部でない
残り二人はその…
(;´・ω・)
「…すまほらいん??
ドウ使ウノ??(・c・;)」
『…あれ??(;'∀')
キックスくんはスマホを
使ったことない??』
「…少シシカ。。(;´・ω・)
ぱそこんハ使エマスケド
すまほデ日本語入力ハ
マダデキナイデス…」
『…昭和だねぇ…(-v-;)
日本語は上達したのに
まだ不便はあるのね…』
「…唱和??(・.・;)
乾杯ノコトデスカ??」
『……前言撤回、(-c-;)
とりあえず勝ったら
キックスくんが乾杯を
音頭してもらうね。。』
「勝ッテ…完敗?(・n・)?
音頭トハ河内音頭シカ。。
♪エぇーサぁテワ~、、」
『…まあいいから。(-v-;)
今はレースに集中して…』
キックスに付き人には
遥が付いた。(・v・;)
なにせ遥は二年生やけど、
陸上経験は誰より長い。。
その遥を経験の最も浅い
キックスに充てるのは
道理やと思う。。
相変わらず娯解釈の多い
キックスやけど最近は
同期の遥との関係は良好。
まぁ元々が善人同士やから
そりゃそうなる。。
人間的にも成長途上や。
とはいえ…(-c-;)
キックスの日本語力は
成長イマイチみたい。。
留学生の成果としては
駅伝以外は今ヒトツ??
スマホも使えんとか、、
まぁワシの他人のことは
言えんけど遥には
21世紀女子の適応力で
サポートしてほしい。
_(._.)_、、
そして残りは…四人。
けど実質は三人。
だって二区と七区だけは
スタート地点が同じ場所
になってるから。。
その能勢とワシを一人で
担当してくださるのは…
「キャプテン…(・c・;)
宜しくお願いします。」
「…おいおい、(-v-;)
俺はもう主将じゃないぞ
天保山部長さんよ。。」
「…せやけど、(´・ω・)
ワシらずっとその…」
「まぁ…呼び方はいい。。
けど天保山部長はもう
俺なんか超えてるぞ。
地区予選も突破できない
情けない主将なんか…」
「…いやいや、(-ω-)/
そんな言い方ないっしょ
キャプテン。。
俺らはただ好き勝手…」
「…お前もだよ能勢。。
俺は主将として有望な
スプリンターを守っては
やれなかったから。」
「…けど俺…(;'v')
今の方が幸せッスよ。」
「…えっ??(・.・;)」
「…俺はずっと…(-v-;)
天下茶屋の名のもとに
走りたかったから。。
今日こそその集大成に
なるはずですから。。」
「…そうだったな、、
能勢はそんな滅私奉公の
考えの漢だったよな…」
「…それは先輩も、、
卒業しても俺たち後輩の
付き人をして下さる…
全てはムダになっては
いませんから。。」
「…ありがとうな。(-v-)
けど誘えたOBの人数も
ムダのないギリギリ…」
「…しかも今日は…( ゜v゜)」
「ああ。(;´-v-)
赤阪には悪いことした。」
…そう、(-ω-)
ワシらに付いてくれるのは
去年のキャプテン。。
解散した陸上部を最後まで
率いた人格者です。。
守れなかった陸上部、、
そのDNAを引き継いだ
一年限りの駅伝部、、
これに最も協力してくれて
いるOBがこの人。
そして…(・_・;)
ずっと上のOBまでを
1キロ毎の経過報告する
役を担ってくれる
スタッフに誘ってくれた
のもこの人。。
しかも一人あたりの
担当は3~4か所ほど…
最大で10キロ近くを
各自で移動しながら
報告してくれはる。。
頭が下がる思い、、
_(._.)_
やけどこの配置は
上手く行ったと思う。
なのに当日になって
OB一名が病欠、、
それで余計な問題が
発生したみたいで…
「な…なぜ百合がボクと
同じバスに??(゜∀゜)」
『…知らない。(-ω-)
お兄ちゃんに付く予定の
OBが休んだから
代打をしてくれって…』
「…代打は仕方ないけど…
なぜお前が??( ゜Д゜)
他にOBはいるのに…」
『だって陸上部の関係者は
経過報告するから…
手スキなのは一般生徒の
私たちだけで、(-v-)』
「だからって妹に…(-c-;)
なんでボクの付き人だけ
シロウトの身内??」
『…素人はないでしょ、、
私だって中学は陸上部…
県大会にも行ったよ。』
「…砲丸投げだろ、(-c-;)
駅伝はシロウトだろ…
それにどうせやるのなら
放出とかのイケメンに
付いてた方が、、」
『…何それ??(; ・`n・´)
実の妹を知らない男に
押し付けるの??』
あらら、(´・ω・)
また要らんことを…
県まで行った投擲選手に
赤阪くんの腕力では
負けちゃいません??
というかこれが赤阪の
大人しい人格形成に
関係してるのかな??
ちなみに赤阪の妹…
放出は好みやないって。
大きな体の彼女には
もっと逞しい男が
ええとやらで、、
まぁ…(;´・v・)
期待半分不安半分。
この期に及んでモメる
人間関係はない。。
けどあと一名…
ここだけはそうでも
ないようで、、
「…難波…(;´-v-)
何が狙いでこうした??」
『…流石に気付くか。。
連中は何の疑問もなく
行ってくれたのに…』
「…なるほど。(;-v-)
お前の方こそいつから
気付いてたの??」
『…最初から…(-v-;)
ただ何となくやけど
放出の選手寿命の炎が
見えたようでな、、』
「…なるほど、(-c-)
俺は故障して他の者の
故障に気付くように
なったが…
選手生命を絶たれてる
難波が気付くのは…」
『…かもしれん。(;'c')
せやけど放出のそれ…
他の連中とは明らかに
違って見えるから…』
「…まさか…(´゜д゜)
最初からそのつもりで
言ったのか??」
『…そうでなきゃ…
あんなこと言えるかい。
けどあれはウチの
偽らざる本音。。
潰れてもろうたら誰も
得せぇへんから…』
そういうのはある…
らしい、(´・ω・)
何かを絶たれた人間は
同じことが起きる気配を
感じ取る勘が冴える…
と言われている。。
ならばそれは…
選手生命の終わりを
経験したみなみは
もしかしたら…
最初からそのつもりで
あんな無慈悲なことを
言ったんかもしれん。
本当に危ない時は…
緩めてもええと。。
最初から気付かれていた
選手生命の灯。。
放出はどこまで…
そしてなぜみなみには
それが見えて…
それに応じられるのか。。




