150 笑顔が繋ぐタスキ…
いよいよ府大会同日…
泣いても笑っても都大路への
最終局面は今からです。。
(`・ω・´)
「…よう、待たせたな!」
「中津先生。。(・.・;)
なんでわざわざ車出して
そんなゴツイ荷物を一人で
運んでくれはって??」
「わ…私は駅伝部の顧問だ。
生徒を支援するのは当然の
責務なのだ!( `c´)」
「ものゴッツ久々の登場や
思いますけど…(;´・n・)
多分誰も覚えてへんと…」
「だから優勝したら…
報道陣からインタビュー
されるのだ!(`・ω・)」
「…そんなんあるのかな??
(;´・ω・)??」
「…あと一人ではない!
この方も手伝ったのだ!!」
「あらら…(;'c')
…オッチャンまで…」
「昇とみなみの晴れ舞台だ。
少しは力にならせろや。。」
「…まぁ…(;´・ω・)
けど晴れるかはその…」
嬉しい限り、やけど…
晴れ舞台になるのかは
結果次第。。(´・ω・`)
どんな期待をされどんな
努力を重ねたとしても…
結果の出ない舞台に
晴れ輝かきはない。。
輝き晴れるために
ワシらができること…
一つしかない。。
そして輝きを掴める
チームも一つしか…
(;´・ω・)
11月3日、、
高校駅伝大阪府予選。
6位までが次に進む
地方予選のような
半端は一切ない。。
慶びは1位のみ。
(`・ω・´)
目標であり憧れである
都大路出場権を
手にするは一つだけ。。
それゆえはある。
対抗意識は有り余る程に
携えてる。(`・ω・´)
けど現実、陸上競技の
試合前の空気というのは
サバサバとしたもの。。
挑発や煽りは少ない。
むしろ互いが健闘を鑑み
心地よい会話に重きを
置く選手の方が多い。。
旧知の選手同士ならば
なおさらみたい、…
声をかけるのは優勝候補
西風高校の主将、、
扇町天馬のようで…
「おう、久々。(;'v')
色々あったようやけど
元気そうやな放出。。」
「おう、(・v・;)
随分と有名人になった
らしいな、扇町。。」
「…はは。(;´・v・)
知名度じゃ勝てねぇよ、
まぁ今年はそれなりには
活躍でけたけど。。」
「…嫌味なヤツ、(;^-^)
俺の知名度は負の側面。。
対して扇町は正統派だよ、
1500m日本人一位が。。」
「けど…二位と三位。(´-v-)
国体もインターハイでも、
留学生に勝てんかった。
日本人一位と言われても
喜び半分ってとこやで…」
「…贅沢だな。(;´・v・)
だがそれが現実、、
留学生のいないチームは
今はどうしても不利に
なってしまうから、、」
その通り、(;´・ω・)
外国人留学生のいない
駅伝チームは不利。。
ウチかってキックス
抜きでは戦えん。。
対して扇町主将率いる
今大会優勝候補筆頭…
西風に留学生はおらん。
かつて放出のいた
日本最強・播州工業も
同じく日本人のみ。。
その中で立派な成績を
残してると思う。、
(`・ω・´)
せやけど…
「せやから西風も今年は
留学生を迎えたんや、、
必勝を期してな。。」
「…ほう、(;´・v・)
一年生のアイタム選手。
黒人助っ人とはな。」
「まだ成長途上やが…
三区はこのアイタムに
任せたんや。
他の区間に主力を投入
するためにな。。」
「…そんな中でも…(;'∀')
主力の一区を担うのが
お前とはな…桃谷。」
「よろしく放出先輩。。
今日は恩返しのつもりで
勝たせて頂きます。」
「…怖いな。(´・v・)
新人戦一位のお前と同じ
一区になるとはな…」
そう、(・.・;)
昨年度の優勝校。
西風高校は必勝態勢。
まず一区には今年の
新人戦で優勝した
一年生の桃谷を起用。
放出と遥の中学の後輩で
その力は先輩方からも
認められとるらしい。。
そして三区には留学生。
去年までの西風には
なかった戦力補強。。
そして…
アンカーに主将。
扇町天馬。(`・ω・´)
1500m全国ランク2位。
日本人一位の実力者。。
エゲツナイ戦力やと
ワシは思う。(´-c-)
けどこれが…ザラ。。
各地区の優勝校はみんな
同じ程度の実力高。。
中央地区一位の逢坂。
他の地区を制した興玉、
閂西草加、問大北場。
そして…西風。。
この辺は明らかに
ウチよりは格上。。
どこが優勝しても
おかしくない実力高。
五校全てが三区に
黒人助っ人を擁する
万全の備えを持つ。。
けど助っ人というと
こちらもその、、
(-ω-)/
「そういえば…(;'∀')
お前も助っ人ってこと
だったよな、佐野。」
「…えっ?(;'∀')
なんでや扇町??」
「たしか正月にお前…
男子駅伝の助っ人とか
言うてなかった??」
「…あらら。(;-c-)
すっかり忘れてた。。
ぶっちゃけ試合の時は
この方が楽やから…」
「まぁ…(;´・v・)
その方がええやろな。
佐野の女装姿を見たい
ってヤツは多いから。」
「…いや、(-c-;)
ここでは勘弁して…
学校まで来てくれたら
いくらでも可愛い姿
見せたるから。。」
「…わかった。(;'v')
みんなで天下茶屋まで
優勝報告に行くか…」
「…来んでええ。(-v-;)
ワシが制服姿で西風に
乗り込んだるから。」
「…や…(*'c'*)
約束ですよ佐野さん。」
「…桃谷ぃ、(#^c^#)
何に期待しとる??」
一見わかりにくく…
(・.・;)
実はとても分かりやすい
挑発合戦かつ優勝宣言。。
緊張感を保ちながらも
互いのコンディションを
損なわない紳士協定。
スポーツマンシップと
いうことやろう。。
ただこんな会話…
二校だけでするってもん
でもない。。
もちろん他の有力校も
旧知の選手たちも
絡んでくる。。
とはいえ話の中心は
あくまで有力選手だけ。
陸上経験の浅いモンや
ワシのように実績の
少ないモンには会話は
多くないのが道理。
ただ…(;´・ω・)
それは開会式まで。
中継地点がバラバラに
配置されてる大阪府予選
ではスタート前に
選手は移動させられる。
せやから…
お遊びはここまで。
(´・ω・)
リラックスできるのは
今この時まで。。
この先は一人。
そしてもしかしたら…
これが駅伝部の仲間との
最後の瞬間、、
部長の仕事である
エントリーに追われて
皆に声掛けも会話も
でけなんだワシは…
ワシは緊張しながら皆に
挨拶するんやけど…
『…まだやろ、(-v-;)
なんで昇は今になって
焦っとるんや。。』
「…せやけど…」
『たしかに最後になる
かもしれん。
レース前に顔を合わせる
のは今これまで…』
「…そうや。(・.・;)
だからせめてワシは…」
『やったら…繋げや。』
「…(;´・ω・)」
『これがある限りは…
誰も一人やない。
アンカーの昇は皆の
思いの沁み込んだ
タスキを受ける立場…』
「…(; ・`n・´)」
『…ええ顔や、(`・v・)
じゃぁこれを一区に…
部長みずからが渡して
やってくれや。。』
「…(´・n・)ノ」
こうして…(・_・)
天下茶屋の濃紺の
タスキがワシの手に…
これを放出に渡すだけ
やけどその前に、、
「…浜寺、(・n・;)」
「…応、(・v・;)」
「…赤阪、(・.・;)」
「…ああ。(^v^)-」
「…キックス、(・c・;)」
「…OK、(*'ω'*)」
「…泉、(´・ω・)」
「…任せとけ…(-v-;)」
「…能勢、(´・ω・)」
「もう…(;´v`)
何も言う必要はないよ。」
「あと…(´・。・)
遥…西中島…南方、、」
『…ったく…(*'ω'*)』
ワシは全員に…
タスキに触れさせた。。
だって…不公平やから。
全員の思いを乗せた
タスキをもらえるのが
アンカーだけなんて…
違うと思ったから、、
(´・ω・)
けど…少し失敗。
"(-"c"-)"
スタッフの女の子まで
全員がタスキに触れて
しもうたからその…
「…あらら…(-c-;)
酷く香水くさいぞ。。」
「…スマン、(-n-;)
ワシが悪かった、、」
「…いいさ…(´・v・)
それを吹き消すぐらい…
俺が汗を流せばいい。。」
「…放出、(`・ω・´)」
「…いい顔だ、(^v^)
天保山はおそらく今…
一番いい顔をしてる。」
「…何をか…(;´・v・)
男前の放出が嫌味なこと
言うてくれよる。。
ワシなんかのどこが…」
「じゃぁ…もっといい顔を
見せてくれよ。。」
「…えっ??(・.・;)」
「…約束だ、(-v-;)
ゴール地点ではお前の…
笑顔を見せてくれ、、」
「…(`・v・´)」
ワシは今…(´・ω・)
少しだけ笑えたと思う。
余裕でも慢心でもなく
本当の意味での覚悟…
目的が見えたと思う。
皆の引き締まった表情が
物語ってるように思う。
俺たちは必ずいい位置で
アンカーまで繋ぐ、、
だから…
笑顔でゴールしてくれと。。
アンカーが笑顔でゴールする。
それ即ち…
笑顔を失くした男にとっての
それはきっと特別な意味を
もつこと。。




