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都大路の風になれ - 不器用な出来たて駅伝部の全力疾走。。  作者: ふみた
勝てば都大路…大阪府予選スタート。
151/240

150 笑顔が繋ぐタスキ…

いよいよ府大会同日…


泣いても笑っても都大路への

最終局面は今からです。。

(`・ω・´)


「…よう、待たせたな!」

「中津先生。。(・.・;)

 なんでわざわざ車出して

 そんなゴツイ荷物を一人で

 運んでくれはって??」


「わ…私は駅伝部の顧問だ。

 生徒を支援するのは当然の

 責務なのだ!( `c´)」

「ものゴッツ久々の登場や

 思いますけど…(;´・n・)

 多分誰も覚えてへんと…」


「だから優勝したら…

 報道陣からインタビュー

 されるのだ!(`・ω・)」

「…そんなんあるのかな??

 (;´・ω・)??」


「…あと一人ではない!

 この方も手伝ったのだ!!」

「あらら…(;'c')

 …オッチャンまで…」


「昇とみなみの晴れ舞台だ。

 少しは力にならせろや。。」

「…まぁ…(;´・ω・)

 けど晴れるかはその…」



 嬉しい限り、やけど…


 晴れ舞台になるのかは

 結果次第。。(´・ω・`)


 どんな期待をされどんな

 努力を重ねたとしても…



 結果の出ない舞台に

 晴れ輝かきはない。。


 

 輝き晴れるために

 ワシらができること…


 一つしかない。。


 そして輝きを掴める

 チームも一つしか…

 (;´・ω・)



 11月3日、、

 高校駅伝大阪府予選。


 6位までが次に進む

 地方予選のような

 半端は一切ない。。



 慶びは1位のみ。

 (`・ω・´)


 目標であり憧れである

 都大路出場権を

 手にするは一つだけ。。



 それゆえはある。

 対抗意識は有り余る程に

 携えてる。(`・ω・´)


 けど現実、陸上競技の

 試合前の空気というのは

 サバサバとしたもの。。


 挑発や煽りは少ない。


 むしろ互いが健闘を鑑み

 心地よい会話に重きを

 置く選手の方が多い。。


 旧知の選手同士ならば

 なおさらみたい、…


 声をかけるのは優勝候補

 西風高校の主将、、


 扇町天馬のようで…



「おう、久々。(;'v')

 色々あったようやけど

 元気そうやな放出。。」

「おう、(・v・;)

 随分と有名人になった

 らしいな、扇町。。」


「…はは。(;´・v・)

 知名度じゃ勝てねぇよ、

 まぁ今年はそれなりには

 活躍でけたけど。。」

「…嫌味なヤツ、(;^-^)

 俺の知名度は負の側面。。

 対して扇町は正統派だよ、

 1500m日本人一位が。。」


「けど…二位と三位。(´-v-)

 国体もインターハイでも、

 留学生に勝てんかった。

 日本人一位と言われても

 喜び半分ってとこやで…」

「…贅沢だな。(;´・v・)

 だがそれが現実、、

 留学生のいないチームは

 今はどうしても不利に

 なってしまうから、、」



 その通り、(;´・ω・)


 外国人留学生のいない

 駅伝チームは不利。。


 ウチかってキックス

 抜きでは戦えん。。


 対して扇町主将率いる

 今大会優勝候補筆頭…


 西風に留学生はおらん。


 かつて放出のいた

 日本最強・播州工業も

 同じく日本人のみ。。


 その中で立派な成績を

 残してると思う。、

 (`・ω・´)


 せやけど…



「せやから西風も今年は

 留学生を迎えたんや、、

 必勝を期してな。。」

「…ほう、(;´・v・)

 一年生のアイタム選手。

 黒人助っ人とはな。」


「まだ成長途上やが…

 三区はこのアイタムに

 任せたんや。

 他の区間に主力を投入

 するためにな。。」

「…そんな中でも…(;'∀')

 主力の一区を担うのが

 お前とはな…桃谷。」


「よろしく放出先輩。。

 今日は恩返しのつもりで

 勝たせて頂きます。」

「…怖いな。(´・v・)

 新人戦一位のお前と同じ

 一区になるとはな…」



 そう、(・.・;)

 昨年度の優勝校。


 西風高校は必勝態勢。


 まず一区には今年の

 新人戦で優勝した

 一年生の桃谷を起用。


 放出と遥の中学の後輩で

 その力は先輩方からも

 認められとるらしい。。



 そして三区には留学生。


 去年までの西風には

 なかった戦力補強。。


 そして…


 アンカーに主将。

 扇町天馬。(`・ω・´)


 1500m全国ランク2位。

 日本人一位の実力者。。

 

 

 エゲツナイ戦力やと

 ワシは思う。(´-c-)



 けどこれが…ザラ。。


 各地区の優勝校はみんな

 同じ程度の実力高。。


 中央地区一位の逢坂。


 他の地区を制した興玉、

 閂西草加、問大北場。


 そして…西風。。


 この辺は明らかに

 ウチよりは格上。。


 どこが優勝しても

 おかしくない実力高。


 五校全てが三区に

 黒人助っ人を擁する

 万全の備えを持つ。。



 けど助っ人というと

 こちらもその、、

 (-ω-)/



「そういえば…(;'∀')

 お前も助っ人ってこと

 だったよな、佐野。」

「…えっ?(;'∀')

 なんでや扇町??」


「たしか正月にお前…

 男子駅伝の助っ人とか

 言うてなかった??」

「…あらら。(;-c-)

 すっかり忘れてた。。

 ぶっちゃけ試合の時は

 この方が楽やから…」


「まぁ…(;´・v・)

 その方がええやろな。

 佐野の女装姿を見たい

 ってヤツは多いから。」

「…いや、(-c-;)

 ここでは勘弁して…

 学校まで来てくれたら

 いくらでも可愛い姿

 見せたるから。。」


「…わかった。(;'v')

 みんなで天下茶屋まで

 優勝報告に行くか…」

「…来んでええ。(-v-;)

 ワシが制服姿で西風に

 乗り込んだるから。」


「…や…(*'c'*)

 約束ですよ佐野さん。」

「…桃谷ぃ、(#^c^#)

 何に期待しとる??」



 一見わかりにくく…

 (・.・;)

 実はとても分かりやすい

 挑発合戦かつ優勝宣言。。


 緊張感を保ちながらも

 互いのコンディションを

 損なわない紳士協定。


 スポーツマンシップと

 いうことやろう。。



 ただこんな会話…

 二校だけでするってもん

 でもない。。


 もちろん他の有力校も

 旧知の選手たちも

 絡んでくる。。



 とはいえ話の中心は

 あくまで有力選手だけ。


 陸上経験の浅いモンや

 ワシのように実績の

 少ないモンには会話は

 多くないのが道理。

 


 ただ…(;´・ω・)

 それは開会式まで。


 中継地点がバラバラに

 配置されてる大阪府予選

 ではスタート前に

 選手は移動させられる。


 せやから…


 お遊びはここまで。

 (´・ω・)

 リラックスできるのは

 今この時まで。。


 この先は一人。

 そしてもしかしたら…


 これが駅伝部の仲間との

 最後の瞬間、、


 部長の仕事である

 エントリーに追われて

 皆に声掛けも会話も

 でけなんだワシは…

 

 ワシは緊張しながら皆に

 挨拶するんやけど…



『…まだやろ、(-v-;)

 なんで昇は今になって

 焦っとるんや。。』

「…せやけど…」


『たしかに最後になる

 かもしれん。

 レース前に顔を合わせる

 のは今これまで…』

「…そうや。(・.・;)

 だからせめてワシは…」


『やったら…繋げや。』

「…(;´・ω・)」


『これがある限りは…

 誰も一人やない。

 アンカーの昇は皆の

 思いの沁み込んだ

 タスキを受ける立場…』

「…(; ・`n・´)」


『…ええ顔や、(`・v・)

 じゃぁこれを一区に…

 部長みずからが渡して

 やってくれや。。』

「…(´・n・)ノ」



 こうして…(・_・)


 天下茶屋の濃紺の

 タスキがワシの手に…


 これを放出に渡すだけ

 やけどその前に、、

 


「…浜寺、(・n・;)」

「…応、(・v・;)」


「…赤阪、(・.・;)」

「…ああ。(^v^)-」


「…キックス、(・c・;)」

「…OK、(*'ω'*)」


「…泉、(´・ω・)」

「…任せとけ…(-v-;)」


「…能勢、(´・ω・)」

「もう…(;´v`)

 何も言う必要はないよ。」


「あと…(´・。・)

 遥…西中島…南方、、」

『…ったく…(*'ω'*)』



 ワシは全員に…

 タスキに触れさせた。。


 だって…不公平やから。


 全員の思いを乗せた

 タスキをもらえるのが

 アンカーだけなんて…


 違うと思ったから、、

 (´・ω・) 



 けど…少し失敗。

 "(-"c"-)"


 スタッフの女の子まで

 全員がタスキに触れて

 しもうたからその…



「…あらら…(-c-;)

 酷く香水くさいぞ。。」

「…スマン、(-n-;)

 ワシが悪かった、、」


「…いいさ…(´・v・)

 それを吹き消すぐらい…

 俺が汗を流せばいい。。」

「…放出、(`・ω・´)」


「…いい顔だ、(^v^)

 天保山はおそらく今…

 一番いい顔をしてる。」

「…何をか…(;´・v・)

 男前の放出が嫌味なこと

 言うてくれよる。。

 ワシなんかのどこが…」



「じゃぁ…もっといい顔を

 見せてくれよ。。」

「…えっ??(・.・;)」


「…約束だ、(-v-;)

 ゴール地点ではお前の…

 笑顔を見せてくれ、、」

「…(`・v・´)」



 ワシは今…(´・ω・)


 少しだけ笑えたと思う。



 余裕でも慢心でもなく

 本当の意味での覚悟…


 目的が見えたと思う。


 皆の引き締まった表情が

 物語ってるように思う。



 俺たちは必ずいい位置で

 アンカーまで繋ぐ、、


 だから…


 笑顔でゴールしてくれと。。



アンカーが笑顔でゴールする。

それ即ち…


笑顔を失くした男にとっての

それはきっと特別な意味を

もつこと。。


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