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148 天保山の笑顔のため…

皆のために笑う。。


そんな昇の思いは本番直前の

駅伝部にどう影響する??


『…ねぇ難波さん、(・.・;)

 私たちに任せたい仕事って

 けっこう重くない??』

『…ミスできないよね。。

 ぶっつけ本番でできるか

 不安だなぁ。(;'∀')』


『…わかってる。(・v・;)

 せやから今日は皆に一度

 練習してもらぉ思て。。』

『…なるほど…(・.・;)

 まぁスマホの操作だけなら

 慣れたもんだけど。。』


『そんじゃ土手に並んで…

 もうすぐその道を連中が

 集団で通過するから、、』

『…小豆色のユニフォームの

 通過タイムを測るのね。。

 よぅっし!(・v・;)』


『あとそっちは…(;'c')

 陸上経験者とOBは少し

 難しい役回りですが…』

「…任せとけ。(`・v・)

 地方予選では放出が一人で

 こなした仕事だろう??」



 府大会本番3日前。。

 (・_・;)


 普段練習している河原に

 大勢が集合してる。。


 この大会を手伝ってくれる

 天下茶屋高校の生徒と

 OBたちに本番に向けた

 練習をしてもらうため。。


 では何をしてもらうかと

 言いますと、、

 (・.・;)



『ほらっ!(`・O・)ノ

 来たから早くスマホを

 構えて測定!!』

『…ちょ、(;'∀')

 なんか速くない??』


『…本番相当で走るよう

 指示はしといた!

 あのスピードが標準!!』

『…けど…(´゜c゜`)

 ただの走りじゃないよ。。

 あの速さは普通では…』


『誤差は±1秒まで!!

 それ以上はあかんで!!』

『…厳しい、(´゜д゜`)

 ってか陸上選手ってみんな

 あんなにも速いの??』


『OB方は??(;'c')』

「…意外と難しいな。。

 上位で来てくれたらまぁ

 大丈夫だとは思うが、

 下位だと確認が難しい。」 



 そうです。(;´・ω・)

 皆にお願いしてるのは…


 通過タイムの測定。。


 1キロ毎にラップを測り、

 ラインで一斉送信させる

 仕事をお願いしてます。

 (・ω・)ノ


 あと経験者をもう一人

 配置することにしました。

 その目的は…


 順位とタイム差の測定。

 (・.・;)


 有力校の順位と状況…

 そして天下茶屋との差を

 一斉送信すること。。


 …けどこれ…(;´・ω・)

 素人には難しいらしい。


 有力高のユニフォームと

 タイムの測り方程度は

 知っとかなムリとか、、


 せやからこの役割は主に

 OBにお願いしました。

 _(._.)_


 あとはワシらが上位で

 走るのが条件やそうです。

 (`・ω・´)


 せめてトップとの差を

 目測できる範囲で走らな

 難しいとやら、、



 けどとにかく…

 あと3日。、

 (・.・;)

 泣いても笑っても

 3日後の午後3時頃…


 すべては決着する。。


 都大路出場。。

 そのたった一つの目標に

 集った仲間たち。。


 その輪は本番直前にして

 さらに大きさを増して…


 陸上部のOBや同じ学校の

 生徒たちをも巻き込んだ。

 (・n・;)


 知り合いでもない人まで

 頑張ってタイムも無事に

 測れるようなって…

 m(-c-;)m



 おそらくもうこの夢は…


 ワシの我儘から始まった

 この駅伝部はもう…


 ワシのモンやない、、

 ワシらだけのやない。。



 もしかして…

 そういうモン??

 (・_・;)


 人並み外れた夢を持って

 大きな目標に挑んで、

 自分の器以上のことを

 成し遂げようしたら、、


 周囲を巻き込む??


 皆と同じ思いを共有して

 同じ目標に向ける??


 そういうもの??



 けど…ワシはそういうの

 元来は得意やない。。


 ずっと孤独の身の男。。


 部長やからってことで

 皆にに挨拶ってことには

 なったけどその…



「み…みなさん、(゜д゜)

 ほほ…本日は日柄もよく

 足元のお悪い中…」

『…(・.・;)??』


「…ワシは…その。。」

『…(;´・ω・)???』



 こうなる、(;´・ω・;)

 不器用なワシにこんなん

 でけるわけない。。


 あとそれに加えて、、


 そも応援に来てくれた

 在校生たちの殆どは

 他の部員のお友達とか

 放出のファンとか。。


 友達のおらんワシの

 関係者は一人もおらん

 というのが現実、、

 (TcT)



 …そんなんが壇上で

 下手くそな挨拶をして、

 場を白けさせて、、


 不気味な顔やとか

 少しは笑えとか

 コソコソと陰口まで

 叩かれて、、


 なんか…辛い。。

 皆にも大迷惑かも。。

 (;´;ω;)


 こんな主将の尻拭いを

 せなあかん赤阪副主将が

 可哀想にさえ思う。。


 んやけど壇上に立った

 赤阪はその、、



「…けどみんな…(;´・v・)

 聞いてはくれないかな。」

『…(;´・n・)??』


「…この天保山主将は…

 駅伝部の創始者なんだ。。

 彼がいなければ今、

 ボクらはみんなこの場に

 立つことはなかった。」

『…(・.・;)』


「…本音を言えばボクは…

 何よりも天保山のために

 勝ちたいと思う。(;'v')

 主将に笑ってほしいと…

 そう思っている。。」

『…不気味だけど…(・n・;)

 慕われてるんだね。。』


「…なのにコイツは…

 笑ったことないんだ。。

 事故の後遺症による障害で

 笑顔を作れない…

 可哀想な男なんだよ。。」

『///(・c・メ)??』


「…だから…(;'∀')

 力を貸して欲しいんだ。

 ボクは天保山と、、

 ここに居る皆と心底から

 笑いたいと思ってる。」

『…(;´・v・)ノ』



 拍手が…もらえた。

 (;´・c・)

 さっきまでワシのこと

 気味悪がっていた人まで

 微笑んでくれた。。


 ワシのために…

 不気味とさえ言われる

 ワシの笑顔のために

 みんながその、、



 逆…なんかな??

 (・ω・;)


 ワシは…皆のために笑う

 つもりでいたと思う。


 ワシが笑えば皆が

 幸せになる。。

 そう教わったと思う。。


 けど逆に言えば

 ワシは笑えないから…


 皆を幸せにすることが

 できんかった。。

 だから…人との関わりを

 持ちたくなかった。。


 せやけど赤阪は…

 ここにいる仲間たちは…


 ワシのために??

 (・.・;)

 やないな多分、、


 一人は皆のため…

 そして…

 皆は皆のため、、


 主将のワシはつまり

 きっと…依り代。。


 それならば、、

 (`・ω・´)



 けどそれだけでは

 やはりチームは

 一つにならんみたい。


 特に放出ファンとかは

 あくまで放出のため…

 

 けど放出は…(;´・ω・)


 自分のためだけでは

 笑えない十字架の男は…

 


「…けどな…(;'∀')

 俺は一区なんだよな。。」

『…だから??(・n・;)』


「駅伝は…不思議なんだ。

 選手にもスタッフにも皆

 色んな思いがあって…

 レース中も勝手に笑ったり

 泣いたりしてるんだ。」

『…そりゃそうでしょう。。

 どんな競技だって試合中に

 色々あるんだから、、』


「…だけど…(;´・v・)

 駅伝のアンカーは違う。

 色々は…ないんだ。。」

『えっ??(・.・;)』


「アンカーが笑えば…

 天保山が笑ってゴール

 できたならきっと…

 皆が無条件に笑顔になる。

 そういうものなんだ…」

『…放出くん。(;'∀')』


「…おかげで俺も迷いが

 消えたよ。。(;´・v・)

 俺たちはアンカーを…

 天保山を笑顔にする。

 ただそのために全力で

 タスキを繋ぐんだ。。」

『…うん。( ;∀;)』



 これで…ええのかな。。


 本当に長かった一年の

 決着まであと三日。


 ワシらの膨大な思いの

 依り代はなぜか…


 ワシの笑顔ということで。



 それでワシらは…

 勝てるのかな??


 そして勝てばワシも

 もしかしたら…


 皆のためになら

 笑えるのかな??

 (´・ω・`)


誰よりも笑顔を求めながら

笑顔にこそ苦しみ続けた

天保山昇の笑顔のため…


これが駅伝部の合言葉に

なりつつある。(;'∀')


けどその実現は何よりも

難しいのかもしれない。。



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