143 一人分の哀しみ
三区で大ブレーキ、
(;´・O・)
楽勝のはずの地区予選で
駅伝部大ピンチ、、
「キックス…(; ・`д・´)
役割は分かってるな!?」
「当然デス赤阪サン、、
私ハ…負ケナイ。。」
「予定は変更だぞ!!
3分ジャストのペースで
行けるとこまで!!」
「…ハイ、(; ・`v・´)
私ハ一人ノ戦員トシテ
仲間ノタメに戦ウ。。」
「…キックス、(;'∀')
随分と変わったな。。」
「…カモシレナイ、、
戦ウトハコウイウコト…
今ハワカル気ガスル、、」
いい顔をしていたらしい。
(・_・;)
平和を愛する男、、
キックスオーキャット。
そりゃ…平和はいいこと。
安全は最高なこと。。
けど人間が最大限を
出せるの言うまでもなく
全力で戦う時。。
そこで精一杯を知り、
勝ちと負けを正しく覚え
人は初めて成長する。
って謎のオッサンが
言うとったらしい。。
(;´・ω・)、、
それはともかく…
「…くはっ!<(`O´)>」
ワシの顎はさっきから
上がりっぱなし。。
最後の一キロ…
7キロから8キロはなんと
5分01秒という酷すぎる
大崩れ。。
陸上やというのにもう
溺れているのと変わらん
息遣いをしてる。。
(;O;)
けど三区は8キロやない。
8.1075キロ。
残り僅か100mと少しが
今のワシにとっては
途轍もなく遠い。。
必死で喘いではいても
全力には程遠い。。
さらに一人に抜かれた。
もうボロボロやけど…
「天保山サン!!(`O´>ノ」
「…き…キックス??」
「アト少シ!!(; ・`c・´)
頑張レ…負ケナイデ!」
「お…おう、( ;O;)」
あのキックスが…
(;´;ω;)
戦うことを嫌っていた
大人しいキックスが
吠えてる。。
情けないワシに檄を
入れてくれてる。。
そして…
「す…すまん!(ToT)/」
「任セテ!!<(`^´)>」
キックスがワシから
奪うよにタスキを
もぎ取ってやっとこ…
つながった。。
けど…(;´・ω・)
記録は…27分55秒。。
予定より3分近くも
遅れてしもうて…
一時は4位に上がってた
順位は9位に急落。。
ワシは…ワシは…
取り返しのつかんこと…
(´;O;`)
「●▽#♂K$O+!!!
(/;0;)/」
「…あの天保山…(´・ω・)
何を言ってるの??」
「M▲K9<ΘM7!!!
(*´;Д;`)」
「…(´・ω・`)??」
ワシは…無茶苦茶。。
謝罪の言葉さえ口に
出せないほどに
動揺して哀しくて…
消えてしまいたい。。
(/;O;\)
赤阪は必至でワシを
慰めてくれてるけど
まるで響かない。。
これが…大ブレーキ、
(´;ω;`)
途中棄権の次に厳しい
駅伝における最大の…
恥辱、
他の選手と支え合える
球技ではありえない…
任された区間を一人で
戦う駅伝以外にはない
スポーツ界全体でも
類を見ない恥辱。
駅伝選手以外には
想像させできないと
される重大事、、
だけど…
『…それでも…(`-´)
前を向けや天保山、、』
「…(´;n;)??」
『お前は…繋いだ。
あんなボロボロでも襷を
運びきったことを…
今はただ素直に誇れ。』
「…けどワシは、(;c;)
負けてしもうた…」
『…誰が負けたって??
ワレ…殺すぞ、( `n´)』
「えっ??(・x・;)」
『…囀るなや天保山、
ワレがどう考えようと…
天下茶屋はまだ
負けた覚えはないど。』
「…(;´・ω・)、」
『ワレ個人が負けたなら
仲間が取り返す。。
少なくともキックスは
その意思を以てレースに
挑んでるんやで、、』
「…(;n;)」
『…せやから天保山!!
泣いとる暇があったら
今自分のできること
せんか!!(; ・`д・´)』
「…(;´゜c゜`)」
『チームが負けたなら…
ウチはブレーキとなった
ワレを赦さん!
だが繋がってる限りは
チームは負けとらん!!』
「…(;´・n・)」
『…チームが勝てるなら…
落ち込まんとその限りの
でけることをせぇ!!、
今のお前の哀しみは所詮…
一人分とちゃうんか!?』
「…(;´・ω;)」
…そう、、(;´・ω・)
どんなに哀しくて
惨めで恥であっても…
ワシ一人のブレーキは
一人分の哀しみ、、
所詮はたった一人分。。
だがチームが負ければ…
ワシらの夢が水泡と化した
時の哀しみならそれは
何人分なのか??
去年の陸上部に続いて
駅伝部もまたワシのせいで
潰してしまうのか??
それはおよそ一人で
受け止められる重さでは、、
けど泉の言う通り…
天下茶屋はまだ生きてる。
例え経過はどうあれ
死なない限りは誰もが
その失態を払拭する
可能性を秘める。。
ボロボロでも遅れても
ワシは…繋いだ。。
勝利の可能性を消しては
いないから。。
棄権とブレーキは違う。
たとえ故障して潰れても
倒れても這ってでも…
手指の一本も動く間は
可能性を繋ぎきる。
それこそが駅伝選手の
最低限の責務、、
放出の哀しみ…
棄権することの重み。
今のワシならその
何割かくらいは
分かるのかもしれん。
けど最低限を果たした
からこそワシにも…
仲間にもできる戦いは
まだあるはず。。
ワシの失態を哀しみを
所詮は一人分に
抑え留めおくために…
チームの哀しみに
昇華させないために、、
だから…(・.・;)
というかその、、
「泉…その辺でもう
いいだろ?(^^)」
『…やな赤阪…(-ω-)/
幸いにして天保山は
戦犯にはならずに
済みそうですな、、』
「…(;´・ω・)??」
「感謝しなよ天保山。
(^v^)
あのキックスが…
天保山の分まで戦って
くれてるから。」
「…(;・∀・)」
そうやった…
ワシが泣いてる間に
既に四区は中盤戦。。
キックスの三キロの
通過タイムは…
8分58秒!?(゜∀゜)
予定を上回るペースで
勢いで既に2人抜き、、
しかも…まだ余裕。。
とはいえ高校駅伝では
珍しい四区での黒人
助っ人による快走。。
これには実は…
沿道は冷淡、(´-ω-)
ヤジが飛ぶことは
予想されている。
気弱なキックスに
これは堪えるかもと
懸念してたけど、、
「くっ、黒人かよ…
助っ人とは卑怯な。。」
「…私ハ…(`^´;)
助っ人チガウ。。
仲間ノタメ戦ウデス…」
「くそ…速い、(TOT;)」
「…私ハ負ケナイ。。
モウ誰モ哀シマセル
シナイ、(;O;)ノ」
思わず漏れた言葉…
おそらくこれこそが
キックスの本音。。
凡そ日本の高校生には
知る機会さえない
一人分以上の哀しみ。
ワシが直面している
身を引き裂かれる如き
思いの哀しみ。。
これを遥に上回る
哀しみを知る彼には
きっと理解できる。。
それだけはさせては
いけないと…
あらん限りを尽くせる。
キックスオーキャット…
快走、(;c;)
中間点の4キロ過ぎを
通過とほぼ同時に
三人目を突き放して…
ワシの落とした順位を
そのまま取り戻して
入賞圏内再突入となる…
単独6位に浮上。。
任された役割を果たすこと、
誰のサポートも受け得ない
駅伝選手のそれは途轍もなく重い、、
けど団体競技である以上…
勝利の可能性を絶やさない以上…
サポートを受け得ないなんて
こともないんです、、
(`・ω・´)




