表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
143/240

142 大ブレーキ

ペースを落とした昇。。


ここから巻き替えせる??

それとも…


「…来たか、(`・ω・´)

 ここからが勝負やな。。」



 高校駅伝大阪中央地区予選

 第三区。。

 8キロ区間の5キロ過ぎ…


 現在4位を走っている

 ワシのすぐ後ろに、

 留学生が迫って来た。。


 ATC高校のナンコウ選手。

 アフリカ出身の黒人選手、、


 けど…これは絶好の試金石。


 高校駅伝の三区ならば、

 対留学生は避けては通れん

 壁のようなモノ。。

 そして…


 ワシは迎え撃てる。

 (`・O・´)


 ここまでスローペースで

 刻んできたワシなら…


 ここからランナーズハイ。

 無敵モードに入れる

 ワシならば留学生とでも

 互角に走れるはず。。


 …入れ…


 今こそ無敵モードに

 入るべき絶好機、、


 なのに。。



 入れない!?( ゜Д゜)

 まったくペースが

 上がって来ない。。


 待ち構えているはずの

 無敵モードに…なぜ??



「ど…どうしてだ難波!?

 天保山のペースが急激に

 落ちてるだと!??」

『…理由は分かりません。。

 けど放出からの報告では

 どうやら…』


「…まさか…(・c・;)

 ランナーズハイに

 入れなかった???」

『…かもしれません。。

 そうやったら昇はどない

 なりますか?千林さん…』


「たしかアイツ…(・_・;)

 最近の記録は全部が

 ランナーズハイに入って

 計測したモノだ。

 それ以外のベストは??」

『…多分、(・.・;)』



 おっしゃる通りです。

 (;´・ω・)

 ランナーズハイを使わない

 ワシのベストタイムは

 実は一年以上前…


 陸上部の当時に記録した

 16分08秒。(´゜д゜)


 そりゃもちろん、

 そこから一年鍛えたから

 もう少しは速い思う。


 だから…ついて行った。


 遥のやったようにワザと

 留学生を引きつけて、

 その余力を以て背後に

 付ける予定が。。


 なかった、(;;´゜д゜;)


 身体が重くなり息が切れ

 足が空回りするという

 いつもの感覚になっても

 なぜかなお…


 何も起きない。(・_・;)


 …ランナーズハイも

 無敵モードもない。。


 なんやワシの胸元から

 <プスンプスン>って

 音が聞こえる。。


 留学生のナンコウ選手に

 500mをついていって…


 完全にガス欠、(゜∀゜)


 6キロ時点手前で

 早くも脱落して……

 急速に走りを乱した。。


 6キロ通過は18分30秒。


 予定のペースに戻った

 とも言えるが実は

 この一キロに限れば…


 3分09秒。(´゜д゜`)


 明らかなペースダウン。

 予定より4秒も…


 それでもこのままなら

 今の順位は保てる。


 5位を保てるならば

 自分の役割は果たした

 と言ってもええ。。


 けど…(;c;)

 傍から見ている放出を

 騙せるはずもなく、、



「…天保山!!<(`O´)>

 顎引けぇ、姿勢保て!!」

「はぁ…はぁ…(;´・O・)」


「あと2キロ弱…( ;`c ;´)

 なんとか堪えろぉ!!」

「…ぐぅっ…(;´;O;)」



 放出の声も大きく…

 (;c;)/~


 きっと…つらいはず。。


 去年の兵庫大会では

 今と同じ三区のおよそ

 同じ位置で放出は…


 棄権してる。(;_;)


 高校駅伝史上に残るで

 さえあろう大失態を

 してしまっている。。


 そんな放出の目の前で

 ワシが大ブレーキ…

 あまつさえ棄権なんて

 ことになったら、、


 いや…(;´・ω・)


 今はそんなことを

 考える余裕さえない。。


 身体は鉛のように重く、

 呼吸さえ自由にはならず

 足はもつれて転倒を

 さけるのが精一杯。。


 何とか7キロ地点を

 通過したところで

 時計を見ると、、


 22分28秒!?(;゜∀゜)


 なんとこの一キロ…

 3分58秒????

 (;´;c;)


 1キロを4分弱って

 素人やないで。。

 

 もちろんこれには皆

 焦るわけで…



「う…ウソだろう!?

 (;´・O・)

 1分間違えてない??」 

『…いや…多分、、

 アイツ心配されていた

 切り替えの失敗を…』


「…泉、、(;´・c・)

 じゃぁ天保山は??

 残り一キロどうなる??」

『…わからん。(;´・ω・)

 まぁアイツのことやら

 死んでもタスキは持って

 来るとは思うが…』


「…ペースは…

 更に落ちるのか??」

『おそらく…(;´-O-)

 4分台になるのは確実…

 もし下手すれば、、』


「…キックス!!(;'c')

 分かってると思うが…」

「…予定変更デスネ。。

 ケド具体的ナたいむトカ

 ドウスレバ…(;´・ω・)」



 最悪の場合は5分以上…


 たった一キロで予定を

 2分以上も遅らせる

 ことになりかねん、、


 大ブレーキ!(;_;)


 おそらくゴール後に

 ワシが冠するであろう

 屈辱的な呼称、、、



 前にも言うたが駅伝は

 たしかに団体競技。。


 けど個々人の力量が

 モロに反映される競技。


 ただ一人のエースが

 勝利をもたらすことが

 できない競技。。


 けどたった一人の

 大ブレーキが敗戦を…


 チームを潰しかねない

 重大責任を負う競技、、

 (/ω;\)



 放出のボルテージが

 さらに上がる。。


 大ブレーキの辛さを

 誰よりも知る男は

 その身を引き裂かれる

 思いなんやろう。。


 けどワシの身体は…

 全く言うことを聞かん、


 そしてそんなワシらを

 追い詰めるように…



 後続が来た、(´゜д゜)


 2キロ地点で置き去りに

 したはずのランナーに

 再び迫られて…


 あっという間に、、


 だって…それはそう。

 (;´;ω;)


 この順位のランナーは

 みんな時速18~19キロ

 くらいで走っているのに

 対して今のワシは

 おそらく…


 時速12キロ??(;'n';)


 早歩きとさえ大差ない

 不細工な走りをして

 粘りもクソもない。。


 一人…また一人…


 まったくの無抵抗で

 抜き去られるだけ、、


 7.6キロを過ぎて

 残り500m地点で、、


 7位に転落。。


 一方でついさっきは

 ワシと一緒にいた

 あと男は…


 時速約20キロの高速を

 保ったATC高校の

 留学生・ナンコウ選手は

 順位を更に一つあげ…


 余裕の表情の3位で

 タスキリレー。。


 おそらく区間賞の

 快走を見せた。。

 (´・ω・`)


 けど…(・.・;)

 チームメートからの

 祝福は今一つ。。


 あまりチームに

 馴染めてないように

 さえ見える。。


 だからゴール地点で

 同郷の友人を見つけた

 彼はそっちの方へ…



「…フゥ…(-v-;)

 ココマデ来レバ入賞ハ

 モウ確実ダロウ。。

 仕事ハ熟セタカナ。。」

「なんこうサン。(・.・;)

 オメデトウゴザイマス。

 ナノニ何カソノ、、」


「…分カルカ??

 ぼくハネきっくす君…

 所詮ハ助ッ人ダヨ。。」

「…助ッ人??(;'n')」


「正直…馴染メテナイ。

 ぼくニハちーむヘノ愛着

 マルデナインダヨ。。」

「…デハなんこうサンハ…

 何ニ戦ッテル??

 コンナ速イノニ何故?」


「…マァ…傭兵カナ、、

 ぼくハ学校ニ雇ワレテ

 日本ニ来タ身ダヨ。。」

「…(´・ω・`)」


「コレハ…仕事ダ。

 きっくす君ハ違ウノ??

 語学留学生デアルキミハ

 戦ウ理由ガアルノ??」

「…私ハ…(・c・;)」



 キックスが答えに窮して

 いたそんな時…


 <18番>のコール。。

 話は中断なんやけど、、



「…なんこうサン…

 私ハ、(・_・;)

 助ッ人チガイマス。。」

「…??( ゜v゜)」


「私ハ…戦員デズ、

 天下茶屋高校ノタメニ

 戦イマス。(`・ω・)

 傷ツイタ仲間ヲ救ウ。

 コレガ私ノ意思…」

「…フン、(;´・v・)

 ダッタラ頑張ッテ。。

 ぼくハ同郷ノ友トシテ…

 キミガ羨マシイ。。」



 いい顔をしてた…

 らしい。。(・.・;)


 戦う意思を抱いた

 最強の助っ人…


 ではなく一人の戦員が、、


 キックス・オーキャットが

 中継点に向かった。。




大ブレーキとなった三区の昇。

計画変更を余儀なくされた

四区のキックス。。


けど…(・.・;)

平和を愛する男に闘志が…



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ