140 誤算
赤阪から遥へ…
絶好の位置で渡った襷は
どうつながるのか。。
「頼むぞ!!(;'v'*)ノ」
『はい!( `v´)ノ』
異様なまでの注目の中で
天下茶屋は阿倍野遥に…
6位で襷を繋いだ。
目の前には獲物が二人。
後ろは…まだ見えない。。
駅伝選手にとっては最も
走り出しやすい形。。
まさに理想の展開で一区を
走り抜いたのは…
「…赤阪!!(;'O')
よくやったぞ赤阪!!」
「はぁ…(;^∀^)
すんげぇ嬉しい。。
駅伝って超気持いい…」
「…なんだよ。(;'∀')
また随分と余裕あるな。。
もう一本走れそう??」
「…走りたい。。(*'ω'*)
あと一本と言わず…」
「お前…凄ぇよ。(;v;)
どれだけの努力をしたら
こんな成果が出る!?」
「…まだだよ。(;´・v・)
みんなまだこれから。。
ボクも…遥も…」
「それで赤阪…(・c・;)
阿倍野は大丈夫なのか?
本当に行けるのか??」
「…遥ならきっと…(;´・v・)
けど入れ替わりが激しい
二区ってのはちょっと…」
「たしかに。(・.・;)」
三キロの最短区間とはいえ
順位の昇降は多いから…」
「…そういう区間だ。
駅伝の二区は怖いよ。。」
これは二人の言う通り。
(・.・;)
駅伝の二区は…怖い。。
そもそも駅伝は団体競技。
後半区間での順位はおよそ
チーム力の通り。
周囲のランナーの実力も
みんな同じくらい。。
加えてランナー毎の距離も
広がるからそれ程は
順位の変動は起こらない。
のだけど…
二区は違う。(´゜д゜)
襷を受ける時の順位は
一区走者の力量のみ。。
つまり一区が凡走すれば
二区はチーム力に見合わない
順位からのスタート。。
ごぼう抜きが期待される。
けど逆にチームの力に
見合わないエースが
一区で好走をしたなら…
二区は必ず抜かれる。
(;'∀')
その覚悟を走る前から
求められるのが…
駅伝ならではの怖さ。。
では…遥の周囲は??
(・_・;)
およそ予想通りの順位で
スタートした二区の様相は
どうかと言うと。。
4位集団の一キロは…
3分05秒で通過。
この順位の二区としては
けっこう速い。。
9分25秒が持ちタイムの
遥にとってはかなり
厳しいペースやねんけど…
「…くそ、<(`c´)>」
「なんで離れない…
コイツ本当に女子か??」
『…(; ・`n・´)ノ』
スタート時に2秒あった
差を詰めてされにこの
ハイペースを恐れず、、
4位5位集団にピタリ…
引っ付いてる。。
(; ・`c・´)
実力より上のランナーに
へばりつくように…
これが駅伝で言う、
<連れていってもらう>
という走り方。。
けどこれは前に走る者…
特に男子にとっては
特大のプレッシャー。
目一杯に飛ばしてなお
格下が離れない。。
やむを得ず前方は
振り落としにかかる。
だがそれでも遥は
食いついて離れない。
するとやがてそこに…
隙が生じる。。
これはその指揮を取る
コーチ陣には…
嬉しい誤算。。
けどこれは駅伝競技。
誤算なんてそこかしこで
起きるもの。。
およそ下位に沈む者には
それがあるわけで…
「…赤阪…(・n・;)」
「やぁ。(;'∀')
河南じゃない。久々。。」
「何が久々だ!?(`O´)
呑気なツラしやがって
どういうことだ!?」
「…なにが??(・.・;)」
「…なんでお前が…
お前が俺より速い??
何が起きた??」
「…さぁ。(;´・ω・)
ボクは予定のペースで
走っただけだけど…」
「…おかげで俺は…
あれでペースを乱した。
一区が14位ではもう
府大会は絶望だ!(;O;)」
「…それ…(・c・;)
ボクのせいなの??」
「…っていうか南方!!
なぜお前が走らない??
天下茶屋には一体
何があったんだ??」
「…まぁ…(・.・;)
掻い摘んで言うとだな…」
二区との中継所…
赤阪たちに近づいたのは
河南という選手。。
赤阪の中学時代の同期で
同じ一区を走ったが…
格下だった赤阪に完敗。。
(´・ω・`)
ペースを乱して潰される
というオマケ付き。。
さらには…
「…ウソだろ…(;'∀')
天下茶屋は駅伝部??
しかもそんな…」
「…本当だよ。(;´・v・)
本気で都大路を目指して
それだけの練習をした。
ボクの今日の走りはその…
成果の一端だよ。。」
「…しかも…(・O・;)
全員が一区をつとめた
赤阪と同格以上??」
「…まぁね。(・v・;)
ボクは放出の代打。。
そうでもなければ本気で
都大路もないだろ??」
「…だがその…(・c・;)
二区はどうなんだよ??
聞いた話ではその…」
「…ああ。(;'v')
でも遥は心配いらない。。
ボクと同じだけの
練習をしてきたから…」
「…本気かよ。(・c・;)
女子が本当に勝てるか?」
「…さぁ、(;-∀-)
けど互角にはやれると
思うけどな。。」
互角にはやれる。
(`・ω・)
それはその通り。
その目算があるからこそ
ウチは遥を起用できた。
けど本当の目標は
それよりも上。。
順位を上げること。
抜き去ること。
それが適うかの答えは
1.7キロ地点…
さらに誤算が。。
「…落ちた!?(・c・;)
遥が前のランナーを一人
振り落としたって!?」
「…おう赤阪。(;'∀')
放出が言うには一人を
遥が抜き去って…
置き去りにしたと。。」
「…マジかよ。( ;∀;)
これは男子駅伝だぞ…」
「…凄いよ…(;'v')
アイツ本当にそれだけの
高を重ねたんだ。。
このクラスの選手にも
負けないだけの…」
「…けど南方…(;・v・)
だがそれは本当にその…
このクラスかな??」
「えっ??(・.・;)」
「ここは…二区だ。
同じ順位でも力の差の
激しい区間だから…」
「…つまり…(・O・;)
選手の力量はバラバラ。
クラスではないと…」
良くも悪くもそれが…
現実やと思う。。
(・.・;)
同じ順位でも走力は
強いのも弱いのも…
一人を振り切ったこと。
それは現実…実力。
だがそれがこのクラスの
レベルか問われれば…
…事実…(・.・;)
遥もまた振り払われた。
9分台前半のペースは
やはり遥には厳しい。。
これで…単独五位。
前にも後ろにも敵は
いなくなった。。
順位を一つ上げる快走。
とはいえ…
ほぼ同時にスタートした
走者とは一勝一敗。
連れていってもらった
おかげで実力以上の
走りをできた遥やけど
ここからは…
…己の実力と精神力。
それだけが問われる
本当の勝負処。。
『…プハっ。(`O´;)』
「……阿倍野…(・c・;)」
『…くっ、(`n´;;)』
「アゴひけぇ!(; ・`д・´)
気を抜かずを向け!!」
『は…放出先輩??(;'∀')』
「残り1キロ!姿勢を正せ!
視線を落とすなぁ!!」
『…はい…<(`^´)>』
「あとはただ無事に…
走り切れ、、( ;O;)」
放出が…冷静を欠いた。
(`・c・´)
二区の2000m地点…
このレースで初めて
ラップタイムの報告を
怠るくらい。。
…忘れてはならない。
阿倍野遥も故障明け。
三年前に駅伝で
アキレス腱断裂の重傷を
経験してる身。。
その遥を無事に無難に
走り切らせること。
女子としては大きな体の
姿勢を保たせること。
もし可能ならこのまま…
一つ順位を上げるという
最高の結果を以て
終わらせてやりたい。。
何にも乱されることなく
最後まで辿り着くことを
願うばかり。(;´・n・)
けど…これは競技。
自分の都合だけで願いが
叶おうはずもない世界。
後方から…来る。
7位集団から抜け出した
選手が一気に二人、
遥が振り落とした選手を
交わして6位7位に…
そしてさらに
「…ちっ、(; ・`n・)
やはりそう甘くは問屋が
卸してくれんか。。」
『…あっ、(;´・O・)
来ないで、、、』
猛然とくる。。
残り500m地点。。
二人の選手が遥の後方…
足音が聞こえる位置に
まで上がってきた。。
来ないで…と言われても
あくまで競技の話。。
振り払えるか迫られるかに
他者の助けは皆無。。
なお次回から暫くは
火曜日11:00の隔週連載と
させていただきます。
他の連載と並行しますので
なにとぞご容赦ください。




