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133 前進した先に

100キロ走を終えた駅伝部


合宿最終日に何かが変わった??

(・.・;)


「ようし、最終日や。

 きっちり仕上げるど!」

「応!!(`・ω・)ノ」



 昨日行われたの特別練習で

 部員全員で100キロを

 走り抜いたワシら駅伝部。


 少しだけ…

 変わったような気がする。



 にわかにではあるけど

 仲間意識が上がった。。


 選手はみんな疲れも残さず

 最終日の練習に挑む。

 んやけど、(-_-)


 みなみは少々キツそう。

 けど意地でもその弱さは

 見せないように。。


 陸上経験者がたった5キロ

 走っただけとはいえ、

 やはり現役とは異なる。


 いや…それ以前に、、

 (´・ω・`)


 走れないはずの身体。。

 それでもなお仲間たりたい

 という気持ちはいったい

 どこから来るのやろう??


 この刹那的な情熱は…



 ただ…その疲れを隠せない

 人は別にいたわけで、、

 (-_-メ)

 そりゃええ歳こいて、

 現役と同じ勢いで炎天下を

 30キロも走れはその。。


 

「…はぁ。(・.・;)

 それであのあと疲れて

 寝てしもたんですか…」

「…恥ずかしながら…

 それで昨日の分の原稿が

 上がってないんだ。。」


「せやから今日の練習は

 適当にやっとけって、、

 千林さん、(゜Д゜)ノ

 いい加減すぎます!!」

「…面目ない、(-_-;)

 けど今日は仕上げだ。。

 細かいメニューは難波に

 預けといたから、、」



 …って仕事に戻った。

 (。-`ω-)


 まぁ今日は元から大して

 練習する予定やないから

 それでもええけど、、


 困ったことは別にある。

 (;´・ω・)

 だって今日は昼からワシら

 ワゴン車で帰る予定。


 けど…ワシらは高校生。


 運転免許を持ってるのは

 若葉マークの放出だけ。。


 行きのことを考えたら

 運転手が練習の疲れの残す

 一人だけでは危ない。。


 途中まででも千林さんが

 運転してくれたらと

 少し期待しとったのに、、

 (;´・ω・)


 そのこと皆に相談したら…



『…イヤぁ!!(;゜Д゜)

 そんなんウチ怖い。。』

「けどしゃぁないやろ泉。。

 元から放出一人が運転する

 予定やったんやから…」


「けど俺も不安だ…(-_-)

 疲れも残ってるんだ。。

 本音を言えば交代できる

 運転手は欲しいよ。」

「…放出にそう言われると

 ワシまで不安になる。。

 (。-`ω-)

 なんかええ方法は、、」



『…やったら、(;゜Д゜)

 メグちゃんにお願いする。』

「…恵さんに??(・.・;)

 そんな勝手させるなんて

 大丈夫やの??」


『せやけど兄貴は明日から

 別チームに合流やから

 元から帰りは今日一人で

 電車の予定やから…』

「…マジで??(・.・;)」


『それに今夜はウチら…

 パーティー行かなあかん

 ねん、、(;゜c゜)』

「…昔のコントみたいな

 口調やね。(;´・ω・)」



 ウソみたいに都合のええ

 話やけど…(-c-;)


 それが本当みたい。。


 大学のラグビー合宿やった

 恵さんは今日は他の部員

 より半日早く帰宅予定。


 だって明日からなんと…


 関空からイングランドに

 飛んで親善試合。(・c・)


 ホンマに凄い人なんや。。



 けどそういうワケで…

 (・.・;)


 ホンマにワシらの運転手

 引き受けてくれた。。


 大男が一人増えて

 車はかなり狭なるけど

 これはしゃぁない。。

 (;´・ω・)


 今夜の件もあるので、

 朝の練習を終えたらすぐ

 恵さん運転で帰りです。



 とはいえ…そんな多忙な

 スケジュールを縫って、

 なんで一旦帰宅して

 パーティーかと言うと、


 それは運転席の恵さんが

 直々に説明するわけで…



「…昇進パーティー??

 誰のですか??」

「おいおい泉、(;´・ω・)

 皆には言ってないの?」


『けど…ウチはマスコミの

 手前あまり目立ったら

 アカンらしいから。。』

「…そういう問題かよ…

 のぞみには一生に一度の

 めでたい席なんだ。。」


「…そうか。(;゜v゜)

 昇進したんですね。。

 摂津山さん。」

「…そうだよ赤阪くん。

 ついにアイツも念願の

 摂津山関だ。('ω')ノ」



 そうか。(・v・;)


 泉の次兄の希さんこと

 大相撲の摂津山さん。


 七月場所の好成績で、

 念願やった十両昇進を

 果たしたんや。。


 中学横綱として入門し、

 若干20歳で関取昇進。


 順調に出世してはる。。



 けど考えてみれば…


 佐野三兄弟の長兄は

 ラグビー日本代表。

 次兄は大相撲の関取。


 …末弟にかかる重圧は

 如何ほど…(;´・ω・) 



 おそらくそのことも

 あってやろう。。


 今の泉は…日陰の存在。


 だからせめて競技人生の

 最期は華々しく…


 都大路に爪跡を残したい

 思いは強い。。(;n;)


 だから話はその件に

 及んでいくわけで、、



「…なるほど。(・v・)

 駅伝は皆で同じ方向に

 向かって走る競技…

 それが主将の見解か。」

「…そうです。(・_・;)

 ワシらは昨日の練習で

 それを実感しました。」


「はは。(*^v^*)

 それはラグビーも同じ。

 俺たちは同じ思いで

 競技してるのかな??」

「…どうでしょう。。

 けどワシは何というか…

 ラグビーが羨ましい。。」


「…と言うと??(・.・;)」

「だってラガーマンは…

 仲間と一緒に前進します。

 そこは駅伝と違うかと…」


「…なるほど。(*^ー^*)

 それは興味深い見解だ。

 たしかに俺たちは仲間を

 背負って前進する。。」

「…そうです。(;´・ω・)

 能勢もワシと同じこと

 言うてました。。」



「…けど…(;'v')

 俺は俺で駅伝のことが

 羨ましいぞ。。」

「…と言いますと??」


「…俺たちにはな。。

 大事な仲間は後ろにしか

 いないんだ。(;´・v・)」

「…あっ、(;´・O・)」


「キミらは戦った先に…

 前に向かった先に仲間が

 待ってるんだ。。

 そうは思わないか??」

「それは…確かに。。」


「しかも…遮る敵はいない。

 キミと襷を受け取る仲間を

 誰も邪魔はしないんだ。

 あくまで純粋に自分自身と

 戦えるんだからな。。」

「…それも確かに……」


「まぁ…(*^ー^*)

 俺は敵と戦うことが

 大好きだからラグビーに

 向いてるのだろうが…

 キミたちはどうなんだ?」



「…私ハ…(`・ω・´)

 戦ッテ敵ヲきずツケルコト

 シタクアリマセンデス。」

「…たしかに。(*^c^*)

 紛争難民であるキミが

 言うと説得力あるな。

 だが俺はイングランドと

 戦う身でもあるぞ。。」


「英国…私ノ祖国。(゜Д゜)

 きずツケナイデホシイ…」

「…つけないよ。(-_-;)

 っうか今回は多分ウチが

 やられちまうよ。。」


「…恵サン、(;n;)

 ドウゾ御自愛クダサイ…」

「うーん。(*^ー^*)

 ちょっと日本語は変だけど

 気持ちは受け取ったよ。。

 けどならばキックスくんは

 なぜ戦うんだい??」



「……ワカリマセン。。

 ケド私ハ…仲間デキタ。。

 ソノ仲間ガ戦ウナラ…

 私モゴ一緒シタイ。。」

「…だが戦えば…(;'v')

 必ず傷つく者は出るぞ。。

 それでもいい??」


「ケド私ヲ含メテミンナ…

 ミンナ色々トきずツイテ

 マスデス。(;´・ω・)」

「…えっ、(・_・;)」


「モウきずツイテル人…

 誇リヲ持テテイナイ人…

 モシ戦ワナケレバキット

 モットきづツク。。」

「…うーむ。。(・o・;)」


「ダカラ…私ハ駅伝スル

 コトニシマシタ。

 誇リナイママ生キル…

 きずダラケモ同ジ。。」

「…ったく…(; ・`v・´)

 キミは日本人以上にいい

 日本語を使いやがる…」


「??(・.・;)??」

「…じゃぁキックスくん。

 改めて泉を頼むよ。。

 コイツもみんなも多分…

 戦わなければ傷だらけの

 連中みたいだから。。」



 そう…以前に言うた通り。

 (´・ω・`)


 戦わなければ不戦敗。

 まして既に傷を追ってる

 ワシらにとっては、

 傷を癒す機会すらない。


 ワシらより速い泉にしても

 兄たちとの格差に傷つく

 弱者の一人かもしれん。。


 いや…ワシらから見れば

 強者の恵さんでさえ

 世界ではやられ役同然。



 それでもワシは…

 前進したいのかもしれん。


 目の前に仲間がいれば

 ワシらはきっと、、


 それが駅伝競技であり…

 誇りなのかもしれん。。



誇りのために戦う。


傷つくことを恐れず戦うのは

誇りを傷付けたくないから。


駅伝部の走るべき方向…

決まったのかもしれません。


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