132 戦う集団
合宿終了目前。。
駅伝部は結束を高めるために
100キロ走をしています。。
「……疲れた。。(T_T)
なんや急に体が重いで…」
「けどまだ半分弱やで、、
もう12時回ってるのに…
ホンマ完走なんかできる
やろうか??(-_-;;)」
みんな参ってる。。
そりゃそうやろな、、
ワシもそうやし、
(-_-;)
夏合宿の最終日前日。
色々と問題の多い
ワシら駅伝部に急遽
課されたのは、、
100キロ走。(・_・;)
それも全員が集団のまま
夏の炎天下という中、
日暮れ前に完走しろという
かなり過酷な条件。。
走り始めて約四時間。
現在時刻12時半にして
45キロを通過して
昼休憩に入ったとこ。
ワシらは昼食を取りながら
考えるわけで、、
「じゃぁ天保山の意見では、
13時からまず20キロ走って
一度休憩して、、」
「ああ。昼飯食ってすぐに
長い距離はムリや思う。
せやからまず短い距離を
こなしてから、、」
「少し休んで15時半ごろから
残り35キロか。。」
「まぁ…妥当ではあるが
そのペースやと、、」
ゴール予測タイムが
夜の7時前。(・.・;)
この山道で日暮れ時刻を
見据えると危ない。。
とはいえ、、
一度も休憩せずに残りの
55キロは走り切れない。
ではその、、
そういう時こそみなみの
出番なわけで。。
『とにかく、(; ・`д・´)
昼食終えたらみんな
横になって。。』
『…なんで??( ゜Д゜)
ここに来て昼寝か?』
『…マッサージや!!
ここで少しでも疲れを
取らんともたん!!』
『なるほど。(*ノ^ω-ノ)
けど難波はマッサージの
心得があるんか??』
「…よし、ならばここは
俺がやる。<(`^´)>」
『千林さんでっか。('ω')
それやったら技術面は
間違いおまへんな。。』
「ではまず佐野から!!
早く寝転がれ!!」
『…えっち、(๑˃̵ᴗ˂̵)
ケツは触りなや。。』
まぁ…(´・ω・`)
この二人はそうなるか。
けどとりあえず選手同士
でもやってみると、、
…連帯感がある。。
(´・ω・`)
これまで練習終了後に
しかしたことのない
マッサージを練習中に
取り入れること。
目的を遂げるための
手段として触れること。
たったそれだけのことで
意外なほど。(・_・;)
これまで人付き合いを
してこなかったワシには
理解する機会すら
なかったであろう感覚。
…触れること。
仲間に直接触れる機会の
ほどんどないワシら
陸上競技者にはあまりに
わかりにくいこと。。
だからか…(・v・;)
13時に走り始めてワシが
最後尾から見ていると…
「…能勢。。(・_・;)
そろそろキツイか??」
「…ちょっと。(;'∀')
メシ食って腹筋に来た。。
俺にはこんな長い距離は
不向きかもしれん…」
「やったらこれで頑張れ、」
「…おいおい、(#・。・#)
よせよ恥ずかしい、、
お前も疲れるやろう??」
「…照れるな、、(`^´)
皆でゴールするため
なんやからな。。」
「…そうか、(;´v`)
皆のためなら、、」
だからワシは、、
能勢の背中を押した。
(`・v・´)
少しでも力を貸せる
ように思い切り、、
すると…同じことが
そこかしこで。。
これが、一体感??
これが今の駅伝部に
欠けていたモノ??
だったら、、
「あと一周!!
あと5キロ追加!!」
「…えっ。(゜Д゜;)
この周回を終えたら
休憩ちゃうの??」
「ええから!(; `v´)
今のうちに行けるとこ
まで行こうや!!」
「…えっ、(;'∀')。」
こうして…
急遽予定を変更して
あと一周をこなした。
時間は午後三時過ぎ。
残りはあと30キロ。
それで、、
『…みんな軽食だけで
ホンマにええのか??』
「ああ。(・ω・;)
今は何よりみんなで…
一秒でも早く、、」
『…なし遂げたいんか。』
「今さらやけどな、、、
確認しておきたいんや。。
何というかワシらの…」
「…絆、だな。(;・v・)」
「ですかね千林さん…
ワシは駅伝部のみんなは
同じ方向に走っていると
思ってましたけど…」
「…わかりにくかった。。
ということか??」
「…はい。(・c・;)
どこか絆を感じる機会が
なかったのかなと…」
「…そうだな。(・v・;)
今日はこれをやらせて
みて良かった。」
「(´・c・)??」
そう、千林さん曰く、、
駅伝という競技は実は
絆を感じにくいとか、、
(;´・n・`)
サポートプレーもない。
コンビプレーもない。
囮の動きも犠打もない。
それどころかその身体に
触れることもできない。
そう。他の団体競技と
比べるまでもなく、、
駅伝は単独戦。(゜v゜)
同じフィールドに立つ
味方は一人もいない
という特異な団体競技。
支えてくれる仲間は
心の中にしかいない。
同じ方向に走る
ことさえない。。
その象徴は細くて軽い
一本の布切れだけ。
けどだからこそ…
(´・ω・`)
どこかで仲間意識を
高めておかないと
チームにはならない。
同じ方向に走っている
確信が必要。。
その支えなくして…
襷が繋ぐ絆の重さは
生まれない、と…
目標まで…残り6周。
距離にして30キロ。
日暮れまではまだ
三時間以上ある。。
疲れ切った身体に
ムチ打てばおそらく…
走り切れる。。
(`・ω・´)
そうすればきっと
ワシらに絆ができる。
けどせやからって…
千林さんも走るの??
(;゜Д゜)
引退して8年でしょ。。
足引っ張らんといて
くださいって、、
あれれ??(;゜Д゜)
「ほら!押すぞ!!」
『…せ…千林さん、、
私は大丈夫ですから。』
「いいから!(;゜Д゜)ノ
ボクはまだ元気だぞ!」
『…けどその…(TcT)
私は佐野先輩に押して
もらいますから。。』
「ほら千林さん…(・v・)
しょげないでボクを
押してください。」
「…赤阪は…(;v;)
やさしいなぁ、、」
「…ぶっちゃけみんな
限界なんです。(#^v^#)
けど今だけ少しだけは
ムリしてみようと、」
「…だな。。(`・v・´)
けどここを乗り切れば
ボクらはきっと。。」
「…乗り切りましょう。
ここで自分に勝てれば
駅伝部はきっと…」
「…なれるかもしれんな。
不遇な寄せ集め集団から
戦う集団に。。」
こうして…5周。
(`・ω・´)
ペースは落ちたけど
もう少し。
あとはみなみの補給を
受けて…
ってあれれ?(;゜Д゜)
『最後は…(; ・`v・´)
ウチも行くで!!』
「み…みなみ、(;゜Д゜)
一周とはいえ5キロ
あるんやど、、」
『…大丈夫。(;'∀')
今の周回は30分も
かかっとるんやから。
そのペースなら…』
「…わかった。(゜ー゜)
やったらワシが
支えたるから、、」
これが…仲間かな。
ノ(;v:`)
ホンマなら一刻も早く
走り切りたいところ
やけどみんな、、
みなみを囲んで
ペースを落とした。
完走は…もう確実。
壁を越えたワシらは
体はボロボロでも
みんなに笑顔が…
笑顔こそ作れない
ワシやけど、、
思いは同じ。。
絆を築けたと思う。
けど…
選手はもちろん裏方も
タイプも能力も違う
色々いるのが当然。。
これを理解して思いを
同じにして、、
一丸となって進む。
背中を押してくれる
仲間がいるを知る。。
同じ方向に走っている
チームと信じられる。。
それだけできっと…
真っ赤な夕焼けの中で
全員そろってゴールした
こと、そして…
キックスの囁いた一言を
一生忘れへんと思う。。
戦ウッテ…(;´-v-)
コウイウ事ナンデスネ、、
自分に勝つこと。
それは自分だけの戦い
ではない。
頑張る個人から戦う集団へ
脱皮できたのかもしれない。




