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129 壁

練習中に倒れた天保山昇。


けど意外に他の部員は元気。

(^ω^)


というかカラ元気で、、



「よーし、タッチ!(;'∀')」


「今度はキックスが鬼や!!」


「…鬼ッテナンデスカ??

 (´・v・`)」



 …またか、(-c-)/

 キックスくん泣いてはるよ。


 とかくこの子は非常に

 トラウマが多い子やから

 言葉を選んで説明して、、



 それにしても…

 みんなタフやな。。

 (・.・;)


 今日はオフやと言うのに

 ワシ以外の皆は朝から

 お外で走り回ってる。。


 様子を見に来た千林さんも

 少々呆れ気味で、、



「…ったく、(・_・;)

 高校生にもなって

 鬼ごっこかよ、、」

「…いいじゃないですか。

 (*'ω'*)

 だってオフと言っても

 近所に遊べる場所なんて

 ないんですから、」


「…ちゃんと体を休めろ。

 オフの意味がない。。」

『けど本能ですから。

 体を動かすのが一番

 快適なんやて…('ω')』


「…人間もそうなの??」

『もちろん。(*'ω'*)

 体の動くうちはどんな

 動物もそうらしく…』


「…生物学的には佐野の

 言う通りかもだが、、

 (`・ω・´)

 宿題はどうした??」

「…(;´-n-`)」


「生物以前に高校生!!

 勉強しないといい大学に

 行けません!!<`~´>」

「…はーい、(゜Д゜;)」



 というわけで…

 お遊びはこれまで。

 (;´・ω・)


 高3の冬場まで部活を

 やってる駅伝部員が

 夏休みに勉強せんなんて

 あってはならんこと。。


 ただ…

 外で遊んでいるのには

 理由があって、、



「…それより…

 天保山は大丈夫か??

 かなり危なかったと

 聞いてるのだが、、」

「…それが。(;´・ω・)

 体は大丈夫なのですが…」


「…やはり精神面。。

 昨晩からずっとか??」

「…酷く落ち込んでて…

 俺たちには心を開いて

 くれないというか…」


「…それで今朝から

 難波と二人っきりで

 いるってわけか、、」

「…はい、(・c・;)

 もう同じ宿舎にいられる

 空気でさえなくて…」


「だけどそれ…(´-ω-)

 宿題スッとばす理由に

 ならないからな、、」

「…食堂でやります。。

 (;´・ω・)」



 まぁ…(´-ω-)

 勉強はそれでええけど…


 ワシはそれどころやない。


 …走るということ。

 自分の好きなことであり

 唯一得意と言えること。


 そしてこんなワシが

 仲間と一緒にいられる…

 夢を見られる…

 自分の生きる価値を証明

 できるかもしれんのが…


 …駅伝。(`・ω・´)


 今のワシにとっては

 たった一つの宝物。。



 けど全力で走ることで…

 人並以上の走りを求める

 だけのことでワシは…


 …命を危険に晒す。

 (;´・ω;)


 みさき叔母ちゃんに

 救われた大切な命…


 それを輝かせるための

 身体を危うくしては

 本末転倒。。


 というか純粋に…



 怖い、、(/;ω;\) 


 何度も経験したはずの

 ランナーズハイに

 強い恐怖を覚えてる。

 

 死の淵に立つこと。。

 命を失くすこと。。


 …その現実を一度

 経験しているワシは

 人並み以上に理解して

 いるんやと思う。。


 せやから…



『…走るのが辛い…

 (´・ω・`)

 昇はそう言うんやな。』

「……ああ。(;n;)/

 それでええと思う。。」


『…怖いか。。(・n・;)

 やっぱりこれまでとは

 違ったんやな。。』

「…というか、、(;c;)

 あまり言いたないけど

 一瞬だけやけど…」


『…会った!?(;'c')

 お母ちゃんとか??』

「…はっきりはわからん

 かったけど…(;n;)

 みさき叔母ちゃんの

 声が聞こえたような

 気はしたんや。。」


『…それ…(;´・ω・)

 ホンマに死の淵まで

 行ってたんかな…』

「…わからん、(´-c-)

 けどワシがそれと同じ

 くらいに怖いのは…」



 …全力で走れない。

 (´・ω・`)

 いや…その恐怖ゆえに

 意図せずその歩みを

 緩めてしまうこと。。



 これはおそらく…

 放出の苦しみと同じ

 なんやと思う。。


 一人で走るのなら…

 どんなペースであろうが

 手を抜こうが勝手。。


 ムリをするなと自分に

 言い聞かせることに

 微塵の背徳もない。。


 けど…駅伝。。


 仲間を想いながら…

 その全力を尽くさない

 選択肢など取れよう

 はずもない。(;´・ω・)


 削り出せる一秒が

 目の前にあるのなら

 ためらうことなく

 命だって削れる。。


 少なくともワシは

 昨日の今頃までなら…


 そんな綺麗事を口に

 することができた。


 …せやのに…(;´・ω・)

 たった一度現実を見た

 だやのというのに…



 だから恥ずかしくて…

 合わせる顔がなくて…


 迷惑など掛けられる

 はずもなくて…


 以前のワシと同じ。。

 (´;ω;`)


 仲間と距離を置く…

 付き合いを避けること

 でしか自分自身を

 保てなくなってる。。


 そんな自分は…

 イヤで仕方がない。


 けど…



『…ならば昇はなぜ…

 ウチはええの??』

「…えっ??(´・ω・)」


『ウチかて…仲間やで。

 他の連中と同じように

 突き放さんのには

 理由があるんか??』

「…なぜかな、(;´・ω・)

 自分でもわからんけど

 みなみだけは、、」


『ウチだけは…(・_・;)』

「ワシの感じた怖さ…

 もどかしさ…

 分かってくれると

 思ったからかな。。」


『……そうやな…(;n;)

 そうかもしれん、、、』

「…すまんな。(´-ω-)

 だってワシはやはり

 そういうワケには

 いかん思うから。。」


『…そうか…(;´・ω・)

 昇はウチと違て今さら

 放り出すわけには。。』

「……そう。。(´;ω;)

 けど今は少しだけでも

 時間が欲しい。。」


『…そうやな、(ノ;ωノ)

 そんなセリフを連中に

 聞かせたりしたら…』

「……ワシは…(;_;)/

 いや、ワシらには…

 それはでけへん責任が

 ある思うから、、」



 そんな時に…

 千林さんが入ってきた。


 さっきの会話…

 どこから聞いてたん

 やろうな??


 どうしてええのかも

 分からん表情ではある。

 (´・ω・`)


 とはいえ…

 黙っているのはできない

 事態のようで、、



「…まったく、、(´・ω・)

 お前たちはなぜみんな

 そうも刹那的だ??」

「…えっ??(´・c・)」


「だって…考えてみろ。。

 選手が常に万全の状態で

 いられるわけがない。

 全力を出せないことも

 日常ではないのか??」

「…それはそう…

 ですけど、(´-ω-`)」


「…そんな選手をやりくり

 するのが監督のボク…

 そしてコーチの難波の

 仕事ではないのか??」

「…それはわかってます

 けれど、、(;c;)」


「…だから天保山…

 お前はこれ以上頑張るな。

 ボクや皆に頼って、、

 できる範囲だけでも…」

「…けど…ワシは…

 けど…( ;O;´)」


『…千林さん…

 これ以上は、(;´・ω・)』

「…スマン、(・_・;)

 言いすぎたようだ。。」



 ワシは…(:n;)

 堪え切れずに泣いた。。


 内緒にしておきたかった

 食堂にいた連中にまで

 聞こえる大きな声で、、


 恥ずかしいより…


 …消えてしまいたい。。

 これ以上もう…

 こんな自分でいられない。


 そんな気持ちで…

 一杯になってしもた。。

 (;´・ω・)



 皆を頼るべき、、

 そんなことわかってる。


 けど…

 現実としてでけへん

 チーム事情であること。。


 それがでけん不器用な

 ワシであること。。



 このわだかまりを

 抱えたままでこの先も

 ワシは。。。


 走り続けること…

 でけるんやろうか??


優しいはずの言葉は時に

なによりも残酷に響く。。

(−_−;)


昇は、、

チームは立ち直れるの??


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