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120 違和感だけ

凄惨すぎたキックスの過去と

重すぎる想い、、

(・_・;)


けどこの後を受けた昇は


ずっと過去を語ることを

躊躇ってきた男。。


「ハテサテゴ列席ノ皆様方…

 私ノ話ハ幕引キで宜シ候ワバ、」

「……(´・ω・`)」


「アノ…(・_・;)

 話ヲ終ワッテイイ??」

「…ええと思うよ。(;´・ω・)

 ホンマ辛い思いをしたんやな…」


「ナラバ天保山サン、(;'v')

 次ヲ巻イテオ願イシマッッセ、」

「…わかったけど…(´・ω・)」



 なんというか…(;_:)

 重すぎる話が終わった。。


 思春期の悩みとか重大事とか

 色々あるけど実際として…


 キックスに匹敵る大問題を

 抱えた高校生は、

 日本中を探してもおらん思う。。


 ケガだの棄権だのオカマだの…


 不遇な連中の集まりである

 駅伝部の面々でさえ、

 あまりの自分の小ささに

 恥ずかしなるレベル。。

 (・_・;)


 この次に自分の身の上話を

 せなあかん人間のことも

 少しは考えてほしい。。


 だからとりあえず質問を

 募集するわけで…



「…じゃぁとりあえず質問。」

「…はい、放出くん。(・_・;)」


「たしか天保山と難波は

 従兄妹いとこという関係だよな。」

「…そうやけど…(´・c・)」


「じゃぁ難波のことについても

 一緒に語ってもらえるの?」

「そりゃ…まぁ…(;´・ω・)」


「あと血の繋がりがないとも

 聞いてるけど…」

「やっぱりそこから…(;;´・ω・;)

 話さなあかんねやろうな。。」



 やはり…そこから。(;_:)


 ワシとみなみの血縁については

 一部には話してるけど、

 知らん者もおることやから。。


 けどこの話をする上で、

 避けて通れない一件がある。


 ワシは…このことを誰にも

 話したことはなかった。


 だって…同情されるから。


 こんなワシが哀れまれたら、

 誰にも顔向けでけへんかも

 しれへんから…


 とはいえ…(;´・ω・)

 不器用なワシは上手くそこを

 避けて話すなんてことは…


 だからとりあえず見切り発車で

 話を始めてしまったわけで…



「…前に鉄板焼きなんばに来た

 連中は知ってる思うけど、

 あの親父さんはワシの叔父…

 つまりオカンの弟なんや。」

「おう。(;´・v・)

 そのことは聞いてるよ。」


「それでみなみはその…

 嫁さんの連れ子ってことで…」

「…連れ子??(;´・ω・)

 何や難しいことなってない?」


「…知ッテマス。ヽ(^c^)

 碁盤ニ向カッテ一人デヤル…」

「…それは詰碁!(=゜ω゜)ノ

 というかそっちの方が難しい!

 ちゃんと説明するから…」



 …ったく、(-ω-)/

 なんでそんな日本語だけ

 知ってるの??


 けどキックスのおかげで

 まずは言葉の解説から…


 説明はしやすなったかも。。



 30過ぎで独身やったオッちゃん。


 そんなむさ苦しいところに突然

 キレイな嫁さんがやってきた。


 それが…みさき叔母ちゃん。


 とはいえワシの目からみても

 美女と野獣に近いわけで…

 そんな結婚がなったんはその…

 (;´・ω・)


 …初婚でなかったからかも…


 前の旦那さんとの娘を連れて

 いきなり旦那の実家で同居…

 ということやったらしい。。



 けど普通ならば歓迎されないで

 あろうこの状態にあっても…


 みさき叔母ちゃんには無関係。

 (; ・`v・´)


 やさしさくて素直で働き者の 

 叔母ちゃんは歓迎され…


 みなみもその立場を知ってか

 小さいながらも店の手伝いを

 するなどよく働いた。


 そしてわだかまりなどない如く

 平穏な日々が訪れて…


 近所に住むワシとみなみは

 生まれながらの兄妹のように

 仲良くなって…


 そんなワシを叔母ちゃんは

 息子以上に可愛がってくれた。


 クリスマスには帽子をくれて

 今でもそれは宝物…やけど…



「…よかったじゃない。(・.・;)

 なんでそのことを今まで

 語ってくれなかったの??」

『…放出…(:_;)

 そこは聞いたったらあかん。』


「佐野…もしかして(;´・ω・)?」

『…ああ、(´・ω・`)

 ワレも少しは気ぃ使ぅたれ…』



 泉が気を使ってくれたけど…

 (´・ω・`)

 ここまで語ってその先を

 黙っるのは不自然やろうな。。


 だってキックスはそれ以上に

 凄惨な身の上を

 平然と語ってくれたから。。


 その理由は…仲間。。


 仲間であり戦友であるならば

 いくら自分の望まないことでも

 語るべくはあるわけでその…



「…それから一年近く経った

 小学三年の終わり頃やった。。

 親族みんな集まって緑地公園に

 梅見に行ったんやけど…」

「…おいおい、、(;´・ω・)

 無理しないでいいんだぞ。。」


「…ワシが家族から離れた時…

 一台の車が動き出してな…」

「…車??(;´・ω・)

 公園の中になぜで車が??」


「…たしかに初めからなんか…

 怪しい感じはしてたんや。。

 けどまさかそんな…

 想像だにしてへんかった。。」

「まさかって…まさか、、」


「…いわゆる合法ハーブ…

 …気狂いした精神状態の…

 そんなヤツが運転してたんや、」

「…(´゜д゜`)」



 そこから数秒間のことは…

 今でもハッキリと覚えている。


 不思議と感覚が研ぎ澄まされ…

 車の形も暴走犯の表情も

 微細なところまで思い出せる。。


 けど…(´・ω・`)

 身体はピクとも動かんかった。。


 真っ直ぐこっちに向かってくる

 車を認識していながら

 なぜか身体は硬直したまま…


 9歳やった当時まだ、

 覚えたばかりの単語が頭の中に

 浮かんだのを覚えている。


 <走馬灯…>(;_:)


 ああ…ワシは終わるんや。。

 本気でそう思ったんやけど…



「それが…前にお前の言うてた

 事故ってヤツやな。。」

「…ああ、、(:_;)

 ホンマにあの時はワシ…

 これで死ぬんやと覚悟した、、」


「…怖かったやろ…(:c;)

 感覚が冴えてたなら特に…」

「…いや…それが(´・ω・)」


「…覚えてないんか??」

「…ああ。。(;_:)

 覚えてるのは一つだけ小さな…

 違和感があったことだけ、、」


「…違和感??(´・ω・`)」

「…上手く言えんねんけどな…」



 そう…(;´・ω・)


 こんな状況にあってワシの

 頭の中に残っているのは、


 事故全体から見れば小さな

 違和感だけなんや、、



 暴走車が本当に目の前に迫り…

 目をつぶった後の視界を

 ワシは何一つ覚えていない。。


 その直後に意識を失い…

 病院で目覚めるまでの二日間の

 ことはまるで思い出せない。。



 ただ一つの違和感。。


 固く冷たい金属に当てられた

 はずのワシにあったのは…



 柔らかくて暖かい…

 人肌に包まれた感覚だけ。。




書いていて哀しくなりました。

(;_:)

本当に衝撃的な瞬間の人間は

本当に些細なことを覚えている

ものだそうです。。

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