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119 戦友ダカラ…

およそ日本では考えられられない

哀しい過去を持つ留学生

キックス・オーキャット。。


彼が仲間である駅伝部員たちに

抱いている思いとは??


「アノ…スイマセン、(´・ω・)

 ココカラ巻イテ行キマスンデ。」

「…いや、それはええけど…

 キックスはホンマ大丈夫なん??」


「ハイ。(´・ω・`)

 皆サンニハ私ノコト知ッテモライ

 タイデスカラ正直ニ…」

「…(。´・c・)」



 …正直に、なんや。(;_:)


 ワシらにとって戦争と言えば

 被害者だけの昔話。。

 あるいは兵隊さんのお話。。


 紛争の最前線の現実…

 しかも現代のお話はあまりに

 衝撃的すぎる。(;´・ω・)



 けどワシらはそんな彼の

 平和の礎を学びたいという

 気持ちを利用…


 もとい、お手伝いするために

 駅伝部に引き込んだ経緯がある。


 そこを裏切ってはならん。。

 (`・ω・´)



「…ソレデ…

 亡命シタ私ハ英国ノ外国人学校

 入リマシタ。。

 ソコデ英語ヲ勉強シテ…

 翌年ニハ同イ年ノ中等教育ニ

 入ルコトデキマシタ。。」

「…キックスは勉強熱心やから…

 それでどうやった??」


「…最初…言葉不自由ダカラ

 友達デキナカッタ、、

 ソレデ先生カラくらぶちーむデ

 すぽーつ勧メラレマシタ…」

「…良かったやない。(´・ω・)

 キックスは足が速いんやから

 何をやっても上手いこと…」


「私…ふっとぼーる得意ダッタ。

 ケド練習ハイイケド試合ハ…

 ミンナトテモ怖カッタ。(;_:)」

「…(;´・c・)」


「…争ウコト…私コワイ、、

 ダカラくらぶちーむヲ辞メテ

 図書室コモリニナリマシタ…」

「…大変やな…(;´・ω・)

 それで友達でけんかったの?」


「…英語ガ話セルヨウナッタラ

 友達ハデキタ…(´・v・)

 ケド…仲間ハデキナカッタ。」

「…ようわからんけど…(・_・;)

 友達と仲間はどう違うの??」


「私…図書室デ学ビマシタ。

 世界ノコトイロイロ…

 私ガ当タリ前ダト思ッテイタ

 紛争ガ普通デナイコト。。」

「…そうやな、キックスには…

 紛争があるのが当然なんやな。」


「ケドソノコト…(;´;ω;)

 誰モワカッテクレナカッタ。

 私ノ国ノ平和ノコト…

 相談デキル仲間イナカッタ。。」

「…(´;ω;`)」



 その気持ち…

 分からんではない。(._.)


 誰よりも辛い過去を背負い、

 解決したいと思う一方で

 誰にも理解されない寂しさ…


 もちろん誰が悪いわけでもない。


 だって平和が当たり前の英国。


 言葉の不自由な難民のいる中学の

 クラスメイトにその心根までを

 理解することは期待できない。。



 けど彼はこれを先進国ゆえの…


 近代史において敗戦を知らない

 英国ゆえと考えたらしい。。


 だから…



「私…留学ヲ決意シマシタ。。

 母国ヲ平和ニスル何カヲ学ベル…

 ソンナ国ヲ探シマシタ、、」

「なるほど…それで日本にね。」


「前モ言イマシタガ日本敗戦国…

 ソレガ今ハ世界一平和。。

 高イ民度ト絆ガアルトサレル国。

 ソンナ日本ニクレバ何カガ分カル…

 仲間…見ツカル思イマシタ。」

「…そう…やな。。」



 それ…重くない??(;;´・ω・;)


 ちなみにキックスはそのために

 必死で日本語を勉強したとか。。


 まだ英語も不完全な彼にとって

 二つの言語を同時に学ぶのは

 極めて難しかったとか…


 だからまぁ…(。-`ω-)

 日本語が変なのは仕方ない。。



 とはいえキックスの通うのは

 難民もいる公立のハイスクール。


 留学生の枠そのものが少ない。


 そんな中…

 拙い語学力でなんとか留学生には

 なれたものの…評価は最下位。


 平和の礎を学べそうな頭の良い

 名門高は割り当ててもらえず

 天下茶屋というその…


 場末の私学に送られることに。。

 (。-`ω-)

 


 だから今の留学先で…


 難しい役割を期待されるのは

 ワシら駅伝部ということ。。


 そんなんムリやと訝しがる

 面々を見たキックスは…


 語学はともかく

 やはり頭のいい男やから、、



「…ケド私ハミナサンコト…

 仲間ト思ッテマス、(´^v^)」

「…仲間??(。´・ω・)?

 地元の友達とは違うの??」


「…私ノ国デノ話…(:v;)

 チャントデキタ友達ナカッタ、、

 哀シイコト受ケトメテクレル人

 学校デハハジメテ。。」

「…いや、、(;'∀')

 ワシらは別に何も…」


「ケド私ハ正直…

 ミナサント戦イタイデス。

 争イハだめダケド…

 一緒ニ戦イタイト思ウデス…」

「…キックス…(´・ω・)?

 それはどういうこと??」



「マダ…何モワカリマセン…

 (´・v・`)

 武器モツ人ヤ奪ウ人、、

 ソンナ気持ワカラナイケド…」

「…(´・c・`)」


「…仲間ノタメ頑張ルコト…

 勝チタイ戦イタイ思ウコト、

 ソレ…ワカリマス。(*´v`)」

「…(´・V・`)」


「友達デナク…戦友。。

 ダカラ仲間ダト思イマス。。

 ダカラ…自分ノコト

 話セルンダト思イマス。。」

「…(´;v;`)」



 キックス…

 そういう思いやったんやな。


 たしかに仲間であれば…

 戦友であれば多少のことで

 揺らぐことはない。


 気の合うあわんや

 ムカつく程度で

 傷つけあいにはならない。。


 そんな仲間が大きくなれば…

 世界中が仲間になれれば

 争いはなくなるはず。


 それは…礎になる。。



 けど戦友には…敵が要る。。


 未熟な国などでは仮想的を

 作って仲間意識を高める

 はた迷惑なことをするのも…


 そして敵がある限りは

 争いがある。


 傷つく者がいる。

 平和からは遠ざかる。。


 だから…



「…私…走リマス。。(#^v^#)

 ホントニ誰モ傷ツケナイカ…

 天下茶屋ガ勝ツコトガ

 何ナノカハワカラルタメニ…

 仲間ノタメ頑張リタイ。」

「…(´・v・`)」


「駅伝ハ襷…魂ツナグすぽーつ。

 争イ傷ツケル違ウ。。

 ソレデ絆ノ意味学ンデ…

 日本人ノ魂…母国ニ伝エル、、」

「…キックス…(。´・v・)」



 凄い…ことや。(;v:)


 口では平和記念イベントとか

 何かのためとかいう

 アスリートはおるけれど…


 本気でそんな心意気で競技を

 する人間はそうはおらん。


 こと高校スポーツにおいては

 異質とさえ言えるやろう、、



 けど仲間であっても…

 同じ目標に向かっていても

 その心の内は千差万別。

 

 ワシら天下茶屋駅伝部には…


 普通ではない目的が加わったと

 いうことやろうか??


 仮に都大路に行けたとして…


 その答えは見つかるやろうか??



仲間とは…戦友とは。。


共に戦い勝ち抜いたとしてそれで

得られるモノとは何なんだろう??


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