115 阿倍野遥の戦う理由
MtFゆえに戦えなくなった泉の
重すぎる生い立ち…
次は軽く行きたいけどこれからは、
アキレス腱断裂の過去を持つ阿倍野遥と…
もう一人です。。
('ω')ノ
『さて長くなったけど…('ω')
ウチの話はこんなもんでいい??』
「あ…ああ。そうやな…(´・ω・)」
…重すぎる。(-_-メ)
佐野三兄弟の末弟たるべく、
日本一のアスリートを目指した男が
その道を貫けなくなった理由は…
性同一性障害。。
泉がその生き方を…道を貫くために、
女子として高校に進学したから。
仮にどんなに才能があっても、
性的少数者は競技者たりえない。
同じ障害でも身体障碍者には
パラリンピックという道があるのに…
まして性同一性障害は心も問題。
運動するのには何の支障もないのに…
だからその爪跡を残す最後の機会は
都大路しかない。
…なんやけれどその。。
「質問アリマス!!(; ・`c・´)」
「…はい。キックスくん。(・.・;)」
「泉サンハ大和撫子ナイデスカ!?」
「…泉くん。(-_-メ)ノ
自分の口から説明してあげて…」
『いや…前にも説明したけど…(;'∀')
ウチは大和撫子やけど男であって…
でも中身は女の子でもあって…』
「…??(・.・;)???」
『…というか上半身は見たやろ??
ウチは体は純粋な男。。(-v-;
いわゆるLGBTってヤツや。。』
「ツマリ…泉サンハげい???」
『…今はそれでええよ。(^v^;
いずれTになる予定ってことで…』
「…ソ…ソンナ。。(*´Д`)
泉サンコソ大和撫子ノ鏡デアルト…
ソウデスヨネ遥サン!?(;O;)」
『だぁかぁら~(; ・`c・´)
なぜそれを私に聞くのよ!?』
「…遥サン怖イデス…(/ω;\)
大和撫子ヤサシイト聞イテマス…」
『……(; ・`n・´)ノ』
とりあえず落ち着きましょう。
(´・ω・`)
まぁキックスが入部しておよそ半月。
日本語が苦手な彼に説明でけなんだ
泉の正体をやっと理解してくれたんは
結果オーライなんやけど…
ホンマ仲良くしてほしい。(/ω\)
それより遥かに落ち着いてほしい。
まぁ数少ない同期の絆もあるけど…
次に自分の半生を語るのは阿倍野遥。
三週も引っ張った佐野泉の次いうのを
鑑みるなら気持ちよく語ってほしい。
とはいえそんな心配はヨソに遥は…
気持ちよく話を始めてくれた。
『私が陸上を始めたきっかけは両親…
というか母なんです。(-ω-)』
「…お母さん??(´・ω・)」
『…私の母は…(´・v・)
中学高校と長距離選手だったんです。
今の私よりもずっと格上の…』
「…大したもんやな。。(・.・;)」
『それでも都大路を走れなかった…』
「なんで??(・c・;)
そんな選手なら何とでも…」
『だってそもそもが…(;'v')』
「…なかったってどういうこと??」
『…実は女子駅伝の都大路というのは
最近の話なんです。。
女子長距離種目の歴史自体も…』
「よくわからんけど…
詳しいモンに聞いてみよ。。(・.・;)」
てなわけで赤阪に聞いたところ…
女子の長距離種目は実は最近のお話
というのは事実やった。。
女子マラソンが五輪種目になったのは
1984年…昭和59年のロスが第一回。
有森さんの活躍は第三回と第四回。
Qちゃんの金メダルは第五回。
野口さんでさえ第六回大会の勝者。。
まだ歴史が浅かったからこそ…
アフリカ勢の台頭前だったからこそ
なしえた快挙であるとも言える。
そしてそれは高校駅伝でも同じ。。
実は最近では当たり前の女子駅伝。。
けど都大路を女子が初めて走ったのは
平成元年…1989年。
男子が戦後直後の1950年から…
昭和前期から歴史があるのに比べれば、
最近と言って過言やない。
だってワシらの親世代の高校時代は
女子駅伝の過渡期だったからで…
『…そうなんですよね。(^v^)
女子が都大路を走るようになったのは、
母が卒業した翌年からなんです。』
「なるほど…そんな世代になるんやな。」
『だから娘に期待ってわけで…
物心つく前から走らされてたんです。。
ずっと都大路を目標に…(-v-)/』
「…そういう理由で陸上を始めたんや。。」
『小学校のクラブチームにも入って…
佐野先輩とも顔見知りだったんです。』
『…当時はそんな親しなかったがな…
阿倍野も府大会で上位に入ってたから、
その存在くらいは知っとったよ。』
「…凄かったんやな。。(・.・;)」
『そんな小五の秋だったかな。(^v^
<会社の運動会があるから出ないか?>
って父から誘われまして…』
「…会社の運動会??(・.・;)
だって遥のお父さんはたしか堺の下町で
町工場の経営してはるんやろう??
そんなんあるって意外やなぁ…」
『…そりゃそうですよ。(^v^)
主催者は町工場を束ねる車販売店。
そこの社長さんが足自慢の坊ちゃんを
売り出すために企画したモノで…』
「…つまり親会社のお遊びでその
六年生の坊ちゃんの当て馬に…
下請けの子供たちを集めたのか。。」
『ところが母が言うんですよ。(-v-;
丁度いい機会だからそのアホボンの
鼻を明かしてきなさい…
素人相手なら遥なら簡単だろって。』
「それ…ええんかな??(=-ω-)
自慢のアホボンが年下の女の子に
ボロ負けすりゃ社長も赤っ恥やない??」
普通に考えればそうなる。(`・c・´)
小学生なら男女の差はほとんどない。
クラスで一番程度の六年生と、
府大会上位レベルの五年生とでは
およそ勝負にさえならない。。
はずやけど…
『…それがそう簡単でも。。(*´c`)
なにせアホボンは陸上未経験者のくせ
生意気にもメチャクチャ速くて…』
「おいおい。黙って聞いてりゃ阿倍野。。
えらい言われようだな…(;-_-;)」
『…駆け引き使って振り回して…(;'∀')
なんとか鼻の差で勝てたってもので…』
「おい!それはウソだろう!!( `o´)ノ
あの時の判定では勝ったのは俺で…」
『そ…それは捏造ですよ!!(;'c')
放出先輩は日本人なんだからそんな
ウソついて事実を捻じ曲げたら…』
「いいや!!あの時に鼻の差で勝ったのは
俺なのは事実だ!!(*´Д`)
証拠の映像も残ってるぞ!!」
そりゃまぁ…(´・ω・`)
普通の日本人ならば、
事実でない捏造などありえない。。
まして証拠があるのにウソなんて
誠実な二人にはでけんわけで…
アホボンのいないところでこんな
与太話を騙るなどあり得ん。
となるとおそらくは…
双方の言う通り同着同然??
どういうこと??(´゜д゜`)
というか遥の言うアホボンって…
放出のことなの??!?(・_・;?
本格的な競技経験のある小学生の
実力は想像以上です。。
一つ年上の足自慢程度ではおよそ
勝負にさえなりません。
桁外れの才能の持ち主以外は。。
ε-(´∀`; )




