108 雨宿り
留学生キックスが加入して
半月ほどが過ぎようとしています。
「うわ…降ってきたぁ!!」
「天気予報のウソつきぃ!!(*´Д`)」
「…春雨じゃ…濡れていこう。。」
「能勢!!なにを呑気なことを言うとる!?
これは春雨なんてモンやないど!!」
「春雨ハ…濡ラシテ食ベル??(´・ω・)」
「キックスも日本語の勉強しとる場合か!??
…あとで教えたるから…
急げ!!…本降りになったら危ないぞ!!」
新人のキックスもチームに馴染み、
4月も後半に入ったある日の練習中…
いきなりの大雨。。。(´・ω・`)
さっきまでは曇り空。。
降っても小雨という予報を信じて今日は
予定通りにロードに出たけど…
学校からは5キロ以上も離れた河川敷で
大雨に見舞われてしもうた。。
なんとか近くの橋の下で雨宿りできたけど…
みんなグッショグショ。。
…っって。。
「こらぁ浜寺!!裸になってどうする!?」
「…上半身だけやないか。(;´・ω・)
濡れたTシャツを絞るくらいええやろ。。」
「…それにしても浜寺…また痩せた??」
「おう。昨日測ったら62キロや。( `v´)
かれこれ10キロも減量したんやで!!」
「凄いな…ってそやない!!(=゜ω゜)ノ
女子もおるしセクハラも煩い時代やし…」
『…私なら平気ですよ。(´・v・`)
浜寺先輩とはプールでも一緒でしたし…』
「じゃぁ遥はええとして…泉は??(/#ω・#\)」
『はは。ウチに問題あるわけ…。(*'v'*)』
「って…お前までTシャツ脱いでどうする!?
泉はその…女子高生とちゃうの??」
「♪今日は男ぉ。。(^O^)」
「…お…お前はトイレ待ちのオバハンか!?
ていうか地声で…まぁ…ええのかな??」
「泉サン。ハシタナイデス…(´#・ω・#)
大和撫子ナラバ恥ジライヲ以ッテ…」
『いや…あのウチは…(;゜∀゜)
大和撫子であっても体は違って…
胸はないから大丈夫であってその…』
「タシカニ胸ハぺたんこデスネ。。(;´・ω・)」
『いやん。あんま見んといて…(#^n^#;)』
「遥サン…大和撫子ノミナサンハ
胸ハナイデスカ??(;´・c・)」
『…なぜそれを私に聞く??(-_-メ)
というかどこを見てそれを聞く???』
ちなみに遥とキックスは
ちょっと相性が悪い。(・n・;)
たった二人の同期なんやからもう少し
仲良くしてほしいんやけど…
…キックスの日本語が偏りすぎてる。。
日常会話には問題のないレベルやのに、
たまに変な言葉を間違えて使う。。
それで遥はポンコツやのバッタモンやの
感じ悪いことを言われて…
…あげくに胸がないて。。(-_-メ)
悪気ない日本語の未熟な人間の発言に
怒るのは大人気ないとはいえ…
遥もエエ印象は持てんやろうな。。
もっとも先に《バカ野郎》と言ったんは
遥の方なんやけど…(*_*;
…まぁええか。。(。-_-。)
泉が男やいうのは説明せなあかんけど…
結局、全員が濡れたTシャツを絞った。
遥まで物陰に隠れて…
それぐらいみんな濡れ鼠やったから、
乾かせたのは良かった。
…でも雨はやみそうにない。。(-c-メ)
今日は暖かいから体は冷えんやろうけど
このまま何もせんわけにも。。
とはいえ体を動かせるほどの広さもない。
スマホとかも持ってきてない。
なんかええ時間の潰し方はないかな??
「デシタラ…ゼヒ皆サンニ教エテホシイデス。」
「…春雨のことは教えたとおりや…(-v- )」
「違イマス…駅伝ヲシテル理由をデス。。
私ノコトハ皆サンニ話シタノニ…
私ハ聞カセテモラッテマセンデスカラ…」
「あっ…そういえばそうやな。。」
「私…知リタイデス。。(´゜n゜ )
日本ノコト…何デモ教エル約束デスヨ。。
駅伝ヤッテル理由…知リタイデス。。」
「でも…今さらやなぁ。。」
「アト大和撫子ニ胸ガナイ理由モ…」
「…それは後で教えるけど…(´・ω・`)
プライベートを話すのは昨今の先進国は…」
「いや…俺はキックスに賛成だな。
先に入った者は皆の事情は聞いてるだろうが、
後から入った側はそうでないんだ。
俺だってキックス以外の事情は聞いてないし…」
「…放出はそう言うけど。。(´・ω・`)」
「不公平デス。人種差別デス。(;o;)
先進国ハ私タチ後進国ヲ虫ケラ同然ニ…」
「…そうやないけど…(/・ω・`)/」
…相変わらず日本語がオカシイ…
けど別に他にすることもないから話ぐらい
してもええのかな??
というわけでこの時間…
みんなで身の上話をすることになった。
・質問は事前に受け付けること。
・問に沿って話を進めること。
・幼少期からの背景から語ること。
・駅伝部に入るまでの経緯。
・天下茶屋を進学先に選んだ理由。
・陸上と駅伝を始めた切欠。
…などのルールも定められて。。
「…それでは誰から始めようか??」
「そりゃ…天保山やろう。。
お前は全員の話を聞いてるはずやけど、
逆にお前のことは誰も聞いてへんからな。」
「…ワシはそれでええけど…
その後は入った順ってことか??」
「そうやな。二番手は赤阪ってことで。。」
「ちょ…ちょっと待って。(;´・c・)
ボクが天保山の次なんて勘弁してよ。」
「なんで??順番なんかどうでもええやろ??」
「だって…天保山は駅伝部の創始者だよ。
しかも難波の従兄でもある。
みんなが一番聞きたい話だろうから、
その次はさすがにやりづらいよ。。」
…おいおい。(-_- )
そんなに買いかぶられても困る。
とにかくワシは不器用で…
身の上話なんて大の苦手やいうのに。。
けどみんなは…
赤阪のいい分に納得した。(/ω;\)
だから順番は最初に赤阪。
ワシは…トリってこと??(´・ω・)
けど順番はどうでもええと言った手前
断れる理由もなく…
「じゃぁ副主将が先陣で…
主将がトリってことでいいかな??」
「いいともぉ。。('ω')ノ」
「………(´;ω;)」
…あぁあ。。
空を見る限り雨は当分やみそうにない。
何かしら…語るしかなさそうやな。。
というわけでこれから何週にもわたって
駅伝部全員の身の上話が始まります。。
でもそれは次回以降。
来年もどうぞよろしくお願いします。
正月とは重ならなかったので、
次回は通常通り1月6日の予定です。




