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101 魂を繋ぐ競技

駅伝部期待の留学生。

キックスオーキャット。


彼を駅伝部に引き込めるか。。

いきなり正念場です。

(;´・ω・)


「ところで留学生が来たそうだが…

 戦力になりそうなのか??」

「…それが…その。。(´・ω・`)」


「…ダメなのか??(・.・;)」

「……それがその真逆でして…」



 留学生のキックスオーキャットくん。

 アフリカ出身の黒人である彼は…


 メチャクチャ速いです。(´゜д゜)


 陸上経験が一度もないにも関わらず、

 この半年間ほどマジメに走り込んできた

 ワシらと変わりません。。


 さすがに練習メニューをこなすのは

 キツそうやけど、

 昨日5000mのタイムを計測したら…


 いきなり15分台で走りました。


 まったく…黒人さんの身体能力には

 敵わんなぁと痛感します。(-_-;)


 けど嫉妬してる場合やないわけで…

 


「…凄いなアフリカ人は。。(;'∀')

 名門高が獲ってるのと遜色ないぞ。」

「…あっちの人がみんな速いって

 わけやないですけどね。。」


「何かスポーツをしてたのか??」

「…身体能力を買われて色んな競技から

 誘われたらしいんでっけど…

 実は彼には問題がありましてね。。」


「また…曰くつきか。。(-_-;)」

「…しかも特大の。。(-_-;)」



 まったく…

 この駅伝部は呪われてんのかな??


 色々と問題のある連中が集まって

 目標に向かうって話は珍しないけど

 これは相当に珍しいかも。。


 心身ともに笑えないボッチ。

 万年補欠に体力ゼロ。

 戦う場のないスイマーにオカマ。

 さらにはケガ人に特大のトラウマ。


 これだけでも大概お腹一杯やのに…



 …次は紛争難民。。(・_・;)


 人と争うことを嫌うがゆえに、

 競技というもの自体を嫌悪している

 かなり極端な男。


 平和の礎を求めて日本にやってきた

 志の高い男にとって必要なのは…



「…つまりその留学生を取り込むには…

 彼が日本で学ぶべきことが駅伝部にあると

 わかってもらうしかないってことか。。」

「…そうなんですわ千林さん。

 なんとか方法はありまへんか??」


「それで…期限は??」

「来週早々にどこの部活に入るのかを

 決めるつもりやそうです。

 それで今日の土曜日にESSが、

 明日の日曜にウチが説明会をします。」


「…説明会って??」

「まぁ…事実上の接待ですわ。。

 新聞記者なら得意分野ですやろ??」


「…ボクは接待はしないぞ。(-_-メ)

 公正な記者を自認してるんだから。。

 あと明日は仕事で来れないから。」

「…なんかスンマセン。(・_・;)」



 …ちょっと失礼したみたい。。


 とはいえ記者仲間の中には接待で

 情報を得る人もいるらしくて、

 そのノウハウは知ってはるみたい。。


 ただ当日は来れないらしいので、

 みんなで千林さんにレクチャー受けて

 明日に備えることになる。


 とはいえ練習はいつも通りやから、

 準備の時間はあまり取れない。


 そこで手配事は全部みなみに任せた。


 ということで明日の接待は

 みなみが中心で進めることになる。


 それ…なんか不安。。(;´・ω・)




 こうして翌日…日曜の朝9時。


 キックスくんをお迎えして

 駅伝部の勧誘接待が始まった。


 天下茶屋高校では唯一無二にして

 抜群かつ即戦力の才能。。  


 これを取り込むためならば、

 ワシらは裸踊りでも

 何でもやる覚悟はあるけど…



 ちなみに昨日のESSの接待で、

 キックスくんは飽食三昧をしたとの

 情報は入っている。。


 そんな彼にご馳走は無意味。


 となるとわざわざ日本に来た彼に

 千林さんのお勧めの作戦は…



 …観光案内。(#'-'#)


 みなみがガイド役になって、

 日本を知らないキックスくんに

 地元大阪を案内しようというモノ。


 とはいえみんなお金はないので、

 USJはムリ。。

 せやから最初の案内先は…



『…どうや!!('v')ゞ

 ここが大阪名物・海遊館や!!』

「…Wow…凄イデス。(*´ω`*)

 日本ハ海ノ生物ガ豊富デスヨネ。」


『せやけどキックスくんは、

 ンマリアとイギリスの出身やろ。

 海には馴染みがあるんや…』

「…ケド私ノ母国デハ…

 海デ勝手ニハ泳ゲマセンカラ…」


『…次は水繋がり!!(^O^;)/

 道頓堀の戎橋はどないや!?』

「…ココガ有名ナみなみデスカ… 

 みなみサント同ジ駅伝。。

 看板ノ人モ走ッテマスネ。(^-^)」



『…お次は!!('◇')ゞ

 大阪名物・通天閣やで!!』

「…高イデスネェ…(*'▽')

 たわーぶりっじヨリズット高イ…」


『…そして新名所!!(; ・`v・´)

 もっと高いアベノハルカスや!!』

「…Wow!!コレハ本物!(;'∀')

 遥サンハばったもんダッタンデスネ…」

『どこでそんな日本語を…(-_-;)』



 てな感じで大阪の名所を案内して

 キックスくんは満足したようやけど…


 …もちろんそれだけでは足らん。


 だって彼が日本に来た目的は、

 母国ンマリアを平和にする礎を

 日本の文化から学ぶこと。


 そんな切欠が駅伝部にあるかと

 問われれば…ないと思う。。



 もっとも彼はイギリスに渡って

 まだ5年なので英語力は今一つ。


 語学力を通して日本と関わりたい

 とも思ってはいない。


 せやからESSへの評価も

 高くないというのは助かったけど、

 だからと言って駅伝部に関わりたい

 理由かってない。。


 

 となると鍵はやはり…


 駅伝が平和と関わるかどうか。

 そして…日本と関わるかどうか。


 それさえ説明できれば。。



 こうして一日大阪を回って夕方…

 ワシらは最後の接待場所に向かう。


 その場所は【鉄板焼き難波】。


 ここで振る舞われる本日の夕食は、

 大阪名物のあの…。



『これが鉄板焼き難波の裏メニュー。

 特大お好み焼きや!!(*^O^*)ノ』

『コレガオ好ミ焼キデスカ…

 大阪人ノ魂ダト聞イテマス。(^O^)』


『じゃぁ焼くでぇ!!( `v´)ノ』

「コ…コレハ大キイデスネ。。(;'∀')

 トテモ一人デハ食ベラレナイ。。」


『ちゃうちゃう。(*^。^*)

 これはみんなで分け合うモノ。

 ウチの店では、大阪人の魂を

 みんなで共有するんや。』

「イイデスネ。魂ヲ共有スルトハ。。」



『…そしてこの布が駅伝の魂。

 襷って言うんや。( `・c・´)ノ』

「…タスキ??

 コノりぼんガ駅伝ノ魂…(・.・;)」


『…駅伝とはな。。(´・v・`)

 この魂をつなぐ競技なんやで。』

「魂ヲ…繋グ争イ??」



『…日本ではな…魂は繋ぐもんや。

 だから駅伝こそ…(; ・`v・´)

 日本発祥の日本の競技なんやで!!』

『…駅伝ハ…ジャパンノ競技??』



 …なんや…(;´・ω・)

 上手く纏まったようなないような…



 駅伝が日本の競技??

 魂を繋ぐのが日本??


 そのあたり…

 ちゃんと説明できるやろうか??



改めて調べてみましたが、

駅伝の起源は1918年に

京都三条から東京上野を

繋いだのが最初だそうです。


他に諸説はないようなので

間違いないと思います。


…お約束の韓国起源説は

あるようですが、

(;´・ω・)



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