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ベルッセンの鬼(仮)  作者: あかいひと
見習い騎士編
6/33

思い出

結局役に立たない能力をもらってから3日ほど本家にお世話になってかえってきた。

帰る時までにずいぶんなついたヴラドが、ぐずって泣いていたのが微笑ましい。

エマはお姉ちゃんのせいかぐっと涙をこらえていた。


(ずいぶんなつかれたな。悪い気はしないけど、このままっていうのも薄情かな?)


俺は、二人の頭に手をやってやさしく語りかけた。


「まぁ、2度と会えないわけじゃないし、さびしくなったらラドヴィラの家においで、歓迎するから。俺もできたらここに遊びに来るから」


 二人はこくこくとうなずくが、まだ機嫌はなおらない。


(まーそうだよな。こんな適当なことで納得するような子供は嫌だ!さて、どうしようっかな)


「それじゃ、二人には特別に俺の秘密を教えてあげよう」

「秘密ぅ?」

「そう、俺の本当の名前を教えてあげるよ」

「ロアン兄ぃの名前?」


俺は二人の耳に口を近づけて、ほかの人には聞こえないように小さな声で教える。


「本当の名前は『黒柳 慶一』っていうんだ。絶対にほかの人には教えちゃだめだよ」


ヴラドは、なんだかよくわからないけど、ほかの人に教えちゃダメといとこだけ理解したようで、こくこくとうなずいている。


(ヴラドはかわいい。これからも生意気にならんでくれよ)


一方、エマはびっくりした顔で固まっていた。俺が首をかしげると、満面の笑みを浮かべて『はい』と短く返事をしてきた。


―クラッ


(あっやばい。いま、この子に惚れそうになった。まてまて、10歳にもならないの女の子に惚れるようなロリコンではなかったはずだ)


エマは普通にかわいい女の子だ。

ヴラド君の小動物的なかわいさのためにあんまり深く考えていなかったが、あと5年もすれば絶世の美女になるだろうと楽しみに見ていたこともある。

さすがに今まではエマは守備範囲外だった。

それが、ボールからストライクゾーンににょきっとはいってくる変化球ばりにかわったのだ。

下手をすれば、ど真ん中クラスに…


(これが、幼女趣味(ロリコン)の目覚めってやつか。うん、こんな子が現実に存在するから世の中の大きなお友達ってやつはなくならないんだな。エマちゃんめ、俺にカルマ(ロリコン)を背負わすとは油断ならんな。恐ろしい子)


この時から、俺の性的思考における年齢層の下限が下がったのは仕方ないことだと思う。

だよね!マイノリティを馬鹿にするなよ!

おまえらは、こういう子とあったことないからそんな上から異常だとかなんとか言えるんだよ。畜生め。YESロリータNOタッチ!

帰りの馬車で、パパンが二人と何を話していたのか聞いてきたので、秘密ですと答えたら家に着くまでずっとへこんでいた。









 俺は、たき火にあたらしい薪をくべながら8年前のことを思い出していた。

そう、こちらの世界にきてもう8年もたっている。

この8年間いろいろなことがあった。

死にかけたこともあったし、エマちゃんとヴラド君がラドヴィラの家に遊びにきたこともあったし、ラドヴィラはもう俺にとって第二の故郷となっていた。

本家には結局2つめの異能をもらいに行った1回しか行けなかったけど。

だが、3年前にラドヴィラの家を出て旅をしている。

一応、見聞を広めるためという理由で家を出たのだが本当の理由は別にあった。


(あの家、パパンのハーレムだったもんなぁ…)


あれはまさにハーレムだった、アリダもサラさんもリーディアも使用人おばちゃんに至るまで全部パパンのこと好き好きだったのである。


(俺には、あれ以上あの家にいるのは無理だわ)


思い出せばサラさんにも散々いじめられた気がする。


(サラさん、教官って呼ばないと怒るんだもんなぁ)


武術においては、どこかの軍隊張りにスパルタだったし、魔法は…








「それじゃ、魔法の講義を始めようか」


本家から帰ってきた次の日のことだった。サラさんは机を挟んで向かいの椅子に腰かけている。


「はい。サラせんせーってイタイイタイイタイ」


 サラさんはにっこり笑ってアイアンクローをかけてきている。


「ん、んー?名前で呼んでいいって言ってないでしょ?」

「すっすいませんでした。教官!」


 そう聞くとサラさんはぱっと手を放してくれた。


「んむ、よろしい。では改めてはじめようか」

「イエス、マム」

「まずは、魔力の存在をしることからだな。これは口で言っても仕方ない。感覚で理解しなければいけない。坊も手の動かし方なんて口では説明できないだろう?」


ちょっと怖いので神妙にうなずいておく。


「やってみる方が早い。坊は背筋を正して座っていなさい」


そういうとサラさんは俺の後ろに回って小さい手を背中の真ん中に着けてきた。


「いいかい。今から始める。俗にいう『考えるな、感じろ』というやつだ。何も考えずにこれから起こることをありのままに感じて理解することが大事だ」


そうサラさんがいうと背中から何か表現のしがたいものが流れ込んできた。

それは、俺の中の何かと激しくぶつかり合い、混ざりあって変化していった。

体中をなぶられているような感覚がする。


(なんだこれ…これが魔力なのか…?)


すると、背中から入ってくる魔力の量が一気に増加した。

頑張っていた俺の中の魔力は、この魔力と一体化し増大した異質な魔力は足の先から脳天まで一気に駆け上がった。


「かっ。あふ」


あまりの衝撃に、口からおえつが漏れてしまった。ふと下半身から違和感があるのに気づく。


「そうだ。言い忘れていたのだけども、魔力を何も加工せずに他人に送り込むと強い性的快感を受けるそうだ」


サラさんはまるでいたずらの成功した子供のような笑顔を浮かべている。

俺はその言葉を聞いて下半身を見ていると息子が元気になっているのがわかる。

それだけじゃなくてなんかぬるい…


「そっそういうことはさきにいってくださいよ!お…俺もうお婿に行けない(泣)」

「うん。それだけ余裕があれば大丈夫だ。さっきアリダに着替えを持ってくるように言ってあるから着替えてこい。ふふふ、それにしてもいい声がきけたものだ」


(確信犯じゃねーかよ!俺切れてもいいよね!)


俺が何かを言おうとしたら、ドアがノックされてアリダが中に入ってきた。


「ロアン様お風呂の用意ができているのでお入りになってください。その間にサラ様はお茶でもいかかですか?」


(お前も共犯かよおおおおお)


どのみちこのままではいられなかったので使用人に連れられてお風呂に向かうことにした。






さっぱりして部屋に戻ると、サラさんが優雅にお茶をしていた。


(はぁ…なんか魔法勉強するの楽しみだったのになんか散々だよ)


「ああ、坊。言い忘れていたが、さっきのあれを使って女の子にいたずらしたとか話を聞いたらついているものをもぐからな」

「もがないで!そんなこと考えてないから」


俺は、大事なものを隠しながらいう。


(あっでもこれ使ったら、夜の運動会は無敵なんじゃないのか。てれってー慶一は、夜のチートスキルを習得した。やったね、これでへたくそとか言われないよ)


「うん、それとね。こんなものをセックスで使うようでは自分からへたくそって自分で言っているようなものだからね」

「ちょっ、心読まないで!あともっとオブラートに包んで言って!」






たき火の前で心的外傷(トラウマ)を思い出してちょっとへこんでいた。

あのあと、魔力というものの扱いを理解した俺は本格的な魔法の特訓をおこなっていく。

だけど、魔法なんてそんな都合のいいものではなかった。

火なんて飛び出さないし、水も作れない。

そもそも1mlの水を作ろうとしたら一族全員が干からびるまで魔力をつかってやっとできるぐらいだそうだ。

できることといえば、水を温めたり、冷やしたり物を硬する程度しかできない。

ただそれだけでも複雑な魔方陣を組まなければいけなかった。

ただ、さすが鬼族といったところか魔力量に依存するといわれている硬化の魔法はすごかった。

皮膚が鋼よりも固くなり難なく岩も砕けたのだ。

まぁ使わなくても砕けるけどね…違いは全然手が痛くないこと?

込める魔力の量によって硬さが変化するため、全力で魔力を込めれば銃撃すら防げるのかもしれない。


「結局、固有異能も魔法もチート仕様なんてなかったな…身体強化だって教官に手も足も出なかったし…普通異世界っていったら、無双できるとこじゃないの。まぁ人間相手だったら余裕だけど…」


俺は路銀目当てに襲った盗賊の方々のことを思い出す。

たいして金は持っていなかったが、中には懸賞金がかかっている人もあって盗賊狩りはいい路銀稼ぎにはなった。

闇夜に紛れてちょちょっとヤレばいいだけだったし。


「さって、こんなこと考えていても仕方ないか。飯にするか」


俺は、鍋を取り出して、食事の準備にかかる。

この3年間の旅でわかったことが2つある。

一つはこちらの世界の文化レベルが産業革命以降程度であること。

人間の町に行ったときに、蒸気機関車がはしっており、別に鉄っちゃんというわけではないが男の子心がくすぐらされたのはいい思い出だ。

言語はもちろん各地方でオリジナルだった。

アリダさんが無理やり叩き込んでくれなかったら今頃言葉で困っていただろう。

今では3か国語くらいしゃべれるようにはなっている。

鬼族と敵対国である聖パルティア皇国の言語なんて、読み書きまでできるようになっている。

アリダは相変わらずのスパルタさんだった。

2つめは、この世界の魔法というものが、物理法則に従うということだった。

魔法陣とは魔力をエネルギーに置換する役割をもっており、水を熱するのは魔力を置換し運動エネルギーとして水に与えることによって温度を上げていた。

この原理をもとに、対象を凍らして、逆に運動エネルギーを魔力に変換し魔力を吸収する術式などオリジナル魔法をいくつか作り上げることに成功した。


「大学で物理とってなかったから、あんまり詳しい知識ないんだけどねぇ…ただ、鬼族全員であたって1mlの水が作れるって実はむちゃくちゃすごいことだったんだよな。あのときは聞き逃したけど、もし爆発を起こすだけだったら核爆発とか行けるんじゃないのかな。たしか、原子1個が持つエネルギーで原子爆弾数個分とかなんとかだったきがする。うろ覚えだけど…核爆発!なんて使ったら自分も巻き込んで絶対死ぬな、ははは」






そんなことを思いながら、食事の支度をしていると馬車のとどろく音と男の悲鳴が強化された聴覚につかまった。


「なんだよ、こんな夜に馬車なんて飛ばしやがって。よい子は寝る時間だよ。しかも男って、普通こういうのは女の悲鳴で助けるフラグとかじゃないのかよ。俺も女の子といいことしたいよ」


心の叫びが夜の森にこだました。


ロリコンとかちょっとよくわからないですね

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