出会い
俺は18歳。一応、成人している。
そして、あの戦争も経験している。
まわりのみんなは亜人の人たちを軽蔑したり、
傷つけたり、こきつかったりするけど
俺はそんなところをみるのが嫌だった。
俺に親はいないし、なんなら親が死んだ理由は人間にあるから、亜人への恨みは一切無い。最早、人間のほうが憎いとさえ思っている。
今日は仕事がなかったから王都に出かけることにしてみた。
表通りはとっても賑やかで明るく、笑顔で溢れている。違和感があるとすれば、亜人の姿が見当たらないということ。
今日は、なんだかそういう気分になったから、裏通りにも行ってみることにした。普段は絶対に行くことは無いけど今日は違った。なんとなくなにかがあるような気がした。
裏通りについて早々に後悔した。
裏通りには笑顔がなく、笑い声と悲鳴がこだましている。
吐き気がする。
もう、帰ろっかな。
そのときある店が目に留まった。奴隷店だった。
俺の住んでる国では人身売買が禁止されているが、亜人の売買は禁止されていない。法に触れないとは言えこんな商売をするやつの気がしれん。
でも、気になって入ってみることにした。
正直なところ、なんで自分がこんな行動をしたのか全く意味がわからない。とにかく気になって仕方がなかった。
入ってみると、意外と綺麗な店だった。
20代くらいの店員さんが近づいてきて
「こういう店は初めてでしょうか。」
と聞かれたので、首を縦に振った。
「そうですか。まずはみてみます?」
もう、ここまで来たからにはしっかりみて帰ろう。
「はい。」
「では、ついてきてください。」
店員のお兄さんについて行くとみずぼらしい格好をした亜人の人たちが壁に沿って牢屋の中で座っていた。
「ここにいるのが戦闘などができる者たちですね」
「戦闘ですか?」
「ええ、戦うのに長けた種族の者たちです。」
「そっちのほうは?」
「そっちのは、あまりおすすめはできませんよ。能力がまだ全て判明していませんから。」
そのとき、その牢屋の中にいる少女に、目を奪われて離せなくなった。
真っ白なきれいな髪で透き通るような緑の目をしている狐族の少女だった。
「あの、この人は」
「ああ、それはやめといたほうがいいですよ。各地の奴隷店を転々としていて、一切自分の情報を語ろうとしないんですよ。」
「この人ください。」
「え?ほんとうにいいんですか?」
「はい。」
「分かりました。代金はいりません。」
「え?」
「そのかわり、また、この店に顔出ししてくださいね。」
「えっ、あっ、その、ありがとうございます。また来ます。」
「ありがとうございました。」
うそだろ、まじで買っちゃった。
最悪。絶対にこんなことしたくなかったのに。
後ろには少女がついてくる。
にしても綺麗だな。
なんでいままで売れなかったんだろ。
「とりあえず。ついてきてください。」
少女は無言でうなずいた。
まあ、とにかくこの人を養っていかないといけないからもっと仕事頑張るか。
まずは家にかえろ。




