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オンリー宛ての手紙

 オンリー様へ

 マジで助けてにゃ。


「いや、何があった。」


「でも、あのあざとい語尾がそのままだし、余裕ありそうね。」


 手紙の冒頭が救助要請である事にクラムは思わずツッコんでしまった。

 でも、ニナニナの特徴的な語尾がある内は大丈夫だろうという共通認識がクラム達にはあった。


 もう無理。


「一瞬にして無くなったな。」


「そうね。」


 大丈夫じゃなさそうである。

 次の文でもうなくっていた。


「何があったのかしら?」


 助けて……アイツらマジ無理です。

 クラムの奴隷共、ちょっと自分の主人に会えなくなったからっておかしくなるとかもしかしてクラムは麻薬?


「そんなわけあるか!」


「まぁ、アンタのところの奴隷ってアンタにすごい依存しているもんね。」


 聞き捨てならない事が書かれていたのでクラムは強く否定した。

 クラム=麻薬発言はクラム以外からしたら的を得た例えだった。


 あれはやってる。

 あんなの薬が切れた薬中と変わらない。言動も意味不明な上に行動も一貫性が無くなってきた。

 もう無理。これなら3人旅の方がマシだった。


 あれほど嫌々言っていた。

 アンナ、アミア、ニナニナの3人ゲテモノ旅行の方がマシと言うレベルに今の状況がやばかった。

 ふとした拍子に錯乱したり、虚空に向かって話し出したりと今までクラムが出掛けた時はどうしていたと言いたいくらいだった。


 せめて、クラムの写真もしくは血でも良いので送って欲しいです。

 あれさえあればまだやれる。

 あの薬中共を鎮火出来る。


「いや!なに勝手なこと言っているの?!」


「ニナニナの奴、もうクラムの奴隷を薬中だと認識しているな。」


 サラッと薬中を自然と書いている事にもうクラムの奴隷=薬中と認識している事が分かった。


「うん?こっちはアンナか?」


 ニナニナの手紙を読んでいるともう一枚は入っていた手紙はアンナからだと差出人の名前でわかった。

 封筒を一緒にして送っていたのだ。


 オンリー様へ

 もうアイツら殺して良いですか?


「お前も何言ってんだよ!」


 アンナの文にニナニナ異常の過激な事を書いていて、クラムは驚いていた。

 まだ、ニナニナの方が優しくある。


 あのゴミ共が、こっちはさっさと帰りたいのに錯乱したり、発狂したり、クラムの馬鹿に薬でも与えられているのでしょうか?と疑いたくなる言動ばかりします。


「お前もか!」


 オンリーの奴隷界隈ではクラム奴隷達はクラムに薬を与えられてる薬中とでも思っているのかとショックしていた。


 馬鹿姉もあの有様ですし、数人間引いても気が付かれないのでは思うのです。


「いや!気づくに決まっているだろう!」


「この子、アミアの事をオンリーには隠していないのね。それとも隠さなくて良くなったのか?」


 誰を対象に姉と言っているのかは書かれていないが、これは明らかにアミアの事を姉として覚えている証拠である。

 それなのに頑なに知らぬ存ぜぬを貫くのは何かあるのかと皆が思った。


「まぁ、その追求は帰って来てからで良いでしょう。」


「それよりもアミアまでおかしくなっているなんて重症ね。」


 クラムの奴隷がクラムがいないと度々おかしくなるのは分かりきっている事だが、そんな中アミアを筆頭に大丈夫な人も存在する。

 そのアミアまでがおかしくなっているとなると只事ではないと考えられた。


「どうする?オンリーに聞いたら場所は分かると思うけど?」


「これは迎えに行くしかないだろう。これ以上、オンリーの奴隷達に迷惑をかけるわけにはいかない。」


 そんな事をクラム達が話し合っていると家のベルが鳴った。


「誰だ?こんな夜更けに?」


「やぁ、クラム君。」


「オンリー。どうしたんだ?今日は用事で来れないって言ってなかったか?」


 ドアを開けていたのは今日の泊まり会を断ったオンリーだった。


「そろそろ出発しようとしていると思ってね。」


「なるほど、これを混ぜたのは態とね。」


 オンリーの背後には馬車など旅行の準備が出来た状態で止まっていた。

 それを見たワヤはここまで全てがオンリーの掌の上だった事を理解した。


「ニナニナ達が早くクラム君を連れて来てって言うからね。」


「はぁ、まぁ良い。手ぶらで良いのか?」


「えぇ、全員分の荷物は積んでいます。」


 それを聞いたクラム達は急いで服を着替えて馬車に乗り込んだ。


「行き先は?」


「死と生の国ハッピーサンド。」


 温泉と火山が豊富で有毒ガスが街に流れることもよくある危険な国であり、薬効の高い温泉として湯治の名所でもある。

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