宿命
すみません、今回は短めです。
次の投稿は9月5日です。
「で、どうやって倒すの?」
カナイはオンリーがリリスの部屋を出て行った後、オンリーを見返すための作戦会議を開いていた。
クラムはオンリーと一緒に帰ろうとしたが、リリスに捕まって強制参加させられていた。
「何で俺まで……」
「私の身体見たんだから。責任として私達がオンリーに勝つ方法を考えて!」
無茶である。クラムはそう思った。
そもそも、オンリーに勝つ方法があるのなら自分が既に試していると考えていた。
「と言っても、多人数でもオンリーには関係ないからな。」
産まれてから強者になるべくして育ってきたオンリーは多人数相手は寧ろ一対一より慣れていた。
オンリー体格と気迫から常人なら一人で戦うなんて初めから選択肢にないのである。
「リリスは倒したいそうですが、私はオンリー先輩を見返せたらそれ良いので、せめて苦戦させる事は出来ませんか?」
カナイは怒髪天になっているリリスと違って、現実的に考えていた。
自分達がオンリーに勝つなんてそれこそオンリーとの戦闘中に奇跡が常時発動してやっと遠くに希望の光が見える程度の差があるのだ。
土台無理である。
リリスも内では分かっていても、見返すだけなんてこの怒りが許さないのである。
「そうは言ってもリリスの護身術はオンリーには通じないし………他の二人は何が得意なんだ?」
「私は水系の魔法、特に補助系が得意です。」
「私は肉弾戦ですね。力なら誰にも負けない自信があります。」
純粋な力勝負ならオンリーにも負けない自信がカナイにはあった。
「カナイって………」
「はい、ハーフですし、人ではありません。」
カナイは人ではなかった。
昔に魔界からやってきた者たちの子孫であり、今は珍しい純血同士の魔族間でのハーフであった。
見た目はそこまで人と差異のない種な為、大陸にも馴染めていた。
それでも、女性にしては高い体格と運動能力は人間離れしていた。
「よく分かりましたね。」
「最近、魔族にあったからな。同じ気配がしたんだ。」
人には人の、虫には虫の、生物特有の気配がある様に魔族にはそれぞれ特有の共通した気配があるのである。
「まぁ、君たちについては分かった。それでも、オンリーには勝つどころか見返すのも無理だな。」
クラムはオンリーと真正面から互角に戦える様になるまでに沢山の修羅場を潜ってきた。
この3人もこの学園生らしい修羅場を味わったのだろう。
それでも、オンリーと遊べるレベルでもない。
圧倒されて終わる。
それの結果しかクラムには見えなかった。
「それでも、友達を馬鹿にされてこのまま泣き寝入りする訳にはいかないんです!」
意外な事にこの中で一番怒っているのはマーゴだった。
元々、オンリーとは接点はリリスやクラム経由でしか関わりはなかった。
今回がほぼ初めてと言っても良いくらいの会話だった。
それが友達への侮辱発言だった。
マーゴの腑が煮え繰り返していた。
「そんな事を言われてもすぐに強くなる方法なんて………」
そこまで考えてクラムは黙って考えだした。
妙案が浮かんだが、あまりにも過酷な事だったのだ。
「クラム、何か思いついたんでしょう。教えて。」
「私達はどんな事でもやってみせます。」
「…………そこまで言うなら、ついて来い。ただ覚悟はしろよ。地獄を味わうかもしれないからな。」
クラムは何処かにリリス達3人を連れて行こうと部屋を出て行った。




