金庫城
投稿が遅れてすみませんでした。
「それにしても殆どが曰く付きだったな。」
「それより、クラム君、あの子どうするんですか?」
クラムもあの後、出品された者を買ったのだ。
「えっ?そりゃあ一緒に暮らすけど?みんなもいるから。一人くらい増えても問題ないから。」
「そうではなく、なんで他の人達が買おうとしなかったのか分からないのですか?」
「なんだよ、確かに凄く美人なのに誰も手を挙げなかったのは驚いたし、ずっと可哀そうな顔をしていたから、つい手を挙げてしまったけど………」
やっぱり衝動買いだったか、とオンリーはクラムのお人好しに呆れていた。
なので、オンリーは教える事にした。
何故、誰も手を挙げる事なかったのか、手を挙げたクラムにマジかと驚いていたのかを。
「身バレするからです。」
人や動物は隠しても生活していたらどうしても痕跡が残ってしまう上に、絵画や美術品とは違って贋作なんていうものはあり得ない。
100%断定出来るものをこの完璧に秘匿しないといけないものがある人がくるこの金庫に一切ごまかしが聞かないものを買うはずもなく、この金庫に入れられている人である。
必ず何かあるはずでそんな厄介な者もいるはずがなかった。
「気をつけた方がいいですよ。あの女性からは不思議な雰囲気がする。それに担当者の表情も違った。」
「そうか?ずっと無表情だった気がするが?」
クラムからしたらずっと同じ表情にしか見えなかった。
オンリーとしては女性を出品した瞬間、顔が強張った様に見えた。
「クラム様、オンリー様、オークションはどうしたか?楽しめましたか?」
「えぇ、良い買い物が出しました。」
自分達を案内してくれた担当者がオークションが終わって近場話していた二人に戻ってきた。
オンリーとしては金庫のオークションらしく、珍しいものが手に入って満足していた。
「あぁ、楽しかったよ。」
「それは良かったです。クラム様はこのまま金庫を見て回りますか?それとも今日はもうお休みにしますか?」
「?この街に宿があるのか?」
金庫しかないと聞いていたので休める場所がある事が不思議だった。
「ありますよ。金庫に数日から数年身を隠す人もいらっしゃいます。」
「此処は場所自体が謎だからね。色々と訳ありな人が多いからね。」
数日はともかく数年も金庫しかない場所で何でいるのかクラムは不思議に思っていた。
オンリーはそんなクラムを察して担当者の説明に補足を付け足した。
「此処がその休憩所です。」
「え?城?」
担当者の案内で来た場所は街の中心にあった城であった。
「この金庫は長年空き金庫になっていますので、もう契約者の宿泊所にしようと上が決定したのです。」
「へぇ、中も本物の城と変わりないな。」
担当者が今日の宿泊部屋へ二人を案内している間、クラムは城の内装や美術品を見て前に見た城内と変わらない豪華さと気品があった。
城の大きさも、美観も本物と遜色ない歴史を感じるところから何かモチーフの城があるのではと予想していた。
「クラム君、失礼ですよ。まるでこの城が偽物みたいじゃないですか。」
「うん?確かに失礼な言い回しかもしれないが、王もいないんだから。偽物と言って良いんじゃないのか?」
つまり、城の模型みたいなものだろうとクラムは言っていたのだ。
「それは違うよ。この城は昔、王がいて統治していたらしい。」
「え?マジ?」
オンリーもラッカアから聞いた話だから。
詳しくは知らないが、この街は大昔は本当の街だったそうだ。
それが滅んでこの金庫になったのかは知らないが、元は本当に街だったのは事実というのは本当らしい。
「オンリー様、クラム様の言い分も尤もです。もう王族がいない。城、正しくは廃城と言って良い代物です。」
担当者の顔は少し悲しい昔に思いを馳せる様なそんな顔にクラムは見えていた。
少し申し訳なくなったクラムだった。




