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そりゃ、ぼっちになるにゃ

「いやー、それにしても、大変だったにゃ〜アンナ。」


「えぇ、本当に鬱陶しかったですね。」


 ここは魔法学校があるアーナルド王国首都にあるオンリーの家である。

 家主のオンリーはあの後、ギルドからの依頼で遠方に仕事に行っている。今回の依頼は都市付近に現れた強力な未確認な魔物の捕縛である為、仲間は連れずに単独で行った。

 単純な戦闘ではオンリー一人の方が強いのである。


「それにしても、貴方、本当に知らないの?あの自称貴方の姉?」


「知りませんよ。あんな人。今の私はアンナです。それ以外の誰でもありません。」


 他の子達はなんとなくこの子はあの自称姉の事を覚えていると、分かっている。

 でも、その事を追求もしないし、アイツらにその事を教える事もしない。

 この奴隷達はオンリーのお陰で人生をやり直せていると考えている。その為、誰もオンリーと会う前の過去の話をしようとも話させようともしない。

 これがオンリーの奴隷間で生まれた最初の暗黙の了解である。


「でも〜あれを受ける必要あったんですか〜?」


 あれとは、アンナが完全にアミアを拒絶した後、アミアから絶対アリシアを取り戻すと変な敵意を向けられたオンリーにクラムが譲渡できないならアリシアの記憶を取り戻す手伝いを要請したのである。

 オンリーとしてはどっちでも良かったのだが、第一の友達候補であるクラムとの仲を進める良い機会かと考えたが、面倒そうだから。

 アンナに丸投げする事にした。


「良いのよ。何回かしたらあの人も諦めるでしよう。」


 アンナはアミアと一緒に行動する過程で徹底的に自分がアリシアではないことを教えようと思っている。


「それにしても〜ご主人様は〜本当に〜友達を〜作る気は〜あるんですかね〜」


「そんにゃの知らないにゃ。あの人の事を完璧にわかる人にゃんていないにゃ。」


「あの人は友達が出来なさすぎてある意味友達を神格化してますから。願望が凄すぎます。」


 オンリーの友達になる際の条件、これが一番の友達が出来ない障害である。

 生まれた頃から友達がいないオンリーは日に日に友達に対しての想いが無意識に高くなり、はじめての友達はこういう子が良いが、童貞を拗らせた男より酷くなっていた。


「第一に自分と同じくらいの強さを持つ同い年の男性。これわざわざ男性の必要あるの?女性でしたらいましたよね?」


「えぇ、居ましたね。ご主人様は本当に悲しんでいましたね。」


「あの人が化け物すぎるのがいけないにゃ。あんにゃの同年代の同性にゃんてみつからにゃいにゃ。」


「だから〜可能性のあるクラムに〜期待してるんですよね〜」


 オンリーがクラムに対して友達候補と思っているのはクラムの潜在能力の高さからである。


「あれが、そんなに強くなるんですか?」


「知らんにゃ。また、期待外れで悲しむだけにゃ。」


「そうですね〜またその時が来たらみんなで慰めてあげましょう〜」


「絶対前みたいに拒絶されますよ。」


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