表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
71/95

お知り合いですか?

「なにっ、言っているのさ。僕は前にもラッカアに招待されて式に参加してじゃないか。オンリー、君には会っているはずだけど?」


「オンリー!そうだぞ!ダーイトさんは俺たちに()()()()も一緒に居たじゃないか?!」


 ダーイトを刺し貫いているオンリーにクラムは叫びながら説得しようとしていた。


「…………はぁ、さっさと目を覚ましてください。」


「え?」


 クラムはオンリーの呆れた言葉を聞いて呆然としていた。

 そして、意識を巡らしたが、自分がまるで眠った夢を見ているような言い分のオンリーの言葉を理解出来ずにいた。


「クラム!起きなさい!!クラム!!」


 いきなりバチンという音と共に頬から痛みがはしった。


「はっ!え?」


 目覚めたクラムが目にしたのはさっきと変わらない景色に疑問と共に意味が分からなかった。

 変わっているのはアータが自分の前にいることくらいだった。


「どういう事だ。」


「夢遊病と白昼夢の合わせた夢を見ていたのです。この侵入者によってね。」


 オンリーはダーイト(偽)から目も意識も離すこともなく、クラムの状態を認識して簡潔に答えた。


「なんで俺がそんな術に?それにアータ達がなんで今になるまで起こしてくれなかったんだ?」


 精霊持ちはこのような人体を操る系や精神汚染系にはかかりにくい上に精霊にも掛けないと効果は更に下がるどころか解かれてしまう。

 精霊にも術をかける為により消費量も爆上がりする。

 だから、この手の術を得意とする者にとって精霊持ちは天敵なのである。


「この人が化け物レベルのこともありますが、精霊を騙す為に夢と現実で同じ事を起こすことによって主人が寝ているとは思わせない。」


「そんな事をしてなんになるんだ?」


 この偽ダーイトがそんな事をしても夢と現実を少しでも掛け離れた時点で術が解ける筈だ。

 こんな事しても時間稼ぎにしかならない。


「多分、予定地に着いたら私達を術を解ける前に殺せる算段だったんだと思います。それに解けたのはこの人が焦ったからです。」


 オンリーの呼びかけ程度では本来目覚めない上に精霊にも気づかれない筈だったのだが、クラムにオンリーを説得してもらおうとありもしない夢を見せて偽の記憶を言わせたのがダメだった。


「余程、私に術を解かれたのが予想外だったのだろう。私はこの人の発言から目覚めたんだけどね。」


「だから、僕はダーイトだよ!これを抜いて拘束を解いて!」


 必死に説得しようとしている偽ダーイトにオンリーは哀れに思うように見ていた。


「前にダーイトと言った人はダーイトではありません。」


「どういう事かな?」


 もう騙すのは無理だと考えた偽ダーイトは素直に聞くことにした。


「ダーイトは作品名です。中身は違うのです。」


「どういう事だ?」


 近くで聞いていたクラムにも理解ができなかった。いまだにクラムはダーイトが知り合いのようなデジャヴ感があって戸惑っていた。


「師匠のご友人にはダーティーな職な人も多くいるのです。今回の出席者にもいますよ。アンライさんとか。」


「俺の師匠!ダーティーな職の持ち主だったの!??」


 クラムはアンライの事を立派なクリーンな職に着いているものだと思っていた為、衝撃を受けていた。


「その中でもこの人は特にダメな部類です。昔は才ある人を改造してより強い作品にしてきました。そして、作品の中に入ってその作品の力を100%以上の実力を引き出すことが出来る人でした。」


 そんな事をしていたので、国から追い出されるだけではなく殺さそうとしてきた為、その国を滅ぼした過去があった。

 もうそんな面倒なことになったら嫌なので今では才ある人の細胞を培養と融合させたホムンクルスを産み出して、作品にしていた。


「そんな人だから。名乗る時は(めい)はと独特な言い方をするのです。」


 だから、僕の()はと言った瞬間に違和感を感じて目を覚ましたのである。


「失敗したよ。この人なら成りすませると思ってなったのにまさか特殊な体だったとはね!」


 偽ダーイトは剣を引き抜くのと同時に掛けられていた聖縛を無理矢理解いた。

 そして、振り向きざまにオンリーを引っ掻こうとした。


「おっと危ないですね。それに急所からズレてましたか。私もまだ眠気があるようですね。」


「こんだけ痛めつけてくれてよく言うわな。」


「え?え?」


「ガリー目覚めたんだな!」


 無理矢理解いた為に術が甘くなった為にガリーも目覚めてしまった。

 一瞬にして景色が変わりダーイトだった人の姿が変わっていたりして混乱していた。


「夢魔とサキュバスのハーフと言ったところですか。珍しいですね。」


「一瞬で看破するか。」


 見ただけで自分の種族を看破したことに内心驚いていた。


「え……………お姉さん……」


 そう言ったのは皆の後方に隠れて状況を伺っていた教皇だった。教皇の目には涙が流れあり得ないものを見るように悪魔を見ていた。


「嘘だ、お姉さんは死んだ筈だ………」


「あれ?知り合いですか?教皇様?」


 オンリーは教皇が悪魔と知り合いなことは何も驚かなかったが、この教会のトップに外部の親しい人がいた事が意外だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ