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気持ちを考えろ!

 冒険者パーティメンバーに冒険者ギルドに登録をする必要はない。パーティリーダーが冒険者ギルドに所属していれば、後がしていなくても冒険者ギルドへの依頼を受けることができる。

 だが、これには受理と報酬取得時に冒険者ギルド登録メンバーが一緒にいないとする事が出来ない為、大概のパーティは不測の事態の時の為にパーティメンバー全員に登録させる。もしくは、もうしているメンバーと組む。


 しかし、ギルド登録にはそのギルドがある国の住人である事を証明できるものがないといけない為、奴隷は国民ではない為ギルド登録ができないのである。

 この為、ギルドの名簿にはパーティ内にいる奴隷が記されてはいない。

 

「さて、アンナ。君はアリシアなのか?」


「いえ、私はアンナです。アリシアではありません。」


「嘘よ!貴方はアリシア。私のアミアの妹だよ!」


 そうなのである。このアミアという女性が言うには私の奴隷のアンナがアリシアらしいのだが、彼女自身はその事を否定している。


「そもそも、君達は盗まれたギルド情報から彼女を知ったらしいが、何で奴隷である彼女が記されていたんだ。」


 そこが一番の謎なのである。なんで、アンナの名前が写真付でアリシア名で載っていたのか?そして、それ以外の奴隷の名前どころか、存在すら書かれていなかったのか?

 これらから推察するに元々アンナ自身に対して、ギルド側が何かを警戒して記録していた以外無さそうだな。

 それよりも……


「アリシア!思い出して!」


「ですから。私はアンナです。アリシアなんて名前ではありません。」


 この言い争いをなんとかしないといけない。

 まぁ、アンナがアリシアだろうが、アンナだろうが、私にはどうでも良い事である。


「分かったわ。なら、思い出の湖に行きましょ。あの場所に行けば無くなったアリシアの記憶も蘇るはずよ。」


「ちょ!ちょっと……」


「はぁ…待って。」


 無理矢理アンナの腕を掴んでその思い出の地に行こうとしているアミアに拘束魔法で拘束して動きを止めた。


「なっ!何するのよ!」


「何しているはこっちの台詞です。何を勝手に私の奴隷を連れて行こうとしているのですか?」


「そうだよ。アミア、まだアリシアさんはオンリーの奴隷なんだから。まずは奴隷契約を譲渡してから……」


「だから、何を勝手に言っているんですか?いつ私がアンナとの契約を譲渡すると言ったのですか。」


「えっ。」


 何をそんなに驚いているのかこの話を聞いた私がクラム君か他の人か知らないがアンナとの奴隷契約を譲渡すると思っていたのか理解出来ない。


 ちなみに、アンナは奴隷の中でも刑期奴隷という奴隷である。

 この奴隷は他の一般奴隷とは違い、自分や親などが売って奴隷になったわけではなく、裁判で有罪判決になった者がなる奴隷である。

 刑期奴隷は一般奴隷と違い契約主が勝手に奴隷から解放する事はできない事になっている。


「なっ!なんで!」


「なんでも何もアンナは私にとって必要なものを持っているので買ったのです。それをなんで人に渡さないといけないのですか?」


「オンリー、おまえの言っていることは正しいでも、アリシアは本当は奴隷になるようなことはしていないんだ。だから……」


「だから、奴隷から解放できるまでの間、姉妹で引き離すのは可哀想だから。自分に譲れと言っているんだな。」


「………………………あぁ、そうだ。」


 はぁ、なんていうか。ここまでとはな……本当に………


「馬鹿馬鹿しい。」


「ア、アリシア?」


「さっきからずっと言っていますが、私はアンナです。アリシアではありません。そして、私はご主人様から離れるつもりもありません。生涯この人の奴隷として歩んでいくと決めています。」


「「「「「なっ!」」」」」


 そうコイツらはアンナの今の気持ちを一切考えていない。

 アンナは私に絶対的な忠誠を誓った忠犬奴隷である。

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