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聖都

「此処が聖都ライフ。」


「クラム君は初めてかな?此処に来るのは。」


 クラム達はオンリーの聖女就任式の見る為に聖都へ来ていた。

 聖都は世界で最も安心で最も危険な都市と言われている。そう言われている所以はこの都市の立地と様々な世界の宗教の総本山が此処に拠点を構えている事に所以している。


「ライフの周りは凶暴で凶悪な魔物が住む森に囲まれています。その陸の孤島に昔の聖女達が力を合わせて強固な結界を何年も張り続けてこの都市を建てたと言われています。」


 オンリーが都市内を案内しながらクラム達にこの都市の説明をしていた。

 有事がなかったら仲の悪い聖女達がその時だけは手を取り合って作業をした世界最初の偉業であった。


「それは今も変わりません。一年中聖女達の結界で囲われたこの都市は誰にも侵略されない世界一硬い都市となっています。」


「あぁ、だからこんな至近距離に森林があるのに魔物が近づかないのは諦めているのか。」


 この都市に入るまで絶え間なくと言っても良い程襲って来ていた魔物達がこの都市近辺では全くいなかったのは襲っても無駄である事を知っているのだとオンリーの話を聞いたクラムは納得をした。


「それにしても連れて来るのは俺たちで良かったのか?」


 クラムはオンリーに今回の件を誘われた時に自分を除いた五人しかこの都市に連れて来ることが出来ないことを聞いていた。

 だから、オンリーは自分の奴隷を誰一人として連れてきていなかった。


「良いのです。そもそもこの聖都がある聖国アルグニスは奴隷に関する事を全てを禁止しています。旅行に訪れる観光者には一応その法は適応されませんが、それでも良い顔はされないのでクラム君達に断られても連れて来るつもりはありませんでした。」


 聖都は許可されていない者は入る事ができない都市である。その為には教会でも立場が上の者の推薦が必要である。

 この場合はオンリーであり、聖女就任式に友人枠として五人が許可になっていた。


「クラムは今までの授賞式の友人枠は空席だったものね。」


 しれっと師匠であるラッカアが悲しい事を言って空気を悪くしていた。

 あまりの悲しみにクラムの目には涙が浮かんでいた。

 少しはオンリーに優しくしようと固く決意した。そして、これからのオンリーの授賞式には出来る限り参加しようと思った。


「まぁ、大体の上の人はこの都市産まれのこの都市育ちで教会から滅多に出る事ないから友人いなんだけどね。」


 じゃあほぼ空席じゃないか?とクラム達友人枠は風通しの良い授賞式を思い浮かべて苦笑いしていた。


「私の席だけ満席で目立っていたから。クラム達が来てくれて私も助かったわ。」


 いや、それって俺(私)たちも目立つという事ではないのか。今まで満席だったラッカアの友人枠と違って今まで空席だったオンリーの友人枠が満席の方が確実に目立つと予感していた。

 オンリーの誘いに乗ったことを後悔し始めていた。


「?」


「どうかした?」


 オンリーが突然止まって人混みを見ていた。

 その事にクラムは疑問に思ったが、オンリーがすぐ様興味を無くしたようにしたので、クラムも気にしなかった。


「オンリー。」


「分かっていますよ。楽しくなりそうですね。」


 ラッカアは何で一瞬オンリーが止まったのか理解していたようだ。

 オンリーはより式が楽しみになったようで笑っていた。


「なんでアイツ笑っているんだ?」


「何処がですか?」


 オンリーが笑っている事にラッカア以外でクラムのみが分かる事ができた。

 他の者からしたらいつもの無表情にしか見えなかった。


「さぁ、皆さんつきましたよ。此処がアッハゾルテ神教の総本山です。」


「デカっ!」


 そこには城並みにデカい教会があった。

 他の白い教会にはない黒を基調にした独特な色遣いをしている教会は遠目にも目立っていた。


「凄く禍々しさすらあるね。」


「あぁ、教会の清らかさが感じられない。」


「教会を見て悪寒がしたのは初めてね。」


 各々がアッハゾルテ教会をみて感想を言った。


「さぁ、中に入りましょう。」


 尻込みする皆に安心させる為にオンリーが率先して扉を開けて中に誘導した。

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