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魔界

投稿が遅れてすみません。いろいろ用事が重なり執筆が遅れてしまった結果、投稿が遅れました。

6月から5日に一回投稿に変更します。

次の投稿は6月5日です。

「悪魔ね。」


「どうしたんだ?いきなり?」


 オンリーが独り言を呟いているとクラムが話しかけてきた。


「それって禁書か?」


 オンリーの持つ異様な本の気配から禁書だとクラムは感じた。


「その通りです。この禁書は最近手に入れたものです。表紙とタイトルで何となく内容を予測できていたので欲しかったんです。」


「………………」


 オンリーは表紙とタイトルで分かると言っているが、表紙の絵も独特な上に所々が古くなって色合いが落ちているせいでより独特な絵になって何の絵なのか解明出来ないようになっていた。

 タイトルに至っては古代文字で解読がはなからできなかったが、クラムは前に見たことがあるような気がした。


「クラム君が見たことがあると感じるのはガリーを助けた時に見たんだと思いますよ。」


「あぁ、あの絶望の日か。」


 まだ、あの時のことがトラウマになっていた。


「その時に戦った三人がいたでしょう。」


「…………あぁ!」


 オンリーにそこまで言われてクラムは何処で見たのか思い出した。


「確かアイツらが持っている物の装飾に同じ字が彫られていたな。」


「これは魔界由来の字だから。あれも魔界由来のものなんでしょう。」


 魔界とは悪魔が住む異世界だと一般的に認識されている。


「実際は別大陸ですけどね。」


「そうなのか?」


 クラムも魔界を異世界だと思っていた為、悪魔っぽいあの老人の事も魔界から召喚でもされたのではと思っていた。


「まぁ、未だに海から渡った人はいないと言われています。」


「それはなんでだ?」


 別大陸ということが分かっているという事は魔界の正確な場所が分かっているからではないかとクラムは思った。

 だから、なんで船で海から行く事が無理な理由が分からなかった。


「魔界の海は私たちの住む大陸の海とは棲んでいる魔物の強さも危険性も桁違いのようです。」


 つまり、船を問答無用で襲う危険な魔物がそれも大量にいる海を船で渡るのは現代の船の強度では不可能なのだ。速やかに沈没する。


「じゃあ、なんで分かったんだ?」


「悪魔の中でも飛行能力が高い者がこの大陸まで空飛んできて分かったそうですよ。」


 その悪魔もこの大陸に行けると思って長期飛行したわけではなく、前人未到の世界一周を達成しようと思い挑戦したところ。自分達とは違う人種が住むこの大陸を見つけたのである。


「それじゃあ、この大陸に居る悪魔は全員飛んできたのか?」


「いや、それは違うよ。クラム君。」


 オンリーはそう言うと手に持った禁書を見せた。


「この本みたいな悪魔を召喚する方法が載った本を使って呼んだ悪魔が住み着いた子孫が殆どだよ。」


 因みにガリー救出時にオンリーが戦った吸血鬼も昔に本で呼ばれた吸血鬼の子孫である。


「これは召喚する人と召喚される悪魔の魔力を使って大陸間という長距離召喚を可能にする装置でもあるのです。」


「へぇ。こんな本がな。」


 この本は説明書兼本体の召喚機なのである。


「誰がそんなもん作ったんだ?」


「悪魔ですよ。」


 昔のある天才悪魔が別世界に行けないかと考えた。

 そして、こちらから一方的に行くには魔力も機械も足りないという結論に至った。

 あったとこっちに送還と召喚が出来る二機が双方にないと土台無理だという事がわかった悪魔は出来る限り小型化と未知の生命体でも興味が生まれそうな本型にして異世界(別大陸)に送る事が成功した。

 そして、最初に拾った物好きな青年が本に描かれている絵を頼りに適当に召喚方法をしたところ、何と奇跡的に成功したと言う運と力業で最初の大陸間移動は成功したのである。


「それからは悪魔がこちらの大陸の言語と文字を取得しこの禁書の類を広めたのです。」


「?最初はもしかして悪魔って好意的だったのか?」


 悪魔=悪だと教えられていたクラムは最初に来た悪魔は話を聞いている限り悪ではないように感じた。


「そうですよ。悪魔の方の権力者がこの禁書の事を知ってこの大陸に攻め込んで来たのが、今の悪魔のイメージ像を作っています。その上、悪魔自体が多種多様な文化と生態を持っている為にこちら側が一方的に悪と断罪したのも多少含まれてもいます。」


 そう聞くとヒューマンと変わらず悪魔にも善も悪もいるんだなとクラムは認識を改めた。


「オンリーも召喚するのか?」


 その禁書を読んでいると言う事はオンリーも悪魔を召喚しようとしているのではないかとクラムは考えた。


「いえ、私が知りたかったのは大陸間移動も可能にする原理です。本当に召喚するつもりはありません。」


 オンリーはある計画のための準備としてこの方法を探していた。

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