ゲテモノ再び
「さぁ、行きますよ!」
「なんで、そんなに元気なんですか?」
アミアはとある山の山頂で叫んでいた。それをアンナが冷静にツッコんでいた。
「そうにゃ。それになんでまた旅行に行っているのにゃ。」
「そこにゲテモノがあるからよ。」
「名言ぽく言っても無駄にゃ。理由をちゃんと話すにゃ。」
ニナニナは屋敷でのんびりしていたところをいきなり屋敷に入ってきたアミアにアンナごと強引に連れて来られたのである。
「アミア様が旅行中と旅行後ではアリシア様と触れ合う機会が3割減したと嘆いていらしたので私が提案させていただきました。」
「余計な事したのはお前かにゃ?!てか誰にゃ?!」
さっきからずっといたのだが、山登りの大変さとアミアのテンションの高さに紛れ込んでいたのである。
「あら?そう言えば紹介していませんでしたわね。私のご主人様の奴隷が一人、サハラです。」
「サハラです。以後お見知り置きを。」
丁寧にお辞儀するサハラに胡散臭さを感じる二人だった。
「絶対腹黒にゃ。」
「決めつけは行けませんが、腹黒そうですね。」
「本人の前にして堂々と言いますね。」
遠慮と言う言葉を知らない二人はサハラに向かってさっき言葉を言った。
「いくら私の肌が黒いからと腹まで黒いと言われるのは侵害です。」
「肌の色は関係ないにゃ。野生の勘にゃ。」
ニナニナの内なる野生がこいつは黒いと言っていた。
「三人ともおしゃべりはそれまでですよ。目的地に着きましたわ。」
山頂から四人が目指した場所は雲の上だった。
この山は特殊は魔石と磁力によりこの時期だけ山頂から雲の上に来る事ができるのだ。
「その雲の上にあるのがこれですか?」
アンナが見たのは雲の上に巣を作る特殊な鳥だった。
「このクラウドバードは比較的最近見つかった鳥類なのです。今回はゲテモノ初心者のサハラがいるのでは比較的食べやすいものにしました。」
「なんにゃ?今回のゲテモノはこの新種の鳥かにゃ?」
一切ゲテモノには見えない鳥にニナニナは油断していた。
後輩であり部下であるサハラに気を遣ってゲテモノらしくないものにしたのだと考えた。
「何言ってますの?食べるのは鳥ではなく巣の方ですよ。」
「…………貴方は何を言っているんですか?」
アミアが指を指したのはクラウドバードの巣の方だった。
クラウドバードの巣はそのほとんどがその鳥の特殊な唾液で出来ている。
それに加えて、この鳥は果物しか食べない上必要以上の糖分は唾液と一緒に巣の材料にしてしまう為巣はフルーツのように甘く、フルーツにはないぷるんとした食感が楽しめるのである。
「これはまだ出回っていない情報ですが、この巣を狙って密猟が横行していると言う話です。その為、そろそろ世界的にこの巣に対して規制が入るそうです。」
「だから、その前に取って食べてしまいましょうと言う事ですね。」
三人にはアミアが言いたいことが分かった。
規制が入るとクラムやオンリーにお土産を持って行くことが困難になってしまう。
「それにこの道が閉じる時期ももうそろそろらしいのよ。合法のチャンスは今年しかないのよ。」
アミアはこの巣が美味しかったら、裏のやり方で手に入れようと思っていた。
「さぁ、取りましょう。この鳥は一度捨てた巣は使わない上に誰も使わないみたいだから。それを取るのが良いらしいわ。」
「それならこの辺りが良いにゃ。鳥の匂いが薄いにゃ。」
ニナニナは巣に残る匂いから鳥がこの巣を捨てたことを判断していた。
「それじゃあいただくにゃ!」
「なんの躊躇いもなく?!」
一切躊躇しないニナニナの行動にサハラは戦慄していた。これがベテランと素人の違いである。
「あっ、乾燥させてからじゃないと毒があるから。食中毒になるわよ。」
「あぶにゃ!」
既の所でニナニナは食べる事を回避した。
「そう言うことは早く言うにゃ!」
「喋ってないで早く回収して降りますよ。」
アンナはさっさと鳥の巣を袋に詰めていた。
「中には既に乾燥しているものもありますね。」
上空で放置されていることもあり何もしてなくても完全に乾燥しているものもあった。
「甘いですね。まるで完熟したフルーツのようですね。」
完全に乾燥した巣を舐めたアンナはあまりの甘さに悶絶しながら舌打っていた。




