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計画通り

「オンリー、聖女になるって本当か?」


「やぁ、クラム君。」


 オンリーが自室で読書をしているとクラムが入って来た。


「本当だよ。読みたい本が聖女じゃないと許可が降りないからね。」


「お前らしい理由だな。リリスが聞いたらまた怒りそうな理由だな。」


 今でも、リリスはオンリーに怒り心頭だった。

 オンリー自体も仲良くする気がない。師匠であるラッカアも別にいいだろうと放置している。

 弟子同士なのだから。仲良くして欲しいと思っているのはクラムただ一人だけだった。


「クラム君も妹弟子と仲良くないのだから。どうこう言われる筋合いはないと思うけど?」


「………………ちょっと待て。今なんて言った。」


 クラムは一瞬オンリーが言ったことを理解できなくて静止してしまっていた。


「?どうこう言われる筋合いはない?」


「そこじゃない!俺に妹弟子がいるってところだ!」


 アンライにはクラム以外に弟子はいない筈だ。

 一緒に住んでいたクラムにはあのコミュ障の師匠が産まれた時からいる俺以外にものを教えるところを想像できなかった。


「え?知らなかったんですか?アンライさんはクラム君以外に弟子がいるそうですよ。本人も最近まで認知していなかったそうですが。」


「?師匠が弟子を認知していないってどう言うことだ?」


 そんな昔、一夜の過ちで産まれた子供と親みたいな関係が弟子と師匠の関係で生まれるのかとクラムは疑問に思った後、あの師匠ならやりかねないと考え直した。


「それが本当だとしてなんでオンリーが知っているんだよ。」


 クラムは聞いてみたものの、十中八九オンリーの師匠ラッカアから聞いたのだろうと思っていた。


「……………あぁ、手紙が届いたんだよ。」


 オンリーは言いにくそうに言うと机から手紙を出すとクラムに見せた。

 そこにはアンライの宛名が書いていた。


「いや、なんでオンリーが俺の師匠と文通しているんだよ。」


 手紙の内容は妹弟子の事とクラムの近況を聞くような内容になっていた。

 でも、明らかに何度も文通している事が伺える書き方だった。


「師匠がアンライさんの愚痴が嫌になって押し付けられたんだ。」


 確かに手紙の内容には愚痴混じりの内容が散見していた。

 どうやら、オンリー以外にも弟子多くとっているラッカアにクラムとは色々違う妹弟子に戸惑っていたアンライが相談していたんだそうだ。

 最初こそ、面白く相談に乗っていたラッカアだったが、途中から愚痴を多く占めるようになってオンリーに押し付けたのだった。


「アンライさんも色々苦労しているようだから。何か美味しい物でも贈ったらどうかな。」


「なんか、うちの師匠がすまん。」


 オンリーから哀愁が漂ってきてアンライの手紙で苦労しているのかとクラムは謝罪の念でいっぱいになっていた。


「謝る必要はないですよ。私もお礼の品は貰っているので。」


 オンリーはさっきから読んでいた本を見せてクラムに言った。

 先から読んでいた本はアンライからの感謝の品だった。


「なんの本だ?」


 その本には見たことのない古代文字と独特な絵で意味不明なものになっていた。


「古代ランピューターの本です。アンライさんも解読出来なくて棚の肥やしになっていたのを貰ったのですよ。」


 古代ランピューターはオーパーツが一番見つかっている太古の国として有名な国である。

 元古代ランピューター国内では未だに解明されていない謎も多く危険であるため、今では何処の国も領地にしていなかった。

 オーパーツなどの謎が解明していない理由の大半は古代ランピューター文字が解読出来なかった事にあった。


「それを解読しようと思っていた所にアンライさんが大量に古代ランピューターの本を所持していると言う話を師匠から聞きました。」


「確かに家にはよく分からない本が大量にあったな。」


 アンライの家に住んでいたクラムはそこに置いてある本らに危険なものもあったことを思い出した。


「それは安全なやつか?」


「危険な物は貰えませんでした。」


 オンリーは残念そうに言った。

 どうにかアンライから譲ってもらえないか、最初の頃から交渉していた。


「でも、代わりにこれを貰えたので良しとします。」


「それには何が書いてあるんだ?」


 そこまでオンリーが気に入っている本にクラムは興味が湧いた。


「気になりますか。これにはある宝の場所とその内部情報が書かれているのです。」


 オンリーが欲しがる程の宝なら相当珍しい物なのだろうと考えた。

 古代ランピューターだから。オーパーツの可能性もある。


「クラム君も行きますか?」


「何処に?」


「宝探しです。」


 オンリーはニナニナ達のゲテモノ旅行の話が思っていたより楽しくて自分も久しぶりに旅行に出ようと考えていた。


「お前と違ってこっちには登校義務があるんだよ。」


 短期ならともかくオンリーの言い方からして長期での旅行である。

 オンリーと違って登校しないといけないクラムには長期休暇の期間でも無い限り無理だった。


「良いですよ。長期休暇の時期まだ待ちましょう。」


「良いのかよ。すぐに行かなくて。」


 クラムを待っている間に他の者が宝を探し当てるとではないかとクラムは思った。


「そう簡単に見つかるものでありませんし、それに旅行なら計画を立てないといけません。」


 どんな壮大な旅行にするつもりなんだよとクラムは思ったと同時に楽しみになった。

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