オンリー対クラム 2体目
今週は体調が悪く投稿が少し遅れてしまいました。
すみません。
ラシアの光線とオンリーの光線が入り混じった攻撃に苦戦するクラムとアータだったが、此処で賭けに出す事にした。
「精霊術、氷鏡極!!」
クラムが繰り出したのはさっきまで防御として使った氷と同じのように見えたが、オンリーには何か違和感があった。
「っ!!」
「よし!うまくいった!」
オンリーの光線もラシアの光線もその氷を溶かす事が出来ずに反射した。
クラムは氷の反射力を上げる為、氷面の透明度を上げに上げまくった。
何度やっても無駄だった為、少し攻め方を変える事にした。
「これならどうかな?クラム君。」
「なっ!曲がった!?」
氷に当たる瞬間に光線がグニャリと曲がってクラムに襲いかかってきた。
間一髪で躱せたが、クラムはすでに氷の反射が無理だと考えた。
だが、クラムの作戦は此処からだった。
「ん?これは霧か?」
オンリーはずっと日光を操る事によって時間経過による光線の飛距離を伸ばして威力を保持させていた事にクラムは気づいていた。
それを霧によって日光を光線に届く前に遮断させたのである。
「なるほど、賭けはこっちの方ですか。」
「アハハ!!!!!霧が綺麗!!!」
霧がちゃんと結界内に生成されるかクラムにも分からなかった。
ラシアにはまた違うように見えるのか?キラキラした目で見ていた。
「はぁ…………これを飲んで下さい。」
ラシアの酔いがそろそろ限界が来ていると感じたオンリーは酔い覚まし用の魔力を飲ませようとした。
「させない!」
その行為をいつの間にか近づいていたアータが邪魔した。
「これ以上、お前の好き勝手にするか!」
さっきからオンリーがラシアに魔力を飲ませることで主導権がオンリーに傾くようになっていた。
だから、クラム達は霧を利用してオンリーに近づいて酔ったラシアから離すことにした。
「霊衣を解除していましたか?……それは悪手ですよ。」
クラムは自分では妨害が間に合わないと思った瞬間にアータの霊衣を解除してアータに先行させる事にした。
だが、それによって霊衣による防御力や身体能力強化などのバフが消えていた。
「今のクラム君では私と近接戦闘は無理ですよ。」
身体能力も戦闘技能もオンリーの方が遥か格上な為、霊衣なしにオンリーと戦うなんて無茶であった。
その証拠にオンリーの拳がクラムの鳩尾に深々と刺さっていた。
「それはどうかしらね?」
オンリーを挟んでクラムの反対方向にいるアータが不敵に笑っていた。
「うん?あっつい!??」
クラムの鳩尾を正確に殴っていた筈のオンリーの拳は強火で直接焼かれたようにまる焦げになっていた。
「どう言うことだ?」
「早すぎだろう?!」
クラムはオンリーの質問に答えず、一瞬にして完全に芯まで焼けていた腕を直したオンリーに驚いていた。
「それは霊衣ですよね。クラム君の精霊は私の後ろにいる筈なんですけどね?」
確かにオンリーの言う通り、クラムの今の姿は霊衣を纏っていた。
でも、アータはオンリーの背後でオンリーの隙を狙っていた。
「それに霊衣の形状が明らかに違いますね。」
練度と精霊との絆が強くなる事によって霊衣は強化されて少し形状が変わる事はあるが、クラムのそれは明らかに別の物だった。
アータを纏った時のドレス型とは違っていまは鎧型だった。
「本当にびっくり箱ですか?クラム君。」
「お前にだけは言われたくないよ。オンリー。」
オンリーはクラムが答えるまでもなく真相に気がついた。
「まさか、2体精霊がいるなんて。驚きました。」
通常、精霊は一人に対して一体しかいない。しかし、クラムは生まれつき複数の精霊と交信できる特異体質だった。
「やっと、俺を出したな。クラム。待ちくたびれたぜ!!!」
クラムはアンライからまだ一体ずつしか出したらいけないと言われていた。
それに戦闘では常に同じ精霊を出すようにも言われていた。今回のオンリーのように格上の相手を騙す為だった、
「アータより俺の方が役に立つ事を見せてやるぜ!!!!!」
アータが戦闘担当に選ばれた事に嫉妬していたのか。
今、クラムが纏っている精霊は鬱憤を晴らすように火力を上げていた。
「ほう。なかなかの火力ですね。」
「テメェは俺たちが倒してやるぜ!!!」
「おい、待て!ファイ!」
勝手にブースターを起動してオンリーに突っ込むのをクラムが制止しようとしたが、止めるのが遅かった。
「ですが、動きがお粗末です。」
「テメェがな!!」
真っ直ぐ突っ込んでくるクラムをタイミングを合わせてカウンターしようとしたが、ファイはブースターを急転回させてオンリーの拳を躱して攻撃しようとした。
「だから、お粗末なんですよ。」
「ぐばっ!」
「クラム!」
それを完全に読んでいたオンリーは背後からのファイの炎とオンリーの蹴りを完璧に避けてクラムの顔を殴り飛ばした。
「さっきとは違って一瞬しか触っていないのにそれでもこれだけ焼けますか。」
さっきとは違って芯まで焼けはしなかったがこれだけ焼けたら普通なら近距離での攻撃を躊躇させるには十分な火力だった。
「まぁ、私には関係ありませんが。」
「本当にチートだろう。」
また、完璧に治すオンリーにクラムは愚痴った。
「クラム!早く傷を見せて!」
「邪魔すんな!アータ!」
自分の方に飛んできたクラムの傷を治そうとするアータをファイが怒鳴って制止した。
「なによ!邪魔はそっちでしょう!ファイ!」
「なんだと!!!クラムといつも一緒だからって調子に乗ってんじゃねぇよ!!!!!」
「お前ら、今は戦闘中だ!集中しろ!」
明らかに仲の悪い2体に兜をはずしたクラムが注意した。
「元気ですね。クラム君。」
そんな2体を見たオンリーがクラムに皮肉めいた事を言った。
「アンタのせいでせっかく作った霧が晴れたじゃない!!」
アータの言う通り、ブースターの炎の勢いによってさっきまで発生していた霧が無くなっていた。
「ラシア。目は覚めたか?」
「ふぁい。めがさめました。」
明らかに眠そうにしているラシアはオンリーがクラムの注意を引いているうちに酔い過ぎて寝ていた。
「ほら、向かい酒だ。」
「えっ!ラシア母ちゃん!!」
そんなラシアにまた酒を勧めるオンリーだった。ファイは霧が晴れてようやくラシアの存在に気づいて驚いていた。




