表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
47/95

最悪のゲテモノ

 此処は火山地帯。

 砂漠とはまた違う身体の芯から溶かすような灼熱地帯だった。


「今回のはなんにゃ。」


 暑さが嫌いなニナニナは汗をダラダラに掻きながら言った。


「世界で唯一食べれるマグマ。ボルボル。それが今回の食材よ。」


 アンナもこの暑さに嫌気を出しているのか怠そうに言った


「さぁ!頑張りましょう!!ゲテモノハンターの私たちの力を見せるわよ!!」


 こんな暑い中でもアミアだけは元気だった。


「暑いのに大声で叫ぶなにゃ。それにいつ私たちはそんなハンターになったのよ。」


「そこの無駄に元気な人がいく先々で宣伝していたわよ。」


 ゲテモノ食材情報が自然と流れてくるようにアミアが街での聞き込みついでに宣伝していたのである。


「それにしても元気ね。何かあったのかしら?」


「多分あれにゃ。昨日届いた手紙にゃ。」


 アミア達宛にクラムとオンリーからそれぞれ手紙が届いていた。


「えぇ、クラムが武道会の決勝に進出出来たのよ!喜ぶし元気も出るわ!!」


 逆になんでニナニナ達がオンリーの決勝進出を喜んでいないのかアミアにはそっちの方が不思議だった。


「ご主人様が決勝進出するなんて当たり前です。何を喜べと言うのですか?」


「そうにゃ。アミア達のご主人と一緒にするにゃ。」


 ニナニナ達にとってオンリーの優勝すら当然の出来事であり一欠片の疑いすら持っていなかった。

 その前段階である決勝進出に一喜一憂することなんてなかった。


「まぁいいわ。でも、優秀するのはクラムよ。そこは間違えないでね。」


「「はぁ?!」」


 アミアの発言にニナニナ達は暑さもあってすぐに怒り心頭になった。


「ご主人様がクラムのような雑魚に負ける訳ないでしょう。冗談も大概にしない。」


「そうにゃ。自分のご主人が100%負けるのが悔しいのは理解するけど、そんな虚勢は虚しいだけにゃ。」


「へぇ、言うじゃない。なら賭ける?当然私はクラムが勝つのに賭けるわ。」


 アンナ達のクラムへの侮辱にアミアもキレて、そんなに自信があるのならどっちが勝つか賭けを持ち出した。


「いいですよ。では何を賭けます?」


「次の食材の決定権にするにゃ!食べたい珍味の魚があるにゃ!」


 アンナは賭けの対象をアミアに質問したが、それに被せてニナニナが賭けの対象を提案してきた。


「良いわね。じゃあ、私が勝ったら貴方達が嫌がっていたあれにするわね。」


「…………………………………良いですよ。勝つのは私ですから。私は特にないのでニナニナに合わせて東洋で食べられていると言う魚の精巣とかにしますかね。」


 美味しいらしいですよ。とアンナも何も疑いもなく珍味を提案するあたりアンナもゲテモノハンターに毒されていた。


「それにしてもボルボルないですね。」


「そうですね。目撃情報ではこの辺りのはずですが?」


「あれじゃないかにゃ?」


 それなりに話していたのに一向にボルボルの姿形も見えない為、不思議がったアミアだったが、ニナニナがなんかそれっぽい物を見つけた。


「これなのかしら?」


「その筈ですが?」


「これ本当にマグマかにゃ?」


 食べれるマグマと聞いて色々妄想していたアミア達だったが、それらしいものを見て存在を疑い出した。


「でも、これは流石に…………」


 様々なゲテモノを食べてきたアミア達でもこれを食べるのは躊躇ってしまっていた。


「ですが、伝承の姿と一致しています。」


 アンナが街で写本してきた伝書を見て確認した。


「でも、この匂いはどうみてもうんこにゃ!絶対違うにゃ!!」


 その長細いボルボルの姿にニナニナが正直な意見を言った。


「いえ、正確には違いますね。これはこの辺りに住むマグマトカゲの死体がマグマで長時間燃やされ炭になった後です。」


「なんで、そんな事が分かるの?」


 アンナの意見にアミアは疑問に思った。


「これよ。」


 アンナがボルボルの近くにあった物を持ち上げた。


「これは………爪?」


「微かにそのうんこと同じ匂いがするにゃ!」


「これはマグマトカゲの爪です。よく見たらこれ以外にもあったわ。」


 マグマトカゲの中でも最も耐熱性の高い爪だけが死骸が炭化してもそれだけが原型を残してボルボルの近くにあったのである。


「つまり?」


「この長細いの腸ですね。爪より耐熱性が低いようですが、中は無事みたいです。」


 アンナがボルボルをナイフで触ると黒い外側砕けて中身が出てきた。


「結局うんこにゃ!!!」


 腸内部のものという事はそういう事である。


「これをどうやって食べるというのにゃ!!!!!」


 この場で唯一の獣人であるニナニナはボルボルの匂いが凄く嫌なようだ。


「伝承のボルボルを煮て出来た黒い汁。これが飲めるようだけど………」


「コーヒー?」


 その話を聞いたアミアが当てはまる飲み物を言った。


「いえ、コーラよ。」


「はぁ?!!コーラ!!どうやったらトカゲのうんこがコーラになるのにゃ!!」


 こんな臭いものがあのコーラになるとはニナニナには到底信じられなかった。


「このトカゲは鋭い爪や牙に反して草食動物。中身も果実や葉だけよ。」


 マグマトカゲの腹の中での腸内細菌により通常では分解されない果実の種などが分解、発酵されて天然のコーラの元になっているのであった。


「まさかこのまま飲むのかにゃ?」


 これを水に入れて飲むのを想像したニナニナは吐き気を催していた。


「そんな訳ないでしょう。一旦、冷凍して乾燥させるのよ。これを5回以上繰り返したら出来上がりよ。」


 途方もないこれからの作業にニナニナは暑さと臭さがあってグロッキーになっていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ