表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
45/95

クラム対ワヤ 後半

3月から3日に一回投稿に変更します。

次の投稿は3月3日です。

3月から新しく違う物語を投稿予定なので良ければそちらをよろしくお願いします。

「すぅーーはぁーーーすぅーーーーーはぁーーーー」


 爆破の威力によって結界に亀裂が入った。

 その亀裂から空気が流れてきたのである。ワヤは新しい酸素を急いで入れようと深呼吸を繰り返していた。


「無茶をする。」


 闘技場の壁までまた吹っ飛んだクラムは瓦礫やほとりを払いながら言った。

 それにあの爆発はワヤを中心に起きたものであり、液体酸素など可燃物がありより威力と範囲を爆上げにした。とはいえ、ワヤから数歩離れていたクラムは瞬時に回避と受け身の体勢に入った。爆炎はアータが風で晒し続けてくれた為、結果としてクラムにあまりダメージが入らなかった。


「良いのよ。私の勘が言っていたのよ。」


「ワヤって感覚派じゃないだろう。」


 今までのワヤならあの場面で一か八かの勘に頼った大博打は打ってこなかった。

 だから、あの爆破はクラムにとって予想どころか想像すらしていなかった。


「さぁ、やるわよ。私はまだ負けていない!」


「……………」


 ワヤの体力はもう限界に来ているのは誰の目からしても明らかだった。そんなワヤが決死の覚悟で力を振り絞りクラムに斬撃を飛ばした。

 だが、それはクラムも同じであった。他者から見ればクラム有利な場面に見えているが、実際はそうではない。

 クラムもまた魔力に限界が来ていた。あの氷魔法はある程度密閉された空間でしか使えないと言う欠点がある。

 でも、それ以上の欠点が魔力消費の高さである。なので、後天的な合成魔法使いよりある程度魔力消費を抑える事ができる先天的合成魔法使いか精霊持ちにしか使えない代物である。

 それもギリ使えると言う範囲を出ない為、クラムもこれに賭けていたのであるが、ワヤの機転により倒し損ねてしまっていた。


「ちっ!」


 そのせいで、通常なら避けれる弱ったワヤの斬撃を受け止める事になった。


「?…っ!」


 それによりワヤにもクラムが自分と同じで弱っている事がバレてしまった。

 このチャンスを逃すまいとクラムに近づいて剣を振り下ろした。


「舐めんな!」


 その剣をクラムは剣で迎え打った。

 それにより酷使に酷使を重ねていたワヤの剣が壊れてしまったが、自分の剣の限界を分かっていたワヤはそれを利用して瞬時に折れた破片を空中で掴んでクラムの肩に突き立てた。


「ぐぅ!だァァァァ!」


 アータは疲労により既に顕現しているのもやっとの状態であった。今は気合いで霊衣は保っているが、風で刃を逸らすなどの防御に回す力は残っていなかった。

 その為、クラムはワヤの熱された刃をもろに受けてしまった。

 クラムは肉が切られ焼かれる痛みに耐えてワヤの鳩尾に蹴りを食らわせた。


「ぐぅ、まだまだ!!!」


 ワヤは自分に残っている魔力を込めれるだけ込めてクラムの見様見真似で炎の剣を作り出した。

 付け焼き刃の剣はほぼ魔力を垂れ流している状態であった。

 それでも、火力だけは充分にあった。


「あぁ、勝つのは俺だ。」


 心の中のアータからの声援に応えてクラムは全力でワヤの剣を受けるではなく回避に全力を注いでいた。

 魔力不足の今の状態の剣ではワヤの剣を受けることは不可能であり、一度壊れてしまったらもう作れないほどクラムの魔力は無くなっていた。


「逃げんなっ!」


「避けてんだよ!」


 ワヤの範囲を広くした炎の斬撃を空中に飛ぶことによってクラムは回避した。


「私が剣を振るだけしか能がないと思うなっ!!」


 空中に避けたクラムの真下から火柱が建った。


「がはァァァァ!」


 クラムは空中にいた為、ワヤの火柱を避ける事ができなかった。それにより、火柱を直撃してしまった。


「がぁりゃァァァァァ!!」


「っ!がはっ!」


 火柱から氷の剣が飛び出してワヤの腹に刺さった。

 クラムがこのまま持っていても溶けて無くなってしまうからと一か八かありったけの力を入れて投げた。


「くっ…………ぐっ!」


「がっ!」


 ワヤは刺さった氷の剣を溶かして傷口を焼いて止血した。

 クラムはなんとか受け身を取ることはできたが、霊衣のお陰で全身大火傷を回避することはできていたが、ダメージは高かった。

 アータはこのまま霊衣を維持するよりクラムを回復した方が良いと判断して治癒に全力を注いでいた。


「まだまだ!」


「あぁ!!」


 両者とも満身創痍になっていながらなんとか立っていた。

 場内が次で勝者が決まると感じていた。


「だァァァァァァァァ!!!!」


「はァァァァァァァァ!!!!」


 得物がなくなった両者は全力を拳に込めて殴り合いを始めた。


「がっ!おりゃ!」


「ぐっ!だりゃ!」


 両者防御を捨て攻撃に全集中していた。

 二人は自分が気力で立っていることを分かっていた。少しでも攻撃の手を緩めたら倒れそうになることを直感で理解していた。


「負けない!」


「勝つ!」


 両者の傷口が開いてきた。

 それにより血が流れ始めていた。審判達も命の危険がある場合は止めなければいけない為、いつでも割って入れる準備をしていた。


「っ!」


「ここだ!!」


 クラムが地面に出来た血溜まりに足を滑らして体勢を崩してしまった。

 その隙を逃すまいとワヤが全身全霊の力をのせて拳を繰り出した。


「舐めんな!!」


 クラムは体勢を崩したのを利用してわざと転んでワヤの拳を回避した。

 そのままクラムはローキックを繰り出した。


「なっ!」


 ワヤはクラムのローキックにより足が払われて転けてしまったが、ワヤもそれを利用して全体重を乗せてクラムの腹に一撃をお見舞いした。


「ぐはっ!!」


「勝て!!!!!!」


 もろにくらってしまったクラムは気絶しそうになったが、それを呼び起こしたのはアータの声だった。


「あぁ!!」


「うそ、っ!」


 決まったと思ったワヤの腕を掴み引き寄せて頭突きを喰らわした。


「…………………」


 沈黙が場内に流れていた。

 その中で立ったのは……………


「勝者!!!クラム!!!」


「わぁぁぁぉぁぁ!!!!!!」


 今大会最大の歓声が学園中にこだました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ