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化け物

「聖女護身術の対処法を教えてほしいですか?」


「あぁ、頼む。オンリーに学園祭で勝ちたいんだ。」


 クラムはオンリー対策の為に同じ師を持つリリスに聞きに来ていた。


「オンリー先輩ってそんなに強い人なんですか?」


「マーゴは知らなかったね。」


 この場にはクラムとリリス以外にもう一人いた。


「クラムさんには紹介がまだでしたね。同じクラスのマーゴです。」


「マーゴです!得意な魔法は水系です!よろしくです!」


 元気よく返事する女の子である。


「よろしく、クラムだ。」


「はい!」


 クラムが握手をしようと手を出すとそれを元気よく掴んで握手した。


「それにしても、あのクラム先輩と仲良しなんて。リリスちゃんは凄いんだね!」


 クラムは学校内でも色んな意味で有名であった。


「たまたま、此処(入学)に来る道中に知り合っただけよ。」


「いや〜あの時は本当に助かった。改めてありがとう。」


 リリスと初めて会った時を思い出したクラムが再度感謝した。


「別に聖女候補として当然の事をしただけです。」


 リリスは照れながら謙遜した。


「あぁ、そんな聖女候補のリリスに頼む。俺はオンリーに勝ちたいんだ。」


 オンリーに勝つ。

 今の目標を再度口にしたクラムの目には硬い決意が見てとれた。


「あの〜クラム先輩がそんなに対策を考えないと勝てない相手なのですか?オンリー先輩…………初めて聞く名前なんですが?」


 実力者としても有名なクラムに勝つ人なら自分も知っているはずだが、そんな名前の人を聞いたことのないマーゴは疑問に思った。


「強い。俺は昨年の学園祭でオンリーに惨敗した。」


「え!」


 クラムが負けただけではなく、惨敗した事に凄く驚いたマーゴであった。


「それにマーゴが知らないのはオンリーが登校していないからよ。」


「え?!」


 次はリリスの発言に驚くマーゴであった。


「な、なんで!登校していなんですか!?」


 此処に通う生徒は皆、魔法使いとして高みを目指す為に来ていると思っていたマーゴにとってそれはあまりにも衝撃的だった。


「退屈だからだ。」


「え??!どう言う事ですか!?」


 クラムも前にオンリー自身に聞いた事があった。

 なんで登校しないのか?とその答えが退屈であった。


「あいつは言ったよ。あそこで授業を受ける意味はないとそれだけの実力も知識も既にあった。」


「なんでそんな人がこの学校に通っているんですか?」


 はっきり言ってそんなのお金の無駄使いでしかないと思ったマーゴはオンリーのその行動が自分も貧しいながら此処に通わしてくれている親への侮辱している行為に思てきていた。


「禁書よ。」


「禁書?」


 怒りに燃えそうになっているマーゴに水をかけたのはリリスだった。


「オンリーは昔から本が……いえ、本だけは凄い執着を見せたそうよ。」


「あぁ、オンリーの本に対して思いは強い。この学校にもそれだけの為に通っている。」


「本を読むだけ………」


 それだけの為にこの学校に通っているなんてマーゴには信じられなかった。


「禁書レベルの本は学生はもちろん教師であっても読むことは通常出来ない代物だ。」


「???」


 禁書を読む為に来ているのに学生であるオンリーには読む事ができないと取れる発言をしたクラムにマーゴまた混乱してきた。


「だから、オンリーは学園長に直談判して全ての教科のテストを満点取る事と学園祭のメイン武闘会で一位でいる事を条件に学生でありながら、禁書を読むことへの許可を貰ったって聞く。」


 なので、不登校なオンリーも学園祭には登校する事が確定しているのは学園長との約束を守る為であった。


「…………………」


 オンリーの行動に怒りを見せていたマーゴであったが、その条件がいかに厳しい物であるのかは、学年一位の学力をもつマーゴ自身であるからよりその大変さは分かった。


「でも、そんな化け物にどうやって勝つって言うんですか?」


 マーゴには聞いただけで勝つのが不可能な化け物のように思えていた。


「だから、オンリーに勝つ為の一歩としてリリスに聞きにきた。」


「確かに、私達が使う聖女護身術にも弱点はありますが、学園祭まで後一か月それでなんとかなるとは思えません。」


 師匠からオンリーの事を聞いているリリスは一か月で勝てるようになるとは思えなかった。


「なので、今から私と戦ってください。そしたら、教えます。聖女護身術がどう言う物なのか。」


 だから、リリスは自分で見極める事にした。この人がオンリーを超える事が出来るのか。


「返答は?」


「あぁ、望む所だ。」

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